Hiker's Depot|ハイカーズデポ

軽いって自由。Ultra Light Gears & Dry Foods

VERTICAL VELOCITY

SPECIFICATIONS
重量 582 g / Men's 9 インチ、ペア(実測値)
*個体差±1%
ラスト AR 4
 ・4mm drop for dedicated forefoot striker
 ・heel height 18mm - toe height 14mm
アッパー Synthetic Air Mesh
ソール outsole : Vasque Exclusive Vibram Grip Plus with Megagrip Compound
 ・World class grip

midsole : Compression Molded EVA
 ・4mm drop for the dedicated forefoot striker

insole : Anatomical High Rebound Footbed
カラー&サイズ 〈Men's〉
GARGOYLE / ORANGE
US inch 7.5 / 8 / 8.5 / 9 / 9.5
25.5〜27.5cm(0.5cm刻み)
*これ以外のサイズは問合せいただければ確認します。

〈Women's〉
GARGOYLE / GREEN SHEEN
US inch 6.5 / 7 / 7.5
23.5〜24.5cm(0.5cm刻み)
*これ以外のサイズは問合せいただければ確認します。
PRICE
¥12,800 + tax

Review

“VERTICAL VELOCITY 垂直に速く”

Vasque トレイルランニングシューズの名品といえば「Velocity」です。日本でのインパクトはBlur SL の方が大きかったかもしれませんが、それは日本での限定的な流行でした。ベロシティのDNAはバスクの中で連綿と受け継がれており、本国においても多くの指示を集めていたのです。今その初代を見ると現在のハイキングシューズのような作りです。どちらかというとスタビリティの高さが特徴だったのでオールラウンドに使え、ハイカー、ランナーの足元を守ってきました。そのベロシティを受け継ぎながらも、スピードを重視し、Vertical(垂直)方向への意識をしたモデルが「Vertical Velocity バーティカルベロシティ」です。

横っ面はトレイルランニングシューズ、上から見ればアプローチシューズ。見てすぐの印象はアプローチシューズに似たデザインだなと。またベロシティよりも同メーカー「Grand Traverse グランドトラバース」や「Juxt ジャクスト」にも近いと感じました。グランドトラバースもジャクストもバスクではデザイン・機能ともに人気を集め、定番のアイテムとなっています。グランドトラバースはグリップ力のあるテクニカルパフォーマンスシューズとして、ジャクストはスクランブリングなどテクニカルに使えるだけでなくデイリーユースとしても高い人気を誇っています。そのバスク主力のローカットシューズ、ベロシティ・グランドトラバース・ジャクストが新たなコンセプトのもと結集。生み出されたのがバーティカルベロシティなのだと思います。

履くと感じるのは、気持ち良さです。アッパーの柔らかさ、タン(またはベロ)が適度に伸縮し、きつくなくゆるくなく、ちょうどよく足にフィットします。ボリューム(空間の高さ)は低めですが、横方向にはしっかりとした広さがあり指を自由に広げられますので、長時間においての足のトラブルを軽減したり、しっかりとしたフォアフットでの着地、踏ん張りがききます。ドロップ差が非常に小さいので、ほとんどドロップ無しのように感じます。
そして次に気がつくのはソールの固さ、安定性です。インソールは柔らかめですが、その下のミッドソールは薄めですが固さがしっかり感じられるでしょう。おかげで横方向へのねじれが少なく安定した着地ができます。フォアフットの着地を行う前足部も屈曲が柔らか過ぎず、適度な反発で足に力を返してくれます。感触としてはアウトソールの外周がかっちりしている感じで、例えればエッジが効く、ということになります。
そしてVibram®Megagripコンパウンドを使用した、世界クラスのグリップ性の高さ。Grand Traverse にはすでに使用されており、湿った岩や根っこにも強いグリップ力は高い評価を得ています。なおかつ軽い。なんでしょう。なんだかちょっと強くなったような、それだけで早く歩けそうな気がしてしまうから不思議です。

