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軽いって自由。Ultra Light Gears & Dry Foods

Mono2.0

SPECIFICATIONS
重量 実測322g(ペア US8)
ソール Vibram®︎モアフレックス
ソール厚14mm
フットベット MGT(Monkey Grip Technology)
シューレース Performance Laces 2.0 *Patented
サイズ US 6,7,8,9
ハーフサイズ無
PRICE
¥11,000 + tax

Review

- LUNA SANDALS Minimal Running Sandals

メキシコのタラウマラ族の伝統的履物「ワラーチサンダル」をベースとするLUNA SANDALS。サンダルとしてのベースデザインを変えることなく、素材中心に毎年細かなマイナーチェンジを繰り返しながらベアフットサンダル&ランニングサンダルの現在進行形を模索しているMade in SEATTLEにこだわったブランドです。

Invisible Shoes(現在のXero Shoes)と並ぶベアフットサンダルの老舗であるLUNA SANDALSですが、2014年以降「ベアフットランニング」のムーブメントは大きく変化しました。ベアフットを標榜するサンダルもシューズも激減し、トレンドはマックスクッションを標榜する厚底系シューズへと大きく舵をきっています。LUNA SANDALSもソール素材や厚みを変更するなど、シューズビジネスの環境変化に無関係ではいられない部分もあります。しかしそうした激変の中でもLUNA SANDALSとしてのオリジナルデザインと「Minimal Running Sandals」としての基本コンセプトが中心にあるブレない姿勢にはやはり感銘を受けます。様々な後発ブランドがでてくるなか、やはりLUNA SANDALSなんだ、と回帰してくるユーザーが多いことを見るにつけ、オリジナルブランドとしての強さを感じずにはいられません。

 

- 2017年日本展開モデル

  • Venado2.0 2012までの「Original」のDNAを受け継ぐ最もベーシックかつシンプルなモデル
  • Mono2.0 2013にリリースされた中庸なオールラウンドモデル「Mono」をバージョンアップ
  • Oso Flaco 2012までの「Leadville」をタフに更新し続けることでシューズトレンドに対応してきたプロテクションモデル
  • Origen Flaco 最初期の古タイヤをソールに採用したモデルを模して復刻されたモデル

古タイヤを模したソールにフットベット&シューレースをレザーであつらえたOrigen Flacoはややサンダルとしての性格を異にするものの、他の3モデルは2013年以来変わることないパフォーマンスモデルの定番です。 ここ5年よい関係性を維持しているVibram社とは2017年もソール素材の変更&改良が試みられています。

 

- Mono2.0 中庸的なオールラウンドモデル

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2013年にラインナップに加わったMonoはソール厚、ソールパターンともに中間的な位置付けとなるオールラウンドモデルとしてデザインされています。創業者かつオーナーのベアフット=テッド曰く

”ビーチへのリゾート旅行から50kmのトレイルランニングまで使える、everything sandalsだよ。”

このコンセプトは今季のMono2.0に至っても変わることなく継続されています。しかし2017年はソールに大きな変更が加えられました。ソール全体の大枠の特性は変えることなく、厚みとクッション性をあげつつ重量は維持するということでより柔らかいソールに変更されています。これがVibram®︎MORFLEXです。

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Vibram®︎MORFLEX。名称からわかるようにソールの厚みに対して軽く、クッション性、フレックス性に富むソール。今季のLUNA SANDALSの中で最も特徴的なアウトソールといえるでしょう。Mono2.0では14mm厚のソールを採用、ラグの深さも4mmと深いため、ソールそのもののコンパウンドの柔らかさによるグリップ性能だけでなく、ラグの深さによるグリップ性能の向上も期待できます。また踵から拇指球まではドロップ差がないいわゆるゼロドロップですが、指先部分のソール厚は1ommと薄くなっています。これは指先で踏ん張った時により前方向への重心移動がしやすいようなサポートではないでしょうか。こうしたソールの変化はトレイルランニングシューズの全体的なトレンドと無関係ではないように思われます。

 

