Hiker's Depot|ハイカーズデポ

軽いって自由。Ultra Light Gears & Dry Foods

Bummer

SPECIFICATIONS
サイズ 35L
*本体 約30L

高さ54cm x 幅26cm x 奥行13.5cm
*計算で出る容積と実体感・通例で言われる容量とは違いがあります。
100d ripstop nylon ver. 重量 303 g
素材 100d ripstop nylon
カラー Beige、Forest、Black
価格 16,000 yen
Dyneema ver. 重量 326 g
素材 210d dyneema grid stop nylon
カラー Brownish Grey
価格 17,000 yen
PRICE
¥16,000 + tax

Review

 

Trail Bum® ファーストモデルのうちの一つとなるバックパック。トレイルバムが普段のトレイルライフからタウンライフまで幅広く使うメインサイズという意味を込められた "Bummer(バムなやつ) "。アメリカ3大トレイルを踏破したハイカー舟田 "Yas" の自作バックパックをサイズダウンさせ、よりUltralight hiking に特化させました。

 

About the Trail Bum®

“Bum”とは、何かに熱中、没頭する人たちのこと。Ski Bum、Surf Bumといった言葉のように、Trail で過ごすこと、楽しむことが好きな人たちを、Trail bum(トレイルバム)と呼ぶことにしました。トレイルバムたちは、無駄が少なく、直しながらでも使い続けられるような道具を好みます。そしてトレイル上では限られた道具だけで長い時間を過ごします。長い旅の中でトレイルバム達にとって自然と街は同じ目線「どちらも日常」でフラットになるため、自然の中では高機能でありながらタウンユースでも馴染むシンプルなデザインを選ぶのです。そんな彼らのトレイルライフのように、シンプルでいて無駄の少ない道具や衣類をデザインし作ることを目的にできたメーカーが “Trail Bum® なのです。

〈ロゴの意味〉
アメリカのロングディスタンストレイルの多くには "Blaze"と呼ばれる印があります。そのBlazeは微妙にラウンドした三角形のような形状をしており、それがTrail Bum のロゴのベースになりました。それに沿うように付けられたラインは “繋がっていく”  “続けていく” 思いを込めて“道”を表現しています。この一歩はあの道に繋がっている。そう思いながら日々を過ごすTrail Bum たちの気持ちの一端と言えるのかもしれません。

 

Bummer Backpack

「ウルトラライトハイキングらしいバックパックが少なくなった」という言葉がきっかけになり今だからこそ、“これぞウルトラライト”といえるバックパックを作ることになりました。  - Trail Bum® 

 

トレイルバムのファーストモデルとなるバマー。その最初のスタートに選んだのはあえて定番カラーでした。アメリカのUL黎明期。手に入りやすい素材でバックパックを作っていたホームメイドハイカーたちが選べるのは流通量の多い色。そうなれば“いつもの色”になってしまうのです。ですがトレイルバムとしてはあえてそれを選びました。その色がグリーンとブラックです。
そこにインパクトを与えてくれるのが Beige。ベージュというよりはKhakiに近い色かもしれません。ハイキングバックパックにありそうでない色です。ですが、自然に溶け込み邪魔をしない色です。

 

Beige

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Forest Green

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Black

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ウルトラライトハイキングは少しずつではありますが広がりを見せつつあります。それもそのはず軽量化はハイキングの歴史でもあるからです。ですが、ウルトラライトハイキングとはただ軽ければ良いとか、軽いものだけを揃えれば良いというわけではありません。今では軽くても丈夫で機能的な道具は増えていき、それは多くのカスタマーを満足させるものでもあります。確かにそれもウルトラライトハイキングの一つの進化の方向といえるでしょう。しかし本来のウルトラライトハイキングとは、シンプルゆえの軽さ、という意味も含まれていました。

そう考えると Bummer はウルトラライト的と言えるバックパックでしょう。吹き流しは最低限の長さしかなく、余分な荷物を入れるスペースはありません。ですので見たままの大きさ分しか容量がないのです。この大きさでは入れられるものも限られ、重くなることは想定しないためウェストベルトが必要ないのです。また、後付けもできません。トップリッドはなくULバックパックらしく一本締めのストラップ。最低限の機能としてフロントには大きめのメッシュポケット。両サイドにもメッシュポケットが付いています。唯一バックパックをコンプレッションしたり、荷物をくくりつけられるきっかけ用にいくつかの小さなループが付いています。