VasqueはVertical Velocityのことを「Amazing versatility」と評しています。さすがに、ちょっと大げさすぎると思いますが。トレイルベンダーもバーティカルベロシティもどちらもハイパフォーマンスシューズです。ですが、トレイルベンダーはある意味でトレイルアクティビティに特化していると言えます。バーティカルベロシティは、グランドトラバースやジャクストなどで評価を得たデザイン・コンセプトをベースに、マウンテンランニング、クライミングアプローチやテクニカルなハイキングに適した高い機能を有しながらも、多くの人に受け入れられやすいものへと落とし込まれました。そのシンプルなデザインはデイリーユースにも適していますし、ドロップの低さ、ミッドソールの薄さ、フラットなソールとグリップ力の高さから自転車用のシューズやシティアクティビティへも使用できる汎用性があります。

 

 

Men's カラー:GARGOYLE/ORANGE(写真 下)

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Women's カラー:GARGOYLE/GREEN SHEEN(写真 下)

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About VASQUE

バスクは1964年からアウトドアシューズを作っているアメリカの老舗シューズメーカーです。元はワークブーツメーカーRed Wingですので、シューズ作りのノウハウは他メーカーに劣るものではありません。
日本での認知度以上にアメリカ本国では高い評価を得ており、Sundowner や2016 Backpackers Gold Editor's Choice を取った Skywalk などトラディショナルブーツの名品だけでなく、次々に新たな定番を作る力を持っています。特にバックパッキング、ハイキングの分野での評価が高く、パフォーマンスハイキングは新たな価値を作り出す分野として注目されています。

そんな中で、名品 Velocity や Blur SL を2010年以前に排出して以降、この数年トレイルランニングシューズでは目立ったアイテムはありませんでした。ですが、2017年。とうとうVasque が本気になりました。ラストも新たに挑んだのが、TRAILBENDER、VERTICAL VELOCITY、CONSTANT VELOCITY の3モデルです。

 

『TRAILBENDER』『VERTICAL VELOCITY』『CONSTANT VELOCITY』 について

「この3モデルがあれば、アメリカ国内にいる多様な人たちの90%を満足させられる。」
そんな言葉が新モデル発表時にメーカーから聞かれたようです。新たなラストは、ドロップ差こそ違いはありますがこの3モデルに共通して使われています。しかしそのどれもが共通点を見つけることが難しいほどに違いがあり特徴を持っています。それぞれに異なるソールパターンや大きさ、厚み、硬さ、ドロップ差。そしてそれぞれのモデルの性格に合わせた最低限のプロテクション性能。このプロテクションへのこだわりは登山靴メーカーとしての矜持であり、近年の軽量化志向や過度に柔らかいクッションへは安易に流されない、バスクという老舗メーカーの思いが伝わってきます。
はっきりとした特徴のある3モデルですが、ベーティカルベロシティはその中でいうと、他メーカーと被る部分も多いので一番“今っぽい”普通のシューズなのかも知れません。

【3モデルの特徴】

長く歩きたい、歩き続けたいハイカーをサポートする『TRAILBENDER』
クッション性・安定性・多様なトレイルに対応・オーバーナイト・長距離・6mmドロップ・フォアフット&ヒールストライク

足裏感覚を重視しつつも安定性に優れるテクニカルシューズ『VERTICAL VELOCITY』
グリップ・アセント・スピード・アグレッシブ・安定性・汎用性・4mmドロップ・フォアフットストライク

トラデョショナルでありつつ、時流に合わせた耐久性を手にいれた『CONSTANT VELOCITY』
オールラウンド・トラディショナル・超耐久ミッドソール・オフトレイル・8mmドロップ・ヒールストライク

 

 

VERTICAL VELOCITY の仕様

・ラスト(足型)とフィット

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新たに作られた『AR』ラストは、TRAILBENDER、CONSTANT VELOCITYと共用のものになります。形状はストレート。そうすることで、多くの人にとって足入れ感が良くなります。これはシューズを選ぶ上で重要な第一印象を左右する大きなポイントです。もちろんそれだけの単純な理由だけでなく、履きやすさは足をリラックスさせることにつながり、長時間でも履きやすく、低速から高速まで幅広く対応するようになります。

