ULA : Ultralight Adventure Equipment

OHM

パッキング ギア
Weight

990g

フレームバックパックとしては十分な容量と逆U字の樹脂フレームを搭載、荷重コントロールやサスペンション機構を実現しつつ1lg以下の重量を実現。積極的な腰荷重が可能なULバックパックとしては最も実績あるモデル。DANA DESIGNSのDNAを受け継ぐ希有なULバックパック
Weight

990g

SPECIFICATIONS

重量
990g / Mサイズ 
容量
最大容量63L
サイズ
SM、MD
*参考値:背面長 約49cm/MD
推奨最大積載重量
13kg程度
素材
ULA 400 Robic
カラー
Original Green
48,800円 (税込53,680円)

見事な荷重分散
バランスよく背負える構造
ULフレームパックの代表格

2000年代前半からスルーハイカーに支持されてきた積極的な腰荷重が可能なULバックパックの最古参といえるのがULAのサーキット、OHMといったバックパック。そのなかでOHMは容量と重量のバランスに優れています。

2001年からの実績、スルーハイカーからの支持

耐久性と軽量性を兼ね備えた実績あるスタンダードな素材を採用。ULバックパックを象徴するメッシュフロントポケットを装備。1Lボトルが2本収納できるほどの大容量のサイドポケットも耐久性を優先。ULA(Ultralight Adventure Equipment)のバックパックはデザイン的にはまさにULバックパックです。しかしその細部を観察すると、構造的には北米発祥の腰荷重を前提としたバックパッキングパックであることがわかります。「腰荷重を前提としつつも、シンプルで軽量なバックパック」を最初に提案したバックパックメーカーだといえるでしょう。その後Gossamer Gearがアルミフレーム搭載モデルであるマリポサを発表しますが、ULAの特徴はアルミフレームではなく、各種スタビライザーを装備した構造にあります。ULAのバックパックは軽量バックパックの分野に2000年代中頃以降に進出したGranite Gear、OspreyといったマスプロメーカーやSWDといったコテージギアメーカーにつながる系譜といって良いでしょう。

そんなバックパックだからこそ、ULAはULハイカーというよりもロングディスタンスハイカーに歓迎をもって受け入れられてきました。アメリカのUL系コテージギアメーカー としてはGossamer Gearにつぐ老舗として、まだロングディスタンスハイキングが今以上にニッチだった2000年代からPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)スルーハイカーに高く支持されてきましたことでも知られています。

 

ULAバックパックに共通する特徴

20年の長きにわたるスルーハイカーからの支持は希少性ではなく製品クオリティの高さによるものです。ULAバックパックに共通する特徴を整理するならば

  • 丁寧な縫製
  • 高強度で実績ある素材の採用
  • ボトムラインを鋭角に立ち上げ、パック上部のボリュームをあげることで荷重バランスを良くする
  • 各種スタビライザーを配置した腰荷重を前提とした構造

この中で最大の特徴が最後に述べた「腰荷重を前提としたULバックパック」という点です。フレームを持たなかったりパッドのみの背面ということが多いULバックパックは構造上、腰荷重に不向きです。そのためレイ・ウェイを典型とした背中上部(肩甲骨周辺)への荷重で背負うスタイルが主流となります。現在でもPA'LANTEやTrail Bum、山と道といったメーカーのバックパックはレイ・ウェイ構造を継承しているといえます。またアルミフレーム搭載モデルが主要モデルとなっている2010年代以降のGossamer GearやHMGのバックパックは腰荷重もできるものの、腰荷重は状況に応じたオプションです。基本的なバックパックの背負い方はレイ・ウェイ同様、背中上部(肩甲骨周辺)で背負うことを基本としています。
一方、ULAは背面長が他のUL系バックパックよりも長めに設定されています。さらにアルミステーではなく樹脂フレームを採用した逆U字サスペンションを採用、これに各種スタビライザーを配置することで軽さを犠牲にすること無くシンプルかつ確実な腰への荷重分散を実現しています。ULAの樹脂フレーム搭載モデルは「腰荷重を前提としたULバックパック」という2000年代当時他に類をみないバックパックとして登場したのです。

