シエラ通信2018 no.2

WawonaからTuolumne Meadows

Text by Loon

 

Wawonaワウォナって

ヨセミテ国立公園の主要な場所と言えば、歴史的に見るとYosemite Valley, Wawona, Tuolumne Meadowsでしょう。ハイカーにはヨセミテやトゥオルミーが馴染み深いと思います。ワウォナは、ヨセミテバレーの南に位置し、車で一時間ほどです。ジャイアント・セコイヤの群生地として有名ですが、ハイカーよりセコイヤを見るための景勝地として評価が高いかもしれません。

車を使ってのデイ・ハイキングだとワウォナからチルヌアルナ滝まで往復なんてメジャーなのですが。
一方、マルチデイのハイキングのトレイルヘッドとしては、色々問題があります。ヨセミテとフレズノ間を走るYARTSバスを使えばワウォナまで行けるのですが、トレイルヘッドまでロードウォークで2マイルの登り。標高がヨセミテバレーと同じ1200メートルほど。朝、ヨセミテからのバスに乗っても、着くのは10:30です。暑いのです。
夏のヨセミテバレーからスタートする鉄則は、朝早くに7000フィート(2100メートル)の渓谷のリムまで登りきってしまうことです。ハーフドームでもグレイシャーポイントでもヨセミテフォールでも、できれば6時前のスタートがおすすめです。
ところがワウォナからスタートできる10:30では、7月だと気温は30℃を超えます。
(日本は、梅雨のおかげで日照時間が少なくなる6月は気温が上がらず、7月、8月と気温が上がりますが、シエラは日の長さと暑さがわりと比例します。7月が、あつく8月には涼しくなりはじめます)
なので、ワウォナからマルチデイのハイキングをスタートする人は、夏にはあまり多くはないようです。その日はわたし一人でしたもの。珍しいようで、パーミットを取りに行く際もレンジャーに「おお、ここは良いよねぇ」と感心されました。

 

ミューアとJMT

John Muir Trailは、ジョン・ミューアの名前こそ冠されていますが、実のところミューア自身は踏破してませんし、彼が作ったものでもありません。

シエラクラブのTheodore Solomonセオドア・ソロモンはシエラの西側から幾度となく調査し、自分のルートを「ハイ・シエラ・トレイル」として発表したのです。トレイル作りはお金がかかるものでしたので、公的な資金を確保しなければなりません。

ちょうどそのころ、ミューアが亡くなりました。ミューアの偉業をたたえ、彼の名を冠してトレイル敷設事業が始まったものです。ちょっと政治的な香りがします。(シエラ・クラブはロビー団体ですから当然です)

セオドア・ソロモンも素晴らしい探検家です。初踏破の歴史を調べると、よく彼の名前が出てきます。しかし、ミューア・ファンとしてはどんなにJMTを歩いたところで、「聖地巡礼」にはならないのはがっかりです。

もちろんミューアもJMTと重なる部分を歩いたり、ラバや馬で旅をしていると思いますが、ハッピーアイルからトゥオルミーと言った(予約が取れなくて悪名高き)コースでもないでしょう。Mather passは、そもそもオリジナルのJMTですらなく、あとからリルートされたものです。もうこうなると「ジョン・ミューア記念トレイル」としたほうが良さそうです。

 

ワウォナの魅力

さて、くだんのワウォナですが、ギャレン・クラークというおじさんがジャイアント・セコイヤを守るために小屋を作り番人や案内係を買ってでたのが由来の場所で、もともと「クラーク・ステーション」と呼ばれていたところです。ジョン・ミューアもギャレン・クラークのところには何度も訪れており、シエラの旅もクラーク・ステーションから出発し、イーストシエラに向かったとの記述があるくらい由緒正しき場所なのです。萌えです。