 

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余裕のあまりない、ちょうどなサイズの吹き流し

 

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前面 縦3カ所 背面 縦2カ所(共に両側)
にある ユーティリティループ

 

素材について

生地は極薄素材でも特殊で高価な素材でもありません。X-pacのように生地を重くしてまで防水性を付加することもしていません。Trail Bum®のバックパックに共通する 100d リップストップナイロン。ブランド素材ではありませんが、引っ張り強度や摩擦強度は Codura® と比べても同等もしくは部分では上回る強さがあります。また 100dという細さにしては生地に張り、コシがあるのが特徴です。
それ以外にも利点があります。この生地厚であれば修理なども家庭でしやすいですし、手縫いでも縫いやすいでしょう。ということは修理や改造といった自分に合わせたカスタマイズができるということです。修理が簡単にできればメーカーに頼らずとも自分で直したり、近くの“お直し屋”でも可能なので、気軽に直して長く使うことができます。
また改造だってやりやすいということです。自分ではそんな器用なことできない、と諦めずにお直し屋で相談してみると意外に大抵のことはやってくれるものです。すでにお客様の中にもそうやって自分に合わせた使い方を楽しんでいる人がいます。ぜひチャレンジしてみて欲しいです。

ショルダーパッドとその硬さについて

Trail Bum®のBummer、Steady、Hauler の三つに共通のパッド。最初は少し硬く感じるかもしれません。使用して柔らかくなっていくことを想定し、やや硬めのパッドが入っています。慣れていくに従ってちょうどよく収まってくるでしょう。荷重が大きくなった場合にショルダーが食い込むことを防ぐために太めのテープを合わせています。スターナムストラップ(またはチェストストラップ)はオプションで付属していますので、必要に応じて付けて使用してください。

ショルダーは最初から“ちょうど良い”か、“柔らかめ”になっていることがままあります。これはカスタマーが背負った瞬間に心地よく感じてもらうためで購買意欲を誘うにはとても重要なポイントです。しかし、その“柔らかさ”は荷物が入った時には食い込みに変わります。その“ちょうど良さ”は、長い時間とともに痩せてヘタりになるでしょう。
この変化を考えて硬めのパッドにしてあります。密度が高く反発もある程度強いですが、その分潰れにくく痩せにくいものを選んでいます。ですので、最初は硬く感じますが、徐々に自分の体に馴染んでくるでしょう。もし馴染んでくるのを早めたい場合は、手で揉んだり、足で踏んだり(パーツを壊さないように!)、洗ったりすることで柔らかくすることができます。
最初は“相性が悪いかも?”なんて感じること良くありますよね。“新しい時は良かったけど最近はいまいち?”なんてのも良くありますよね。時間が経てば良くなったり悪くなったり。道具だってそんなものです。気分や体調の差でも感じ方が変わったりします。“ちょっと合わない”、“思っていたのと違うから”、とすぐにあきらめないで、じっくり道具に向き合って見てください。ちょっと工夫してみてください。改造だって喜んで。Trail Bum®のバックパックはそんな付き合いがいがあるものだと思います。

 

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補強を兼ねた太めのテープが印象的

 

 

メッシュの素材は目が大きく、伸縮性のない素材を選びました。伸縮性のあるものの方が使い勝手は良いのですが確実に劣化が早いので、そこを考慮してあえて伸縮性のないものを選びました。目を大きくしたことで濡れたものも乾きやすくなります。強度だけを考えれば、ハードメッシュという硬い素材を選べば良いのですが擦れると手が痛いので、やや強度は落ちるもののソフトメッシュを選んでいます。フロントポケットもサイドポケットもメッシュの穴を出入り口にして、細いバンジーコードを通しています。片側はコードロック付き。片側は結んであるだけです。こうすることで、ポケットからの不意な荷物の落下を防ぐために口を締めることが可能になりますし、バンジーコードの伸縮強度が欲しい場合は太めのバンジーコードを通し直せばよいですし、バンジーコードが伸びきった場合には交換が容易にできるようになります。