- その他のディテール

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2017年度から導入された改良点として「可動式のヒールグリップ」(写真左)と「オリジナルフロントバックル」(写真右)があげられます。ヒールグリップは踵からアキレス腱にかけての凹凸がすくなくのっぺりとしている方が今まで悩んでいたヒールストラップのズレ落ちを大きく解消してくれます。またキツくストラップを締めた際におこる擦れの痛みにも有効なはずです。オリジナルで作成したフロントのプラスティックパーツもサンダルの調整のしやすさに一役買っています。裸足で履く時、薄手の五本指ソックスを履く時、ネオプレーンソックスを履く時、様々なシチュエーションでLUNA SANDALSを使う場合、ストラップの調整は不可欠です。オリジナルバックルはその調整をスムーズにしてくれるのです。

 

- サイジング

LUNA SANDALは捨て寸をほぼ無くし足の実測とほぼ同じサイズを履くことが推奨されています。このサイジングだからこそ、ストラップをしっかりと締めた際にソールとの密着感、フィット感をかなり得られるのです。ハイキングやランニングなど積極的にフィールド使用することを前提に選ぶのであれば、一番大事なことは「ジャストサイズで選ぶこと」「ストラップをしっかりと締めること」この2点でしょう。特にジャストサイズを選ぶことはつま先で細かいスタンスにのったり、倒木や岩場の凹凸を指でしっかりと踏む際に重要な要素になります。指先の身体感覚とサンダルのサイズとが一致することがサンダルでの歩行において重要な要素なのだと考えています。岩や木に足をぶつけませんか?と聞かれますが、サンダルを履いていると意識していれば自然と足をどこに置くか、どう置くかに意識がいきます。結果としてサンダル歩行時に足を何かにぶつけるということはそう頻繁にはおきないでしょう。昔の岳人は足袋にワラジで歩いていたのですから、それを思えば同じことだといえるはずです。

 

- サンダルで山を歩くということ

わたし自身は2012年以降、LUNA SANDALSをハイキングに積極的に使っていた時期があります。海外のトレイルはもちろん、奥多摩奥秩父主稜線は全区間サンダルでハイキングしたこともあります。しかしサンダルで山を歩く、走るということを誰しもにおすすめするつもりはありません。特に日本の山は北米に比べると、トレイルの傾斜、狭さなど独特な条件があります。またブーツが山歩きの一般的な慣習の中で、ようやくトレイルランニングシューズが定着してきたことを考えると、ランニングサンダルで山を歩くという行為が一般的に受け入れられるのはまだまだ先の話でしょう。

一方で、自分自身がよく把握している通い慣れたフィールドならばランニングサンダルで山を歩くことを試してみる価値は十分にあるとも思っています。ワラジとは鼻緒のポジションが異なるため、 現代版ワラジだと即断はできませんが、そうした感覚をハイキング中に感じることはできるはずです。当時の岳人がどんな感覚で歩いていたのか。どう歩けば効率良く、足を痛めず歩けるのか。そうした感覚を得ること、考えることは「歩く」という行為を意識的に捉えるうえで非常に重要だからです。昔の人ができていたことをいまできないのは何故なのでしょう。昔の人は現代の人よりも歩いていたから、と一括りにして結論づけるのは安易です。

ベアフットランニング、ナチュラルランニング、フォアフットランニングと言葉は異なるものの、どれもが体への負担を減らし、人生において長くランニングを楽しむための方法論を実践するムーブメントです。せっかくそうした潮流がうまれたのですから、歩くことや走ることにもっと意識的になってもよいのではないでしょうか。ランニングサンダルのオリジナルとして、あらためてLUNA SANDALSを履くことで歩くことへの意識付をしてはいかがでしょうか。とびきりシンプルなこのサンダルが与えてくれる気づきを大事にしましょう。はじめてULバックパックを背負ったとき、はじめてタープで眠ったとき、それと同様に全身の感覚を使って自然の中を歩くことができるはずです。道具にすべてゆだねるのでなく、足りないところは足りないと受け入れたうえでそれに合わせた使い方をしていく。自らの許容範囲や応用範囲を広 くすることにも繋がるはずです。LUNA SANDALSでそんな面白さを感じてもらえればと思います。

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