ハイキングリポート

Walkin' on JMT〜サウザンドアイランドレイクとクマ

2016/07/31
hikersdepot
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ドナヒューパスを超えると、美しい氷河湖エリアに入ります。サウザンドアイランドレイクから望むマウントリッターとバナーピークは、カシードラルピークとともにJMTのシンボルかもしれませんね

ドナヒューパスを超えると、美しい氷河湖エリアに入ります。サウザンドアイランドレイクから望むマウントリッターとバナーピークは、カシードラルピークとともにJMTのシンボルかもしれません。

サウザンドアイランドレイク周辺は、レッズメドウからも一日で来られるので、釣り人やハイカーが多く泊まります。レンジャーもテントで常駐していることがあるくらいです。
それだけ人が集まると、クマも集まってきます。サウザンドアイランドレイクの夏と言えばベアランドです。クマを追い払うために、夜中に鳴り響く食器の音と叫び声は、少しびっくりします。

先日もロサンゼルス郊外のキャンプグラウンドで釣り人がクマに襲われました。テントの中にいたら、テントごと爪で頭をひっかかれたそうです。命に別状はなかったのが何より。
クマが襲った理由は書いてありませんでした。釣り人なので、魚の匂いがしたのか、油断してテント内で食べ物を食べていたのか…。いずれにせよ、クマに対し てはテントの「安全性」は全くありません。テントよりよほど密封された車の中の食べ物ですら匂いを嗅ぎ分けて、時にはトランクルームすら壊し開けて、食べ 物を取ってしまいます。テントがなんの安全をもたらしてくれるのでしょう。テントの中にいれば、人間の聴力と嗅覚は遮断されてしまうので、「安心」かも知 りませんが「安全」ではありません。多少、字面が似ているだけです。英語で安心を意味するreliefと安全を意味するsafetyはまったく違うことで す。「テントだから安心」というのは、comfyくらいな意味でしょう。タープの方が外界に敏感になれる分、クマに対しては、よほど良いくらい。

これからJMTやシエラネヴァダを歩く方が多くなると思います。クマが多く棲息するエリアを歩くハイカーは、決してテント内で食べ物を口にしません。わたしもクマが冬眠する冬用テントは中で食べます。夏はタープの使用ですが、幕営地で調理することはありません。

・食べ物の匂いがするテントを使わない
・幕営地近くで調理は避ける

とりわけハイカーが多く集まる、クマの活動が活発なエリアは、この二点にご注意ください。

秋のサウザンドアイランドレイクは静かで良いですよ。9月の連休に氷河湖エリアをぐるっと回るなんて方が、このエリアを満喫できそうです。