つま先側の幅は広めです。アッパーの素材・補強の入り方の影響だと考えられますが、柔らかい履き心地の分トレイルベンダーよりも広く感じられます。インソールが厚いのとシューズのボリューム(内部空間の高さ)が低いので、それほど広くは感じられないかもしれませんが、しっかりと指が横方向に広がる余裕があるのは、今までのバスクのラストとは大きく異なります。
中足部からかかとまでの広さは特に他メーカーとも大きく違いがあるように感じません。
かかとはヒールカップを成型していますが、トレイルベンダーや他シューズと比べてもとても柔らかいです。おかげで脱ぎ履きがしやすく、フィット感が良いです。その分、シューレースを締め込まないとかかとが抜けやすく感じることがあります。シューレースを締め込めばシューレースと連動した補強材がかかとを固定してくれます。かかとの固定域がトレイルベンダーやコンスタントベロシティよりも低いため、固定感には乏しいかも知れません。これは最近のシューズの流行でもありますので、バスクだけの特徴ではないですが、もし気になることがあれば、シューレースを締め込んで履いてみるのをお勧めします。

ラストは3モデル共通ですがドロップ差(母子球とかかとの高さの比)は異なっています。初代ベロシティは当時では普通に10mm以上のドロップ差があったと思いますが、バーティカルベロシティはわずかな「4mm」のドロップしかついていません。このドロップ差を Vasqueは“for the dedicated forefoot striker”と表しています。直訳すると“熱心な前足部で着地する人のための” となるのでしょう。
例えば、ドロップ差がゼロのシューズの場合はヒールストライクには向いていません。強制的にでもミッドフットやフォアフットでの着地をするようにしないと脚への衝撃は従来のシューズ以上のものになり怪我につながります。返ってドロップ差が10mmとかある場合はミッドフットやフォアフットでの着地には向かず、爪先立ちをし続けているような状態になりますので、無理に行えばふくらはぎや前足部へ必要以上の負荷をかけることになり怪我につながります。
このシューズの場合ドロップが4mmと少ないので、基本的にフォアフットまたはミッドフットでの着地に対応ということになります。けれども、ヒールのクッション性が乏しいわけではありませんので、ランニング以外でならばヒールストライクでも使用できます。
よく考えてみれば普段履くカジュアルシューズやタウンユース向けのシューズは元からドロップ差は少ないのです。ドロップの高さは高いパフォーマンスをうむ反面、常に脚部への緊張を強いるので、普段履くのにはおすすめできないのです。
どうせ4mmならいっそ0にしてしまえばという意見もあるかも知れません。ですがあくまでもアウトドアシューズはパフォーマンスシューズということを考えれば、この微妙な差くらいはあってありがたいことはあっても困ることはありません。むしろこのくらいの差で、シビアなフォアフットランディングを要求されず、一歩が踏み出しやすいのであれば悪くないでしょう。

 

 

・アッパー(シューズの上部分)

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特徴的なのは、つま先の方まで伸びている伸縮性のあるタン(またはベロ)。トレイルベンダーよりも約2cmほど長いです。特に傾斜のあるテクニカルなトレイルにおいて、より動きに即した適切なコントロール性を助けてくれるでしょう。芯には薄く伸縮性があり肉抜きされた高密度発泡材をいれ、同じく伸縮性のあるメッシュで包んでいます。それにより“Sock-like”なフィット感になっています。確かに足を入れると適度な力加減で心地よく包み込まれる感触は“くつ下のよう”と言えるのかもしれません。靴紐の届いていないつま先の部分はどんなに靴紐を締め込んでも、横方向への自由度が残されているので、指周りが窮屈さを感じることは少なくなります。逆に、ひもをゆるめても適度に足にフィットしますので、リラックスシューズとして履いてもがばがばになりすぎることもなく履くことが可能でしょう。