さらに、ワウォナの素晴らしいところ、前述のように不人気なあまり、予約が簡単に取れます。7月頭なのに、6月末でも日程の変更ができるくらいガラガラです。

もういっそのこと、ここをJMTのスタートにしたいくらいです。

さて、長い口上となりましたが、次回から実際のハイキングのお話をします。実際に歩いてみて、良いトレイルなのでしょうか。地図だけではわかりません。ほんと、こればっかりは歩いてみないと分からないのです。

 

トレイルヘッドまで

ワウォナのバス停からトレイルベッドまで歩き始めると、驚いたことに別荘地の中を進みます。私営のロッジもあります。そう言えば、カルデラコーンでおなじみのトレイル・デザインもヨセミテ園内にありますが、飛び地で私有地があるのは面白いところです。1区画くらい社長が買わないかしら、とぶつぶつ言いながら歩きました。ちなみにグロッサリーストアもあるので、のどが渇いたら立ち寄ると良いですよ。

 

標高差と気温

トレイルヘッドから歩き始めると、当然ながら登りばかりです。うっかりしてました、1200メートルから3300メートルのRed Peakまで2100メートルの登りでした。一泊二日が登りです。食料が6日分入ったバックパックを背負って二日間も登りなんて勘弁してほしいです。気温は30度超えです。湿度が低いので、汗があふれることはないですが、どんどん水分が気化していきます。乾燥しているからって、暑いですし、熱射病にもきちんと掛かります。

地面を睨んで足を交互に出しているうちに、チルヌアルナ滝に到着。ここまでは、むしろアプローチみたいなもので、ここから旅のスタートです。キャンプもここより先で、ようやく泊まれるようになります。今日はCrescent Lakeまで行く予定。

標高が低いと小さい羽虫や小バエ、蚊が交替でやってきます。かれらの勤勉さったらありません。クレセント・レイクまでずーっと一緒でしたが、もちろん湖畔も蚊だらけです。わたしが蚊の中にいるのです。「無防備に蚊の村に入る夏のハイカー」なのです。仕方ありません。

7月は蚊が多いですね。お盆以降はだいぶ減ります。

 

東に進む

ワウォナから東にどんどん進んでいきます。位置的には、ヨセミテバレーより東にあるマーセド・レイクの真南あたりまで進みます。そのあとは、北上ですが、その前にLower Ottoway Lake/Upper Ottoway Lakeを抜けて、Red Peak passを越えていきます。約3300メートルのパス。二日目で氷河湖に来られるのは嬉しいですね。JMTだったら、サンライズあたりのメドウや松林を歩いているころです。登りは苦しいですが、景色はがらりと変わります。

Red Peak passを越えると、景色はかわります。パスの楽しいところ。とくに南北のパスより、東西のパスの方がより山域が変わる気がします。

登ったら下りです。損した気がしますね。貯金を切り崩すような罪悪感。目指すはマーセド・レイク方面。北上あるのみ。地図では分かりませんでしたが、メドウがきれいなトレイルでした。さらに谷間の間につっかえたようWashburn Lakeが美しいことったら。トランプに見せたらゴルフコースとホテルを作ってくれそうです。

素晴らしい湖ですが、谷間に挟まれていてキャンプ適地はほとんどありません。泳いでいるハイカーもいません。意外でした。

歩くだけじゃなくて、キャンプも楽しみたいですよね。


Photo Gallery

 

Chilunualuna fall

 

Crescent Lake

 

Lower Ottoway

 

Upper Ottoway

 

 

バーンバーン湖

 

ハーフドームみたいな山がポコポコあります。

 

『カスケードを見つけたら足を冷やしたくなる病気』の人(笑)

 

すてきなメドウを抜けて歩きます

 

本日のメニューはサーモンです

 

 

下りたらアイス

 

トゥオルミーにもバックパッカーズ・キャンプグラウンドがあります。

 

わたしの寝床。
奥にも似たスタイルのハイカーが二人。テント?あんなもの飾りです。