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スリーピングバッグ

Hiker's Depot トップキルト

16,800円(税込)

化繊中綿を使用した平均重量440g、キルトタイプのスリーピングバッグ。夏場の単体使用はもちろん、保温力向上や結露対策のトップカバーとして他モデルと併用可。


特徴

  

(全長178cm、重量440g、シングルキルト構造に保温力と結露対策のため表カバーを追加装備)

「シュラフカバーだけでかまわない」

「スリーピングバッグのジッパーはあけている」

夏場の寝具を考えるとき、こうした使い方をしばしば耳にします。7〜8月の月別最低気温の平均は北アルプスでも5〜10℃前後に集中します。こうした日本の夏山においては、レインウェアや防寒着で「雨対策」「寒さ対策」をしっかりしていることが大前提となりますが、様々なスリーピングバッグの使い方が実践できる場所でもあるのです。そこで日本ではまだなじみが薄い装備ですが、シュラフカバーでも、夏用ダウンスリーピングバッグでもない、夏用軽量寝具としてのシンセティック(化繊綿)トップキルトを考えてみます。

 

.ルトという形状

軽さと保温力とのバランスをつきつめると、使い勝手などユーザーを選ぶ側面があるものの「ダウンキルト」がひとつの究極のカタチといえます。しかしこうしたキルトに対して「残雪期や晩秋の山において寒気が入り易いのではないか」といった不安感が日本ではまだまだ拭えません。それならばスリーピングバッグをキルト的に使用するハイカーも多いことから、夏場の寝具としてキルトを考えるのが現時点の日本では適当だといえます。フードと背面を省いてしまうというシンプルで軽量化に徹したスタイルも夏場の寝具と考えれば妥当性が高いといえます。更にダウンに比べ重量面で劣る化繊綿を製品として効果的に軽量化するにはこのキルトというスタイルは理にかなっているのです。(注1)


▲轡鵐札謄ック(化繊)の評価

本来、シンセティック(化繊綿)は湿気によってロフトの低下、保温力の低下が大幅に生じるダウンのデメリットを補いうる素材として捉えられていましたが、現状の日本では「低価格素材」という捉えられ方に傾いているように感じます。「湿気に強く、保温力の低下がおさえられる」という本来の特性を今一度見直すべきかもしれません。アメリカにおいては近年、メジャーアウトドアメーカーの防寒着素材として様々な化繊綿が毎年毎年、採用&変更というアクティブな状態にあります。また日本同様に多湿なアメリカ東海岸ではULハイカー中心にシンセティックスリーピングバッグが再注目され、多くのフィールドテストや市販品の改造、自作などが報告(注2)されています。

6〜9月期の日本の山は、梅雨、夕立、台風、秋雨と「雨対策」が避けてとおれない環境です。またフロアレスシェルター、タープ、ツェルト等の「床無し屋根」を積極的に使用するULハイカーにとっては、地面や周囲からの「湿気対策」も湿度の高い夏には気にかけるべき点でしょう。こうした日本の「夏山」においてはシンセティック(化繊綿)の「湿気に強い」という利点は再評価されてもよいのではないでしょうか。デメリットとしてあげられる「重さ」については「キルト」という形状を選択することである程度まで軽減することが可能です。今回は国内生産の化繊スリーピングバッグで採用されている化繊綿の中で素材としても、製品としても「収縮率が高い」「少量でも保温性能が高い」といえる素材を採用(注3)しています。


2討砲ける単体使用&秋冬におけるダウンとの併用(トップカバー)

キルトの使用方法としてこのところ注目されているのが、秋冬のトップカバーとしての使用方法です。

 (ダウンバッグの上からトップキルトをかぶせて使用)

シンセティックキルトは単体使用でも「軽さと保温性能のバランス」において十分に魅力ある製品ですが、他のダウンスリーピングバッグと併用できる部分に、他には無い可能性と魅力があるといえます。