アッパーの主要部分はタンを中心として包みこむようにぐるりと回り込んでおり、タンとの接続部以外は縫い目がなく作られています。使われている素材は密度があるエアメッシュニット素材で裏表二重になっており、トレイルの埃やゴミを防ぎながらも高い通気性があります。そして軽量で縫い目がいらない「Synthtic Overlays 化学合成フィルム」で補強されています。リフレクティブポイントがつま先の外側とかかとに付いており車のローライトにも反射してくれます。
つま先は薄くても頑丈な1.2mmの合成素材トゥーキャップで摩耗などを防ぎます。内側外側に長く広がっているのは、岩場などテクニカルな状況での擦れを意識したものでしょう。まるでクライミングのアプローチシューズのようです。上から見るとトゥーキャップが途中でくぼんでいるのが分かりますが、これはつま先の屈曲に影響がでないことを考えてのものです。
つま先まで伸びたシューレース(靴紐)は細かな調節機能を提供しシューズとの一体感を高め、動きへの高い追従性をうみだします。
化学合成フィルムの補強・成型されているヒールカップはかなり柔らかめになっており、フィット性は優れているものの、シューレースをしっかり締めないとかかとが浮きやすくなるので、靴ひもの締め具合に注意したいです。

作りはベース素材はトレイルベンダーと同じようですが、補強の少なさからかだいぶ柔らかく感じます。履いてみるとタンの伸縮性もあるのでなおさらソフトに感じます。近年のベアフットシューズからドロップ差のないシューズなどの傾向に最も近い“あまり足を保護しない”シューズといえます。ただそれらよりは下記に述べているようにミッドソールの固さなどの分スタビリティがありますので、そのあたりがバスクとしての矜持なのでしょう。

 

 

・インソール(取り外し可能なインナーレイヤー)

foot bed とも言われ、足を衝撃から守ったり、ブレを軽減したりと今では様々な機能を付加されていますが、もともと靴にはインソールなどありませんでした。だからわざわざインソールと言ったりするわけです。バスクのインソールは非常にこだわったもので、使われている素材もとても良いものです。なぜそれほどインソールに力をいれるのかと言うと、靴の印象のほとんどがインソールにある、と言えるほど最初に履いた第一印象を左右してしまうからです。それくらい足裏(足底)というのは敏感で、歩く行為において重要な感覚というわけです。
使われている「Anatomical High Rebound Footbed」は従来とは変更され新しい素材を採用した新型となっています。「高反発な性能をもつフットベッドはシューズの機能をサポートし、エネルギーを効率よく還元します。」と、バスクは言っています。バーティカルベロシティのミッドソールの硬さについては後ほど詳細に述べますが、かなり硬質にできています。なかなかこんな硬いのは少ないです。なおかつ前足部にはこれまた珍しくプレートが入っています。ですので、純正のミッドソールとの相性は悪くありません。むしろバーティカルベロシティの専用として作ったのではないかと疑いたくなるほどです。ですのでそのままの組み合わせで良いでしょう。もし別売りのインソールに変える場合、大抵ヒールカップが付いているものですかた、硬い+硬いになります。ですのでより足裏感覚を重視したい人や、レスポンスの速さを求める人にとっては、シューズの性能を活かしきることには繋がると思います。

 

・ソール(接地面のアウトソール、クッション部のミッドソール)

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3モデル中で最も固さを感じるのがバーティカルベロシティに使用されている、圧縮成型EVAミッドソールです。とにかく固い。最大のクッション性を求めたトレイルベンダーとはある意味真逆と言えます。まるで一枚の板の上に乗っているようでさえあります。しかし薄さに対してのクッション比率は高く、薄いからといって衝撃吸収性に乏しいわけではありません。また、薄く固いことでクイックに路面の状況を感じやすく、スピード出したい、アグレッシブに進みたい、そんな時の瞬時の判断に対し高い反応をしてくれます。

バーティカルベロシティに使用されるアウトソールは、Vasque exclusive Vibram Grip Plus rubber outsole with Megagrip Compound です。3モデルで唯一 Vibram®のMegaGripコンパウンドを採用しており、想像以上のグリップ力と高い耐久性を併せ持っています。Vasqueでは専用型ではないもののすでにグランドトラバースでも採用されており、その高機能性や耐久性においては実績をもっています。バーティカルベロシティにはバスク専用の型が採用されています。トレイルベンダーの“Micro Plus”と同様の形をした4方向対応のmulti-directional lug(突起)3mmですが、“Grip Plus”の方がラグ幅が広く低いため、非常に優れた足裏感覚をもたらし滑りやすい岩場などでグリップ力もたらすと同時に、マルチダイレクショナルラグの形状は、柔らかく不安定なトレイルコンディションにもしっかりとした固定力を発揮します。さらに前足部には繊維樹脂性で柔軟性のある「ESSロックプレート」が内蔵されており、石や木の根から前足部を守ります。

