Hiker's Depot|ハイカーズデポ

軽いって自由。Ultra Light Gears & Dry Foods

SIERRAVADA™ OUTDRY®

SPECIFICATIONS
重量 872g/1p
サイズ JPN 25.0-29.0、30.0cm
素材 OutDty®採用シンセティックアッパー
PRICE
¥15,500 + tax

Review

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<ULハイキングを支えたトレイルランニングシューズ:montrail ハードロック>

Ultralight HikingはLong Distance Hikingのための有効なメソッドとしてPCTスルーハイカーに90年代を通じて支持されてきましたが、一部の変わり者のスタイルだという評価は否めませんでした。それがウィークエンドハイカーをも巻き込んだハイキングスタイルとして新たなムーブメントになっていくのはゼロ年代に入ってからのことでした。1998年のGOLITE、GVP Gear(現Gossamer Gear)の設立、Ray Jardineによる2000年の『Beyond Backpacking(『PCT Hiker Handbook改題』)』出版が大きな転換点と言えますが、それらと同様にムーブメントを加速させたのは1997年のmontrail誕生でしょう。

montrailは1988年にOne Sportsとしてシアトルで産声をあげました。ランニングシューズメーカーとしてではなく、あくまでアウトドアシューズメーカーとしてマウンテンブーツやトレッキングシューズの製造をはじめたのです。それが1997年にmontrailと改称。製品ラインナップに「トレイルランニングシューズ」が加わり、それにフォーカスを当てることでブランドとしての独自性が際立つようになりました。注目すべきはアウトドアシューズの観点からトレイルランニングシューズを作り上げたことでしょう。それまでもadidasやNike、Merrel、Salomonなどからローカットのアウトドアシューズが発売されていましたし、SCARPAのアプローチシューズなどは人気を得ていましたが、基本的にはランニングを意識したものは非常に少なく、登山やクライミング、ウォータースポーツなどを意識したものが多かったのです。そもそもトレイルランニングという言葉やジャンルが北米ですらまだまだ注目されて間もない頃でした。montrailのスタートがトレイルランニングというスポーツの確立に与えた影響は大きいでしょう。そしてULハイカーにとってもトレイルランニングシューズの登場は福音でした。Rayの著作にもあるように、それまでのULハイカーはランニングシューズやテニスシューズをハイキングに用いることがスタンダードでした。そこによりトレイルでの走りや歩きに特化したシューズという新たな選択肢が加わったのです。

montrailはマウンテンブーツ、ハイキングシューズの流れからトレイルランニングシューズを作り出したため、プロテクションに重きをおいたシューズが中心でした。日本では石川弘樹氏が2003、4年にハセツネを連覇した際に履いていたレオナディバイドやその後継モデルであるコンチネンタルディバイドが人気でしたが、アメリカではよりプロテクション性能に重きをおいたヴィテッセ(アウトソールの外側に取り付けたブロックにより内転防止)やハードロック(ミッドソール内の樹脂プレートがより不整地での突き上げを防止)が100マイルレース出場者やロングディスタンスハイカーを中心により高い評価を得ていました。突き上げを防ぎ安定感あるソールに、適度な補強が施されたアッパー、ホールド感に優れたヒールカップはまさに軽量化&ローカット化されたハイキングシューズという感覚でした。ゼロ年代後半のベアフット系ランニングシューズの隆盛を経て、現在は超長距離ランナー&ハイカーのためにクッション性重視の厚底系ランニングシューズがトレンドの中心になっています。足の保護を重視するこうした思潮に立つならば、ゼロ年代前半におけるmontrailのトレイルランニングシューズは非常に現代的ともいえるのです。 わたし自身今でこそミニマル系のシューズも好んで履きますが、最も長くハイキングで愛用していたのはmontrail ハードロックをでした。ハイカーズデポ立ち上げ直前の2008年6月にJohn Muir Trail(JMT)をスルーハイクした際の足元ももちろんmontrail ハードロックでした。

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<SIERRAVADA™OUTDRY® 新生ハードロック>

アメリカで高い評価を得ていたハードロックは2009年にフルモデルチェンジされた後、2年間にわたり販売されていましたが、それ以降はラインナップから姿を消してしまいました。トレイルランニングシューズの潮流が「超軽量&ベアフット」に大きく向かっていたことがその理由のひとつでしょう。 そして2016年、「超長距離対応&足の保護」がトレイルランニングシューズに求められるようになった今、ハードロックが名前もテクノロジーも一新して再生しました。それが「シェラバダアウトドライ」です。montrailは今季から「TRAIL RUNNING」「MOUNTAIN RUNNING」「HIKING」とシューズを3カテゴリーに分類。シェラバダアウトドライはその中で最もハードなトレイルコンディションに対応し、かつプロテクション性能を重視した「HIKING」に属するモデルです。全長4,200kmのPacific Crest Trail(PCT)における難所、残雪のSIERRA NEVADA山脈をハイカーが超えていくことを願ってつけられた名前はまさにハイカーのためのトレイルランニングシューズと言えるでしょう。