<保温力向上>

従来はスリーピングバッグの保温力向上に「インナー用ダウンスリーピングバッグ」を使用する方法が一般的です。しかしこの方法だと、スリーピングバッグと体との間でインナーのロフトがつぶれやすいため、インナーの保温力を十分に引き出すことが難しいのも事実です。家庭での羽毛掛布団の場合、内側に毛布を入れるよりも、外側から毛布をかぶせる方が羽毛掛布団の保温力を十分に引き出すことができます。もとより背面側の保温はマットの方に重点をおくべき(注4)ものなので、家庭用掛布団同様ダウンスリーピングバッグの上から軽い綿ものを掛けることで効果的な保温力アップが図れます。標準的なスリーシーズンダウンスリーピングバッグ(−6℃対応)と併用した場合、厳冬期以外の冬仕様といえる−12℃対応程度の保温力を目安にしていただければと思います(注5)。

<結露対策>

冬季の結露対策といえば、ひとつはシェルターやテント内壁の結露がおちてくる、もしくはスリーピングバッグに接することで濡れてしまうというパターン。これについてはスリーピングバッグカバー同様、トップカバーが内側のダウンスリーピングを保護します。もちろん防水素材ではありませんので限界はあるもののシンセティックの特性を考えれば、テント&シェルター内での結露対策としては十分に機能するといえるでしょう。
もうひとつが防水素材のスリーピングバックカバーをダウンスリーピングバッグにかぶせて使用した場合、スリーピングバックカバーの内側が結露、ダウンスリーピングバッグを濡らしてしまうというパターンです。経験的にはテント&シェルター内(スリーピングバックカバーの外側)の温度が0℃前後(目安としては−5℃〜+5℃)だと著しく結露(注6)するように思います。
スリーピングバッグカバーの替わりにシンセティックキルトをトップカバーとして使用した場合、内部の温度と外気温との急激な温度変化を化繊綿内部で緩やかにすることができます。スリーピングバッグカバー1枚だとその内外で急激な温度変化がおきて結露するのです。それに対してトップキルトを使用する場合、キルトの内生地、化繊綿、キルトの外生地と温度変化は緩やかになるため結露点をキルト内部、それもより外側にもってくることができるのです。温度、湿度などの要因が変化しやすい山においては一概に結露しないとは言い切れませんが、テストした範囲内(シェルター内温度5℃、−2℃、−7℃)ではダウンスリーピングバッグ表面での結露はみられず、トップキルトが湿気を吸っていました。

ず拮仕様

 

(襟裏の固定はスナップボタン)   (背面側の開き調整は各ユーザーにて)

キルトの保温性能を最大限に引き出すには首回りの保温をしっかりすることが不可欠です。そのため襟裏の合わせを固定するのはベルクロではなく、しっかり固定できるスナップボタンを採用しています。また背面側の開きの調整ですが、ゴムコードでも細引きでもなんでもかまいません。しっかりしめたいというユーザーにはφ2mm以下の細いコードが適しています。またストレッチ的に背面のあきを調整したいというユーザーにとってはゴムコードなどが面白いでしょう。この部分については強度的なものは何も求められていないので、コード&コードロックの選択に際してはあらゆるものが選べます。

 (表面には一枚トップカバーをかけて縫目を設けない)

表面を一枚布にして縫い目を設けていません。これで撥水効果&保温効果を最大限にひきだすことを考えています。ちなみに当モデルは採用した化繊綿の特性から、こうした仕様にするためには一枚トップカバーを追加する必要がありました。もし軽量化を最優先にしたいという場合は、追加してあるトップカバーを切り取ってしまえば、更に軽量化も可能です。

 

ゥ好織奪サック

付属するスタックサックはこのクラスのスリーピングバッグにしては大きめのサイズに設定です。コンパクトな収納サイズよりも「トップキルトの収納しやすさ」「バックパック内でのパッキングしやすさ」に重点をおいています。いくら小さくしても重量が軽くなるわけではありません。

 (左がダウンバック&トップキルト共通のスタックサック)