 

大きめのメッシュ。柔らかいものを採用。

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メッシュの穴に通されたバンジーコード。片側はコードロック。もう片側は結んであるだけ。交換も簡単で楽に行える。

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サイドポケットも同様に、片側のみコードロック。

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ショルダーはしっかりと縫いこんであるので安心できる。

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サイズ調節のできないストラップがついています。これはRay Wayから受け継がれたもので、元々は薄手の生地の強度を補うためだったと考えられます。Goliteの初期モデルにも付いていました。今回の場合不要ではありましが、GoliteとRay Way へのオマージュとして付けました。不要な方は切ってしまっても構わないと思います。

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Bummer と Steady の違いについて

Bummer はウルトラライトハイキング寄りに、Steady はロングディスタンスハイキング寄りに考えて作られています。この二つの違いとはなんなのでしょう。

ロングディスタンスハイキングの中でウルトラライトハイキングが語られることは多いですが、この二つは兄弟のようなもので、同じものではありません。ロングディスタンスハイキングが長い時間を経ていく中でハイキングそのものが生活になっていくため、必要以外の嗜好品も含まれることが多いですが、ウルトラライトハイキングとは必要最低限しか持たないのです。

日本のUL黎明期からアメリカの情報を発信し、2014ATスルーハイカー勝俣 "Loon" の言葉を借りると、

『ロングディスタンスハイキングは慣れてしまった経済社会から長期間離れて、別のソサエティーに入ることだと思う。ウルトラライトハイキングはミニマルなライフスタイルへ、さらにギリギリと挑戦したもの。ロングハイクは持てるなら無駄も持ちます。“多すぎない”だけです。だけどウルトラライトハイキングは要らないものは持って行かない。』

ということになります。

Steady には長い期間に対応する柔軟性が求められます。それが、ベアキャニスターのように大きくかさばるものの場合もあるでしょう。大量の食料なのか、かさばる冬用の寝袋なのか。短い期間ではなく、季節を越えて、環境の変化を越えて歩くロングディスタンスハイカーにとってはある程度の容量の余裕が求められます。

Bummer には期間は関係ありません。短い期間だろうが、長い期間だろうが、ウルトラライトハイキングは、不要なものを持って行かないのです。食料がかさばるならかさばらない食料に変えるようにし、持っていけないものは持たないでも状況に対応できるように考えて行動していく必要があります。それに必要なサイズはこの大きさがあれば十分でしょう。むしろ大きすぎるかもしれません。ポケットすら必要ないのかもしれません。そう思える方はぜひ余分な部分を切り落としてさらに軽量化してみて欲しいです。

 

・サイズ比較

ステディとバマーのサイズを比較してみます。

容量はステディが約40L(吹き流し除く)、バマーが約30Lです。写真で比較するとよくわかりやすいのですが、本体には高さに大きな差がありますが、メッシュポケットの高さはほぼ同じです。横幅はステディの方が大きくなっています。

横からの写真を見ると奥行きの違いがわかります。奥行き幅の違いはメッシュポケットにも影響してきます。それ以外サイドテープやショルダーの高さ位置は同じです。

steady vs bummer_1

steady vs bummer_2

steady vs bummer_3

 

 

About the ultralight backpack

ウルトラライトバックパックのオリジナルとはなんでしょう? Gossamer Gear創設者のGlen V. Peski氏の言葉を借りれば  “ULバックパックにオリジナルはない” ということになります。ULを突き詰めていけば、それは限りなく“0”に向かっていくことです。その中でバックパックを考えれば、構造はシンプルになっていくのは明白です。バックパックであるという枠の中で考えれば、袋にショルダーだけを付けたもの、になるのです。ですが、そこに最低限の機能を付けるとすればと考えていくと、フロント部分にポケットを付ける。サイドポケットを付けるとなっていくのです。そうすると、よく見るウルトラライトなバックパックの姿が見えます。まさにこのBummer もSteady もそんなウルトラライトバックパックの原型に近いものだと言えます。