◯デザイン 名品ハードロックを彷彿とさせるアッパー

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アッパーの基本デザインは当時のハードロックを踏襲しています。最近のトレイルランニングシューズで見られなくなったトレッキングシューズのような補強はある意味新鮮です。補強を最低限に抑え込んだトレイルランニングシューズの場合、最初にダメージを被るのはつま先及び外側サイドです。アッパーの補強は確かにシューズを重たくする要因ですが、知らず知らすのうちに蓄積するダメージからしっかりと足とアッパーとを守ってくれるのも事実です。

◯素材 OutDry®

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防水透湿皮膜そのものでなく、それをどのように製品化するかに注目した技術がOutDry®。従来の防水シューズのほとんどは、防水透湿皮膜によるブーティーとアッパーとの間に水や細かい砂が溜まってしまい、冷えが生じてしまうことがありました。またメッシュアッパーのシューズに比べ、アッパーが「二重」になっていることから狭く、硬い履き心地を感じることがほとんどでした。しかしOutDry®の技術では防水透湿皮膜でブーティーを作りアッパーに入れ込むという技術ではなく、防水透湿皮膜そのものを直接アッパーに溶着してしまうという技術を採用しています。そのためアッパーと防水透湿皮膜との間に隙間ができず、水や砂の侵入が防げるのです。さらに履き心地も他の防水シューズに比べ、しなやかさを維持ることができるのです。長距離ハイキングに求められるシューズ特性として「蒸れにくい」ことがあげられますが、同様にソックスや足が「汚れにくい」ことも重視されます。このあたりはハイカー各々で意見が分かれるところですが、OutDry®後者に対して有効であることは間違いありません。

ハイカーズデポでは開店以来「非防水」のメッシュアッパーを採用したトレイルランニングシューズにも数多くのメリットがあること、防水シューズでなくとも無雪期ならば登山でもハイキングでも使用できることを伝えてきました。その主張は今でも基本的に変わりありませんが、2015年以降、防水シューズの解禁に踏み切りました。それは「ULハイキングでは防水シューズを使ってはいけないのですか?」という質問を逆に受けるようになってきたからです。既成概念にとらわれずに自由にハイキングを楽しむことを教えてくれたULハイキングが逆に新たな既成概念を作っているとしたらそれこそ本末転倒です。防水シューズを使う使わないということが大事なのではありません。防水でも、非防水でも、それぞれの特性を理解した上でハイカーが自ら考え選択していくことが自由なハイキングの第一歩だと考えています。もちろんハイカーズデポではそのためのお手伝いを惜しみません。

◯アウトソール

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アウトソールのラグパターン&デザインも基本的に当時のハードロック、コンチネンタルディバイドを踏襲しています。

◯ミッドソール TRAIL SHIELD & Fluid Guide

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montrailの昔からの大きな特徴として「TRAIL SHIELD」という技術があります。これはミッドソール内に硬質の樹脂プレートを挿入、それによって地面からの突き上げを防ぎ、足を保護するというものです。現在はミッドソールの素材であるEVAの硬度を連続的に変化させ、樹脂プレートを挿入しなくともミッドソールの同一素材でプロテクションシールドが作れるように進化しました。これが「Fluid Guide」というEVA加工技術です。これにより異物を挿入するることによる接着不良や剥離といったトラブルが解決されただけでなく、よりナチュラルに突き上げからの保護ができるようになりました。もちろんミッドソールの軽量化も実現しています。かつてのmontrailユーザーからするとミッドソールの見た目がシンプルになっているので、手を抜いているのではという誤解をうむこともありますが、実はこの一見シンプルに見えるミッドソールが最もmontrailで進化している部分なのです。

 

誕生してから、特に2000年代後半以降はアクティブにトレンドが変化してきたトレイルランニングシューズ。ランナーだけでなくハイカーの足元も支えてきましたが、足の保護という観点からはトレンドも一周した感があります。今だからこそ改めて原点に注目したい。ハイカートレイルシューズのDNAは間違いなくmontarailに受け継がれています。

 

シェラネバダを越えようとするすべてのJMT&PCTハイカーに

Happy Trails,

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