Hiker's Depot|ハイカーズデポ

軽いって自由。Ultra Light Gears & Dry Foods

Odyssey Crew

SPECIFICATIONS
重量 180g /Mサイズ(実測値)
素材 Odyssey
ウール:87%
ナイロン:13%

繊維:ニュージーランド
生地:ベトナム
縫製:アメリカ
サイズ&カラー サイズ:S、M、L

カラー:Bayberry
    Copper Heather
    Stone Grey Heather
PRICE
¥13,300 + tax

Review

ibexの定番にて顔とも言える後染めウールニット生地を使用したシンプルでいて十分な機能を持ったウールロングスリーブTシャツ。一枚持っていれば一年中着回せるし、何枚持っていても困らないほど普段着から街着まで重宝するプレーンなデザインを貫き通せるのはさすがibexと言える一枚。
2017年よりナイロンコアに変わり、毎日着られる丈夫さも兼ね備えました。また、後染めの霜降り以外にソリッドカラーもリリースされた「ibex Odyssey Crew」

サイズ展開/S、M、L(US men's size)

*Heatherは霜降り生地。それ以外は単色(ソリッドカラー)です。

odyssey_crew_bayberry_1

Bayberry

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Copper Heather(霜降り)

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背面側

 

*従来のウール100%のOD Crewも継続して販売しています。こちらから

 

ウールのウェアは様々なコンディションでも体温を調節する機能をもっていることは多くの人が知るようになりました。ハイキングにおいてはほとんどの人がウールのソックスを使うのもそういった理由からでしょう。素材は150g/m2のプレーンニット。2017年からはナイロンコアのウール生地「Odyssey」を使用しています。それを、ウールのものには珍しく後染めしたHeather(霜降り)と単色のソリッドカラーの2タイプを展開しています。

デザイン性の高さは機能にも影響すると言って良いでしょう。デザイン性の高さと言ってもそれは奇抜なデザインや付加し過ぎたものとは全く違います。一見、普通でシンプルなデザインのようですが、ハイキングでも使えるように、主張しない程度に肩の縫い目をオフセットさせバックパックとの擦れを軽減するなどの機能を付加しています。また適度にゆるいシルエットがとても綺麗で、いかにもアンダー、ということは無く、カジュアルな服としても着ることができます。ibexはオン、オフを問わずに使うことができるものをデザインすることが多いのですが、ibexにあって他メーカーに無いのはこのデザイン性の高さです。最近では他メーカーもカジュアル寄りなものを作ってきていますが、細部までの微妙なこだわりがその違いを生み出しているのです。

 

素材について

ibexが2015年から使い始めたウール&ナイロンのハイブリッド生地「Weightless Wool "W2"」とほぼ同等の生地を後染めした「Odyssey」を使用しています。これはナイロンのCore(核)にウールを巻きつけているもので、従来からある製法です。しかし、割合は18.5ミクロンのメリノウー ル87%、ナイロン13%と、従来のどのハイブリット素材よりもウール混率が高く、風合いもウール感が勝ります。これはウールクロージングメーカーならではのこだわりと言えるでしょう。厚みは一般的な薄手のibexの150g/m2になります。この混紡により従来と比較して、丈夫で軽量な生地になります。確かに夏の高山であればウール100%でも暑すぎることはなく快適に使えるでしょう。ですが、2000m以下の山。年間を通しての低山ハイキング。高いところから低いところも歩くロングハイキング。激しい動きが伴うクロスカントリースキーやトレイルランニング。水に積極的に濡れるパックラフティング。蒸し暑さの溜まる街など、アウトドアを楽しむ場所は高所以外の方が多いのです。100%ウールよりも、広く快適に使える素材と言って良いでしょう。

 

・なぜナイロンとの混紡なのか

混紡素材に化学繊維としては一般的なポリエステル繊維ではなくナイロン繊維を使用した理由としては推測になりますが、ポリエステル繊維より細く長く丈夫な繊維が作れること、色が染まりやすく発色がきれい(ポリエステル繊維は色ムラになりやすい)、摩擦強度に優れる、若干の伸縮性がある、といったことが挙げられます。ナイロンは強度と伸びがあることからクライミングロープやジャケットやパンツのシェル素材として使用されます。(最近ではポリエステルが外皮のロープがありますが、これは伸びを出さないことを狙ったもので、そのままでは破断しやすいので引っ張り強度の高い芯材で補うようになっています。摩擦には弱いです。)

 

・混紡素材にした理由の考察と穴開きについて

混紡素材を使用したのにはウール自体の問題を解決するためなのかもしれません。メリノウールはウール中では細く短繊維(5~10cm)の方なので、いくら選別をしてもムラができてしまいます。比較してモヘヤは3ミクロン以上とやや太めになるものの長繊維(7~20cm)で丈夫です。短繊維は摩擦で抜けやすいので生地が薄くなる原因の一つになります。また繊維がうろこ状になっていることで絡みやすい(縮む原因)ので、それを防ぐための防縮加工が施されます。この過程でウールは本来の強度や機能を若干失ってしまうのです。アンダーで使われるウールで最も多いのは人の髪の毛よりも細いとされる18.5ミクロンですが、加工を施されたその繊維では150g/m2以上の薄さをウール100%では作るのが非常に困難のようです。事実ウール100%で150g/m2というのは市場で見ることはほとんどありません。ではもっと選別し細く長い繊維を選ぶことはできないのか?できます。しかし次は高いコストという別の問題を抱えてしまうのです。ibexでも以前は17.5ミクロンの繊維を使ったものがありました。その触り心地はまるでシルクのようで通常よりもふわっとした触り心地でした。ですが価格は通常よりも1〜2割高になっていました。