このクラスのスリーピングバッグでの平均的な収納用スタッフサックのサイズは写真中央になります。実際にこのサイズに収納することも可能です。しかし化繊綿は圧縮が強いとロフトが失われやすい傾向にあります。中綿を痛めたり偏りができるのを防ぐ意味でも、ダウンスリーピングバッグと違いしっかり畳んで収納することをおすすめします。そうした点からもトップキルトが収納しやすい大きめサイズにしてあるのです。

  

ちなみにスタッフバックのサイズは50L前後のバックパックのボトムと同程度に設定してあります。左写真はGranite Gear ヴァーガのボトムと比較したものになります。またスタッフザックの底面も楕円形にしてある(中写真)だけでなく、収納にゆとりがあるため融通がきく(右写真)ことからもバックパック内でデッドスペースができにくく、パッキングがしやすくなっています。

目止め処理等をしていないので、あくまで生地そのものの撥水にすぎませんが、スタッフバッグ素材には撥水効果の持続に定評あるNANO-tex処理をほどこしています。

 

7、8月の使用を中心に、インサレーションウェアとの組み合わせ次第で梅雨時6月から台風時期の9月まではもちろん、使い方や地域によっては5月中旬から10月下旬まで、あらゆるコンディションで積極的に使用できるトップキルト。形状&重量&使用方法&素材といったあらゆる面で「化繊スリーピングバッグ」の再評価を提案する製品といえます。

 

注1)国内流通している主要な夏用ダウンスリーピングバッグを簡易比較すると

A)重量290g ダウン130g(750FP) 8℃

B)重量350g ダウン150g(750FP) 8℃

C)重量430g ダウン180g(750FP) 8℃

D)重量380g ダウン150g(725FP) 5〜10℃

E)重量460g ダウン180g(725FP) 3〜6℃

F)重量460g ダウン180g(860FP) −5〜0℃

G)重量390g ダウン110g(800FP) 表記無し

平均的な夏用モデルとして400g前半、8℃対応というのを設定として考える。また当トップキルトで採用している化繊綿を寝袋上面側に約130g使用したモデルの対応温度が5〜10℃。キルトという構造を考慮して化繊綿の増量とシェイプ調整、簡略化で設定に対応。

 

注2)こうしたレポートは「Backpacking Light.com」をはじめとするアメリカの様々なサイトで散見されます。こうしたアメリカの動向をいち早く日本に紹介した媒体としてブログ「山より道具」などがあげられるでしょう。また07-08冬シーズンからは日本でも一部ULハイカーがこうしたシンセティックのテストを頻繁におこなっています。

注3)シンセティックとひとくちにくくれない多様な素材がでています。本来ならば多くをテストしたうえで「ベスト」と考える素材を評価、採用すべきですが、日本においてこうしたギアを小ロット生産
する環境では限られた使用可能な素材から「ベター」なものを採用するところからはじめています。

注4)スリーピングバッグの背面とマットについて山と物理の両面から論考されているものとしては『ROCK & SNOW(山と渓谷社)』の故新井裕紀氏の連載「ハードコア人体実験室」に詳しい。

注5)Hiker's Depotオリジナルダウンバッグ(860FP 260g、−6℃対応)相当との組み合わせでは外気温−17℃、シェルター内気温−7℃でテスト済みです。フロアレスシェルター、ツェルト、テント内での就寝ならば、外気温−15℃程度までの使用を目安にするのが実感です。

注6)実感としては−10℃に近づけば、今度は結露がスリーピングバッグ内部で氷結する傾向にあるようです。

仕様

名称 サイズ
平均重量 実測440g±5%
サイズ 全長178cm、首周128cm、胸周128cm
フットボックス底面径φ31cm*深さ50cm
素材、構造他 生地)20*20dnlシルファイン(東洋紡)、シレ加工
中綿)シュレープ170g(東洋紡)
シングルキルト+トップカバー構造
想定適応温度)8℃、サマーシーズン用
 



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