グリップ力が良いに越したことはありませんが、それが用途や目的にあっているのかも考えて欲しいところです。グリップの良さは時にマイナスに働くこともあります。特に下りが長く続く時、ストップはインパクトでもあります。しっかり止まってくれるのは良いのですが、着地のしかたによっては過度の衝撃が筋肉や関節へとかかり、返って脚への大きな負担になることがあるのです。「グリップの良さ」というのはキャッチーです。シューズにとってはわかりやすい売り文句になるのです。けれどそれだけに惑わされる必要はないと思います。正直言って今のハイキングシューズ、トレイルランニングシューズでどうにもならないラバーコンパウンドのものはありません。今より良い、けれど、不要な良さ、ということも十二分に考えられます。それよりも歩き方や足の置き方に注意した方が怪我の予防にもなり、快適に歩けるようになるでしょう。

バスクの説明の中にこんな一文がさらっと記載されています。「 low profile EVA midsole delivers a responsive ride」。要するに、固く低めのEVAミッドソールは反応が伝わりやすいので自転車を漕ぐのにも力が逃げないよ、漕ぎやすいよ、ということを言いたいのでしょう。

本当にこのシューズは器用なのでしょう。それはテクニカルな、不安定な状況が顕著になるほど本領発揮するシューズと言えます。岩場の多いルートで細かく足場を拾っていくのを助けてくれたり、柔らかく湿った路面ではミッドソールの硬さが安定性をもたらしてくれます。ですが正直なところこれだけ固いミッドソールですからどんなに高機能素材だとしても、舗装された道やミックスルート、長距離では路面からの反発を感じすぎてしまい、足には負担が大きいかも知れません。
また、普段履きにして足をトレーニングするのにも悪くないでしょう。パフォーマンスの高いシューズや固いブーツでは足がサポートされすぎてしまうので、歩くのに肝心な筋肉もたくさん運動したとしても使われにくくなります。このシューズはドロップ差も少ないですし、クッションも過剰ではないため、足の筋肉の動きが衝撃吸収のために必要になります。慣れないころは疲れが早かったり、足裏に痛みを感じることもあるかも知れませんが、普段の生活の中でも簡単にできるトレーニングの一つです。そして、長距離や長時間、オーバーナイトハイキングの時にはトレイルベンダーを履く。テクニカルなルートを攻めるときや自転車の“ライド”にはまたバーティカルベロシティを履くなど、使い分けしてみるのも良いでしょう。

 

・重量

Men's 9 インチ(27センチ) で 582g(1ペア)。片足 291g。
トレイルランニングシューズでもある程度のスタビリティを求めたものが、片足300g前半。1ペアで700g以下です。軽い部類にはいりますが、アッパーの保護性も簡素ですし、特別軽量というわけでもありません。けれども、ミッドソールを硬質にして登山靴メーカーとして譲れない最低限の安定性を求めたものとして考えれば十分な結果です。

 

・カラーやデザインについて

色や全体のデザインはハイキングシューズ、少し前の良きアメリカンアウトドアシューズ。以前ではどこのメーカーでも抱いている定番のカラーリングでしたが、今ではロープライスメーカーを除いて見ることはなくなっていました。

普通に多くの人がカッコよく感じる。それは悪いことではありません。ところが、良くも悪くもメーカーと販売店、そしてカスタマーにはずれがあります。特にこの数年のメーカーの出してくるデザインやカラーリングはカスタマーとの大きなズレを感じさせるのに十分な結果でした。それは日本だけに限った話ではなく、アメリカでも同様です。今回のカラーは、アメリアかアウトドア小売店では最大手「REI」が全面協力しています。REIは今までも、メーカーでは廃番となったデザインのものでもカラーを変えながら継続して販売したり、カスタマーに寄り添う商品を扱ってきました。Vasqueは今回、メーカーとカスタマーのズレ、をREI協力のもと修正してきました。
アウトドアもアメリカではSportに分類されますが、日本語のスポーツよりはハンティングやフィッシングも含むためもっと大きな意味で捉えられています。いわゆる日本でいう狭義のスポーツのようなスポーティさもなく、ヨーロッパブランドのような特徴的なカラーリングでもなく、広くアウトドアフリークたちの普段の足元を飾るのにも違和感がない「普通に良いカラー」になったと思います。