この形で印象的なのは、"Ray Way"です。作った人もいるのではないでしょうか。ハイカー舟田 "Yas" もまさにそうでした。自分のハイキングで使う道具も自分で作ったものにしたい、という素直な欲求からまずはRay Way のバックパックキットを作りました。それを自分のハイキングの経験と合わせて作ったものを、CDTとATのハイキングに使いました。彼がPCTに使ったのはグラナイトギアのメリディアンヴェイパーを改造したもの。その時にも感じたロングハイキングでのウェストベルトの必要性やサイドポケットの有用性を自作バックパックにも盛り込んでいます。その自作バックパックをベースに "Steady"をデザイン。そこからウルトラライトに寄せていく方向で"Bummer" が作られました。

しかし、SteadyやBummer を見た時に、Goliteによく似ている、と思ったかたもいることでしょう。たしかにGolite のBreeze とSteady は良く似ています。それは当然のことで、Breeze は Ray Way から生まれたバックパックだからです。また、Bummer はGoliteのDay に似ていると感じたかたもいるでしょう。もちろんそれはDay がBreeze をベースとした小型バックパックなのに対し、Bummer はSteady を小型化したものだからです。

Steady をBreezeに似せたわけではありませんし、Bummer をDay に似せたわけでもありません。Ray Way というシンプルなバックパックをベースに変化していった結果似ただけで、でもそれは当然の結果で、シンプルを求めるウルトラライトハイキングらしいバックパックを考えていけば、自ずと似たようなデザインになっていくのです。

Gossamer Gear はGoliteと創業年を同じくし、インディペンデントなメーカーとして今でも大きな存在感を示しています。そのアイテムの中で、G4、というクラシックなバックパックがあります。これはRay Way から派生したバックパックではありませんが、近しい形状をしています。そのG4がたどった方向はMariposaやGorilla です。そして、これらもSteadyやBummerと近しい形状をしています。もちろん細かく見ていけばたくさんの違いがあるのですが、トップリッドが無い、大型のフロントメッシュポケット、サイドポケット、ショルダーが本体に縫い付けられるシンプルな構造などの類似点も多く見られるのです。

まさにこのことが、ULバックパックにオリジナルはない、という言葉につながるのでしょう。どのメーカーも結局は軽量化をしていく中で、まずは簡素化する方向に向かいます。そうすることで同じような形状になってしまうのです。ですが、それでは違いが出せない。でもメーカーである以上違いを出して差別化していく必要がある。この流れの結果が、ウルトラライトらしいバックパックがなくなっていった理由の一つではないでしょうか。これはカスタマーが求めた結果でもあり、メーカーの向かわざるを得無い結果なのかもしれません。しかし、それでも源流に近い、シンプルなバックパックが欲しいのです。それが、Bummer そして Steady へと繋がっているのです。

 


210d Dyneema Grid-stop Nylon Ver.

ウルトラライトバックパックの代表的な素材といえば、色に染まらない性質のダイニーマが模様のように入っているあの“210d dyneema ナイロン”です。ウルトラライトハイキングのメーカーとして惜しまれながら廃業してしまったGolite が使っていた素材としても有名で、それ以前からもありましたが、Goliteの代表的モデル"Jam"に使われていたことから徐々に広まっていったと思われます。正直、当時(2000年ころ)としても決して軽い素材ではありませんでしたが、その中では丈夫さと軽さのバランスが取れた素材だったのでしょう。たしかにそのころのマスプロダクト(マスプロ、大手メーカー)バックパックは薄くても420d くらいの繊維までがやっとだったことを考えれば十分だったのでしょう。それに“ウルトラライト”すぎる素材は多くの人に受け入れられにくいので、その中で考えた結果の素材だったのだと推測できます。今になればマスプロも普通に210d くらいまでは使いますので、それこそ特徴はダイニーマを使っているくらいしかないのですが、それでもトラディショナルなウルトラライトらしさを考えれば、やはりこの素材でも作ることになりました。

色はTrail Bum オリジナルカラー。基本はグレーですが、ブラウンが少し入っているのが特徴です。あえて言えば、ゴッサマーギアの140d dyneema rip-stop nylon のカラーとMountain Laurel Designs の210d dyneema nylon のカラーに影響を受けたものですが、そのどちらでも無い、絶妙なブラウングレーになっています。

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