ハイキングティップス

ゴリラを改造してみた

2013/12/12
長谷川晋
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ゴッサマーギアの初代ゴリラと2代目ゴリラを改造した模様をアップした、「ハイカーズデポ ブログ」からの転載記事。2代目と5代目モデルは作りが近いため、同様の改造を行うことはできるでしょう。

ハイキング “亀”です。
わたくし何を隠そう(隠してないけど)作ったり、改造したり、考えるのがとても好きです。
そして何を隠そう2(隠してないけど2)ミシンが使えるんです(エッヘン!)

僕の一番好きなバックパックの一つに『Gossamer gear Gorilla』があります。なにがそんなに良いのか、自分でも良く分からなくなる時がありますが、とにかく大きさがちょうど良いといった所です。結構満載にしてもなんとか入るし、外付けもしやすいし、拡張性があるといったら良いのでしょうか、いじくり甲斐があるヤツなんです。
軽量バックパックの中でも個人的に気になるポイントがトップの閉じ方。この閉じ方、できる限りシンプルな方が使いやすいと常日頃思っているのです。個人的2にはGoliteジャムや、GossamerGear G4 の閉じ方がやはりよろしいかと思っています。でもゴリラは違うので改造してみた記録を紹介。

まず初代ゴリラの改造Ver.
これは元々付いていたテープも再利用できるので、それほど難しい作業ではありません。けれど、裏当てとかをしようと思うと少し面倒にはなりますね。本体の生地の強度を考えるとぜひとも裏当てはしたいものです。


2代目ゴリラの改造Ver.
これは長考でした。まず取りかかる前にバックパックを前にして3〜4時間ほど行程を考えてから取りかかりました。やること自体は少々面倒なだけで難しい作業ではありません。しかし、ほどいたり伸ばしたり、縫い直したり、パーツを作ったりといったことで時間がかかります。トータル6時間ほどかけた作業となりました。トップのジッパーをころしてしまえば簡単だったのですが、なんとかそれも活かしながらできないかと考えた結果でした。


後日談ですが、頼まれてどちらの改造も承ったことがあります。初代Ver. は2度受けました。2代目Ver. は一度。やはり2回目、3回目は作業がどんどん早くスムーズになって行くものです。あれほど時間をかけた二代目Ver. も2回目は2時間もかからず終了。パーツ作りをしなくて済むようにできればもっと早くできると分かりました。

どちらも大満足で、現役でがんばっています。初代は2012年にアメリカに渡りアリゾナトレイルを共にしましたし、多くのハイキングで活躍しています。最近ではパックラフトでの旅での出番が多いですね。
2代目は2012年の信越トレイルでは改造前の状態で使用しています。改造後は冬山でのハイク。クロスカントリーツアーでのヘビーユースにも耐えました。今年の五国ハイク(別の機会に話します)でも400km近い旅を共にしてくれました。アメリカのパックラフティングツアーでも15kgオーバーの荷物にも耐えてくれました。それ以外でも銀山トレイルハイクや高島トレイルハイクでも活躍し、一年中フル稼働です。特別なギミックがなくても、雪から川まで。春夏秋冬。一個のバックパックで一年中使うことができたりするんです。

市販のバックパックというのは100点といったことはありません。それは当たり前のことですよね。ある程度落としどころを作るので、どうしても100点を得られるようなものは作り様がないのです。しかし、ちょっと手を加えてみると、あら不思議、自分好みの限りなく100点に近いものになったりするのです。そんなお話でした。

- Sawing Turtle

長谷川晋

書き手長谷川 晋

1978年、東京生まれ
自転車で日本を旅して回ったのが「旅人」としての原点。トレイルネームは「Turtle(タートル)」 セレクトショップ、スキー場、山小屋、アウトドアショップなどの勤務を経てハイカーズデポ スタッフへ。2010年のパシフィック・クレスト・トレイルスルーハイクの後、その経験を後進ハイカーにブログやイベントなどを通じ積極的に提供。ウェブマガジンTRAILSとの共催イベント「LONG DISTANCE HIKERS DAY」をたちあげ、日本人長距離ハイカーコミニティの中心人物でもある。現在は一般社団法人トレイルブレイズ ハイキング研究所の代表理事をつとめ、日本における長距離トレイルやハイキング文化発展に奔走している。著書に『LONG DISTANCE HIKING』(TRAILS)がある。

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