ベロシティの血統であるにも関わらず、実はベースのデザインは同社「Grand Traverse」にあります。特に側面の補強デザインなどは素材を変えてそのままと言って良いほどです。どちらもソールにはMegaGrip®を採用しています。ヒールカップの硬さは大きく違うものの、かかと周りの薄さはトレイルベンダーにも引き継がれているほどです。それほどグランドトラバースのデザインは良くできていたということなのか、はたまた、多くの人に支持をされているということなのでしょう。しかし、素材はレザーかシンセティックかでも違いますし、メッシュ素材の強度や全体の軽さも異なります。アッパーの耐久性や耐用年数で考えれば圧倒的にグランドトラバースに分があります。ですが見た目にはわからないミッドソールの固さやソールパターンの違いを考えれば、アグレッシブにテクニカルなトレイルに向かいたいハイカーにとってはバーティカルベロシティはきっと素晴らしい働きをしてくれるでしょう。

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・サイズについて

バスクの新ラストは基本的には横に広いという感触を持っています。ナチュラルランニングが運動生理学の分野でも認められていき、ベアフットシューズも市民権を得つつある現代において、従来のラストだけでは十分でないのは自明の理です。まだ対応しきれていない老舗シューズメーカーの中では積極的に対応してきたことは大きな変化です。

とはいえ基本的にはやや先細りの従来の形状も踏襲したものではあります。“捨て寸” という余剰分がありますので、例えば実足長が26cmのばあいでも26cmを履くことが可能です。しかし、それでは本当の意味で隙間のないぴったりサイズになってしまいますので、当店としては実足長にプラス1cm〜1.5cmするのをお勧めします。

・自分の足が細いと感じる人またはぴったりが好きな人は実足長プラス1cm

・自分の足がゴツめだと感じる人または指を広げられる余裕が欲しい人は実足長プラス1.5cm

シューズというのは面積や長さで履くのではなく「容積で履くもの」です。ある程度の長さを取ったとしても履き込んでいくうちに横が広がり前が詰まってくるものです。ぴったり目に選べばゆくゆくは指が付くほどジャストになるでしょう。もしゆとりをとって最初は余りすぎるように感じたとしても、シューズが足の形に馴染んでいくうちに前も少しずつ詰まってきて、ちょうど良くなるでしょう。

あとは履いたときのインスピレーションです。おや?ちょうど良さそうだけどちょっと違和感、なのか。はたまた小さいもしくは大きいかも知れないけどなんだかしっくりくる、なのか。です。遠方で実物を試せない人のご参考になればと思います。

例:実足長25.5cm 体重75kg程 のスタッフの場合。実足長より1cmアップの8.5 inch(26.5 cm)でも履けるがかなりぴったり。長く歩きたいし、指先を広げるように履きたいので9 inch(27 cm)を選択。

 


Hiker's Note

・トレイルランニングシューズについて

トラディショナルなハイキングブーツは大きな安心感を与えてくれるものです。しかし、道具の軽量化やウルトラライトハイキングメソッドの普及とともにシューズも変化してきています。ライトウェイト志向のハイカーたちの足元といえば、今やその多くがトレイルランニングシューズです。トレイルベンダーと同じくローカットシューズですが、どんな特徴があるのでしょう。

トレイルランニングシューズは本来平坦である程度整備されたトレイルを走ることを目的としているため、決して丈夫な作りとは言えません。過去丈夫でハードな状況でも使えるトレイルランニングシューズが数多くリリースされていましたが、それらがなくなって久しいのです。

メリット/現在多くがメッシュアッパーで作られいて長時間履いても快適で、濡れても乾くのが早いです。柔らかめのラバーコンパウンドとラギッドなパターンで泥はけとグリップが良く、全体にしなやかで軽快に歩けることが特徴でしょう。アメリカのロングトレイル“Pacific Crest Trail”のように、砂漠あり、雨あり、渡渉あり、雪ありと様々な状況下においてもトレイルランニングシューズで通し打ち(スルーハイキング)できてしまうので、トレイルランニングシューズはマルチと言えるのかもしれません。ところが、どの部分にも特化していないので、すべてにおいて苦手、弱点とも言えるのがトレイルランニングシューズでもあるのです。

