イベントリポート

信越トレイル集中整備2015 ボランティア参加報告

2015/06/24
長谷川晋
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今年でハイカーズデポとしては3回目となる、信越トレイル整備のボランティア活動を行ってきました。

2015年6月21日(日曜日)。今年でハイカーズデポとしては3回目となる、信越トレイル整備のボランティア活動を行ってきました。今年も東京から向か うことを考えて、本来の集合時間ではないプランを組んでいただき、こちらに合わせた整備内容に変更してくださいました。

今回も昨年同様に集中整備の時期に合わせて参加しました。集中整備とは雪解けが進んだ5月から始まり6月いっぱいをかけて、信越トレイル全体をセクションごとに集中して行う整備です。
集中整備は毎年行われるのですが、これは積雪の多いこの地域ならではのことと言って良いでしょう。毎年3mから4mほども積もる雪の影響で多くの木が倒さ れてしまいます。雪は融けながら地面を滑り落ちて行き、その力はトレイルを削り、階段を壊してしまいます。また、雪の重みは看板や道標などを折ったり、倒 したりするのです。
雪解け時期はそのような倒木やトレイルの崩れ、看板や道標などの破損があることから、これからハイキングシーズンを迎えるにあたり信越トレイル事務局では多くのボランティアを募り、集中してトレイル整備を行っています。

今回の整備作業内容は、セクション5の「関田峠」にある大看板の立て替え作業とセクション6の「野々海峠」付近の草刈りを時間の許す限り行いました。
昨年も牧峠の大看板を立て替えました。今回の関田峠の大看板は信越トレイルの中でも最初の頃に建てられたというお話でした。信越の重要な交易路であった関田峠は古い文献にもその名を残すもので、信越トレイルの通る関田山脈とも同じ名前を持った峠です。
雪の重さで破損したと考えられていましたが、実際には想像以上のアリによる侵食のために看板が痛んでしまったようです。昨年以上に困難だったのは粘土質の 土の重さと、掘りにくさ。そして看板の柱が昨年以上に深く埋め込まれていたために、掘っても掘っても抜けずに苦労しました。みんな弱音を吐かずに黙々と作 業を進めました。最後は柱に、ある程度の角度をつけてから車で引っ張り出すことにしました。やっと引き抜けた時には思わずみんなガッツポーズをしてしまう ほど!昼休憩を挟み、設置の時には、みんなの息はもうぴったり。あっと言う間に新しい看板を立て終わりました。
その後、残り時間は少なかったものの、急いで野々海峠へ移動し、野々海(ののみ)峠、深坂(みさか)峠間の草刈り作業をしました。地味な作業ではありますが、トレイルを維持するためには看板立て替え以上に大切な作業だと思います。

今回も人数がいるからこそできる作業を、事務局側に選んでいただいた作業となりました。看板立てはある程度の人数がいたからこそスムーズに作業が進んだと 思います。今回は信越トレイルクラブの片平さんを含め6人で作業を行いましたが、これを2~3人でやったとしたら、一日仕事になっていたかもしれません。 草刈りも一見地味な作業ではありますが、範囲も広く少人数で行うには時間がかかる作業です。刈った草の片付けができていないトレイルなどを時々見かけます が、それだけの重労働なのです。
今回も短い時間の中ではありましたが、信越トレイルを維持するために、がっつりした作業に従事させていただきました。本気でやるからこそ見えてくることが あると思います。ぜひ、信越トレイル整備に参加される機会があれば、率先して重労働を買って出ていただけたらと思います。

参加してくれた皆さんありがとうございました。今回たまたま大阪から用事で東京に出てきていた、2013年PCTハイカーの深町和代さんにも参加していた だきました。本当は東京で会いたい人ややりたいこともあったと思いますが、ご参加ありがとうございます。永井さん、鈴永さんは前日入りで、飯山周辺をのん びり楽しんでいただいた上での参加でしたが、せっかくですので地元に触れ合う機会があって本当に良かったと思います。ただハイキングをするだけでなく、そ この文化に触れ、道を整えることは、今後整備を継続していく上でも大きなヒントになると思います。ハイランドデザインの勝俣隆さんは、2014年のアパラ チアントレイルスルーハイカー。加藤さん以来のATハイカーによる整備ではなかったのではないでしょうか。きっと加藤さんも喜んでいただけていると勝手に 思っています。皆さん早起きで寝不足気味でしたが、最後まで集中し、作業してくれて、本当にご苦労さまでした。

知らない誰かが整備していた道。
誰かの力で道は成り立っているということ。
整備作業を続けていくことの重み。
信越トレイルに愛着を持って関わり続けること。

いつも面倒なリクエストに対応してくださっている、信越トレイル事務局の片平様。大変お世話になりました。今後も継続して信越トレイルの整備に関わって行きたいと思っております。
また、ハイカーズデポでは信越トレイルの整備に興味がある方達へ信越トレイル事務局との橋渡しもしております。信越トレイル事務局では、定期的な整備への ボランティア参加はもちろん、ある程度の人数がまとまればグループ別での整備ボランティア活動へも対応して下さいます。もしご興味がある方は信越トレイル 事務局へ直接のお問い合わせはもちろん、ハイカーズデポへのご質問もお受けしております。

Hiker's Depot  長谷川晋

長谷川晋

書き手長谷川 晋

1978年、東京生まれ
自転車で日本を旅して回ったのが「旅人」としての原点。トレイルネームは「Turtle(タートル)」 セレクトショップ、スキー場、山小屋、アウトドアショップなどの勤務を経てハイカーズデポ スタッフへ。2010年のパシフィック・クレスト・トレイルスルーハイクの後、その経験を後進ハイカーにブログやイベントなどを通じ積極的に提供。ウェブマガジンTRAILSとの共催イベント「LONG DISTANCE HIKERS DAY」をたちあげ、日本人長距離ハイカーコミニティの中心人物でもある。現在は一般社団法人トレイルブレイズ ハイキング研究所の代表理事をつとめ、日本における長距離トレイルやハイキング文化発展に奔走している。著書に『LONG DISTANCE HIKING』(TRAILS)がある。

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