 

 

パワーメッシュのフロントポケットと容量たっぷりのサイドポケット

 

長物の収納に便利なだけでなく、サイド全体の圧縮に適したサイドコンプレッションコード

 

腰荷重を前提とした背面システム。各種スタビライザーはバックパックを下ろすたびに緩め、背負う都度あらためてしっかりと絞ることをしなければ、適正な荷重分散ができないことに注意が必要です。

 

腰荷重前提のバックパックには必要となるショルダースタビライザー

 

腰へしっかりと荷重を移動させるランバースタビライザー

 

継承される腰荷重の仕組み

OHMは背面の外側に沿って「逆U字型樹脂フレーム」が装備されています。フレーム下部は左右のランバースタビライザーでウエストハーネスと連携しています。ランバースタビライザーをしっか り引くことでバックパック下部が腰に近づきます。これによって「腰の動き」+「ウェストハーネス」+「フレーム」が連動し、サスペンションの役割を果たすのです。これがGregoryやMystery Ranch(旧DANA DESIGNS)、Ospreyなど北米のバックパッキングパックを長く制作してきたメーカーがおこなっている『腰荷重』の仕組みです。
垂直方向にかかる荷重をウェストハーネスで腰中心に受け止めます。そしてフレーム(しなりを重視した逆U字の樹脂フレームや背骨または背中の筋肉に沿わせてた剛性の高いアルミステーなど様々)は上部スタビライザーと下部スタビライザーでそれぞれ肩と腰に引きつけられます。この際にフレームは元に戻ろうと反発します。それにより腰だけでない全身への荷重分散の力が働くのです。このような荷重分散にはフレームだけでなく、スタビライザーが重要になります。先にあげたGregoryやMystery Ranch(旧DANA DESIGNS)、Ospreyなどはパックウエイト16〜20数kgを背負うことを前提としています。だからこそこうした荷重分散が必須の構造なのです。パックウェイト8〜14kg程度を想定しているUL系バックパックの多くは背負う想定重量がそもそも違うことからこうしスタビライザーをあえて省略しています。Gossamer GearやHMGのアルミフレーム搭載モデルはそうしたUL的な発想と背負い方を基盤としているため構造が異なるのです。同じフレーム搭載モデルでも同じではないのです。
ULAは創業者のブライアン・フランクがいまや伝説といえるバックパックメーカーDANA DESIGNSでデイナ・グリーソンの薫陶をうけています。北米バックパッキングパックの歴史に偉大な足跡を残したデイナ・グリーソン、バックパック製作やフィッテング における彼の遺伝子はULバックパックにも継承されているのです。

 

2020年代のバックパックへの影響

「軽さ」から得られる自由を重視するという点では共通するULバックパック。フレーム非搭載の王道ともいえるULバックパックはもちろん現在も存在します。しかし2010年代以降主流となったのはフレーム搭載モデルです。ロングディスタンストレイルへの関心の高まりから、多くのエントリーユーザーが長距離ハイキングの相棒としてULバックパックを検討することになったのです。フレーム非搭載モデルは使用するハイカーの体力や技術がダイレクトに反映されることもあり、フレーム搭載モデルを使用するハイカーが増えたのです。

  • コンスタントに25 〜35マイル(40〜60km)歩き続けるハイカーは軽さに振り切ったフレーム非搭載の典型的なULバックパック
  • 食糧、装備ともに軽さに振り切ることなく15〜25マイル(24〜40km)を歩くハイカーはフレーム搭載のある程度の荷重の増減に対応しやすいロングハイクバックパック

2020年代の現時点においてはこうした傾向がみてとれるようになりました。この後者のスタイルで現在スルーハイカーに支持されているコテージギアメーカーが北米においては SWD、日本においてはyamada packs、MIYAGENだとすれば、その原点にあたるバックパックメーカーがULAなのです。

 

20年間にわたりスルーハイカーに支持され続けているバックパックを一度お試しください。

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