デメリット/メッシュのアッパーは強くありません。数十キロで擦り切れてしまうことや岩や木に引っ掛けて直ぐに破れてしまう場合もあります。滑りにくいラバーコンパウンドは一般に消耗が激しいです。ミッドソール(アッパーとアウトソールの中間にあるクッション性をつくる部分)も全体に柔らかいため、凹凸の激しい岩場などのトレイルでは足裏への衝撃が大きく、長時間の場合痛みを伴うことがあります。分厚いミッドソールにすると足裏感覚を無くし掴む感覚を損なうだけでなく、高さがあるぶん足をくじく可能性が増します。ラギッドパターンは接地面積が少なくなるため細かいスタンスに乗るようなトレイルは不得意です。クッション性を重視していくトレイルランニングシューズですが、事実、“トレイルランニングシューズは履き込んでミッドソールが潰れてソールが削れ、履き潰れる手前が一番良い”、なんてことを言うおかしなハイカーがいるくらいですから。

 

・ハイカットとローカット

ハイキングシューズの主流と言えば間違いなくハイカットです。ハイカットの主な目的は足首の保護にあります。これは捻挫しにくいということではなく、足首を固定することで筋肉の疲労を軽減したり、足首のブレを抑えバランスを整えやすくするということです。ですので、ハイカットにすることで犠牲にしていることは、足首の自由な動きです。

ローカットは確かに足首の負担が少なくないです。もし重い荷物を背負うならなおさら。しかし、普段の生活でハイカットシューズを履かないように、足首の動きというのは非常に重要なのです。バランスをとるだけでなく、様々な角度や状況に合わせて柔軟に曲がることで地面への接地面積を増やし滑りにくくします。凹凸に合わせ足首が先に曲がることで体全体のバランスをとるセンサーの役目もしていると言えます。

ハイカットは安心感があり、足首への負担は減らせますが、足首の動きを制限することで細かい動きに対応ができなくなり、靴のエッジで歩くようになります。そうすると靴自体を固くする必要がうまれ、重量増につながります。もちろんメリットもあり、普段から歩き慣れていないハイカーにとっては足元で体のバランスを保ってくれるので歩きやすく感じるでしょう。多少の凹凸なら気にせずに歩けてしまうからです。ですが、本来ある障害物を避けることをしなくて良いので、歩き方は決してうまくはないでしょう。もちろんローカットシューズを履いていても歩き方が下手なハイカーはいっぱいいるとは思いますが。

日本に登山靴が入ってきた1800年終わりから1900年初めには、登山靴と草鞋での論争が起きたことがあり、それまでの日本では草鞋が登山の主流だったのです。約100年。今や日本でも登山靴ありきの山登りとなっています。ですが、道具は使いようです。草鞋で歩いていた古きハイカーたちはさぞ歩き方が上手かったのでしょう。今よりも格段にトレイルは整備されていなかったはずです。現代有名なトレイルであればその頃より歩き易く整備されていますし、足首周りの動きに対応するハイカットやミッドカットもあるので、うまく選択して選ぶことができます。

多くのスポーツの専用靴はローカットです。クライミングやランニングシューズもそうです。テクニカルなことをする時には足首の動きが必要だからです。普段の生活もローカットで十分です。高い技術を必要とする場合も技術を必要としない場合もローカットで良いわけです。足首を覆うシューズを使うスポーツ、例えばスキーは小さな屈曲の力を大きく伝えるためにハードでハイカットなブーツを使いますが、あのブーツの中でも足首の動きを使って板を制動します。スケートシューズは線で立つ補助をするためにハイカットになっています。もし長靴や地下たびをハイカットの部類に入れるならばあれは足さばきをよくしたり、ゴミや汚れの侵入を防ぐものです。実はそのどれもが足首の保護が目的ではありません。ハイカットはそれ相応の目的があってのものですので、登山はハイカットというのは通説ですが事実とは異なるのです。

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