それでは生地を厚くすれば穴開きや傷みを防げるのではないか?答えは残念ながら“No”です。生地を厚くしても繊維が抜けていくことは防げません。また150g/m2よりも厚い生地ではいくら乾燥している大陸気候下でも温暖な季節に使うのには向いていません。ならば多雨多湿高温な日本の夏ならばなおさら150g/m2以上の厚みでは使える人は非常に限られたものになるのです。それ以外にも厚みを増しても穴開きを防げない理由があります。それは羊の健康状態です。たくさんの羊の中には健康状態の良い羊と悪い羊がいます。また、毛が伸びていく途中段階で病気をしたりするとその途中段階だけ毛が細く切れやすい状態になっています。今の選別技術や需要供給バランスではこのムラを排除することは不可能でしょう。ですので生地の厚みを増しても、それはただ単に穴が開く時間を先延ばしにしているというだけなのです。事実、100%メリノウール195g/m2の生地で作られるibex/Hooded Indieでも穴は開いてしまうのです!

ではこの混紡素材W2ならば穴開きは防げるのか。これは実はYesだしNoなのです。ナイロンは摩擦強度に優れるため確かに穴は開かないでしょう。しかし摩擦によってウールは抜けていってしまっています。それでも見た目に穴があかないということであればYesですが、そこにウールが残っているかと言われればNoなのです。Rab のMeco 120シリーズはウール85%ポリエステル15%という素材ですが、やはり長く使っても穴開きはありません。しかしよくよく見れば当りの多い箇所には傷みが見られます。結局ウールである以上、厚くしようが何しようが防げないものは防げない、そういうことなのです。

たとえそれをデメリットと考えて受け入れたとしてもウールという循環可能な天然素材というメリットがどれほど大きいのでしょう。また、ナイロンや化学繊維を混紡することで穴が開くことは防げます。それだけでも長く着続けられるとすればその行為自体が非常に健康的で素直な考えだと思います。それでももし穴が空いたら?そしたら繕って長く大事に使って欲しいと思います。

 

ウールについて

『ウールは暑い。冬のもの』

そう言った考えがあるのもわかります。事実僕たち自身がそう考えていました。そんな考えを払拭してくれたのが、薄手のウールジャージ素材でした。もちろん標高の低いところなどでは圧倒的に化繊アンダーの方が熱を奪い身体をクールダウンさせてくれるでしょう。しかし、高山帯は夏といえど汗をたくさんかき、汗冷えも起こります。その為に化繊シャツを着ている人の中には撥水アンダーを重ね着することが最近では増えてきました。しかし、そんな時こそ濡れ感が少なく汗冷えしにくいウールが役に立ちます。雨に降られ雨具の中がどんなにびしょ濡れになっても体温の低下をできる限り防いでくれます。それも "一枚で" です。天候の変化が激しい春や秋には特に必要な機能でしょう。

ウールは確かに化学繊維と比べて乾きにくい素材です。しかし、これはウィッキング性、拡散性が少ないだけなのです。良い点として吸放湿性、抗菌防臭性、汗冷え感のなさと言えます。吸湿性と放湿性の高さにより一定の肌心地を保ってくれるだけでなく、ウールは湿度が上がると繊維の中に水分が入るのを防ぎ、繊維表面は水を含まないため、実際には乾きやすいと言えるでしょう。汗冷え感の少なさは繊維の表面が水を含まないため、濡れ感が伝わりにくいことと、乾燥が化繊と比べてゆっくりと行われるため、急激に体温を奪って行くことがないからです。

防臭性は天然繊維の中でも特にウールが持つもので、バクテリアを分解し臭いのもとを防いでくれます。化繊と違い、ロングディスタンスハイキングにおいても、ウールの防臭性の高さから臭いを気にする必要が無いのも良いところでしょう。最近では化繊のものには臭いが出ないような加工がされるのが普通になってきましたが、それでも化繊のものを長く着続けた人ならば、あの嫌な臭いはわかると思います。もし着替えがなくてもウールならば一目を気にせず電車やバスに乗ることだってできるのです。もちろん身体が臭いのはどうにもなりませんが。。。

天然の紫外線防止効果があるのも特徴の一つです。加工ではないので長期間使用する人にとっても安心できるポイントでしょう。

ウールは天然素材で断熱性が高くまるで体温のように温度を保っているため、寒冷な季節にはふんわり暖かく、温暖な季節には少しひんやりと感じるのです。素材は化学繊維と比べ摩擦に弱く耐久性は低いのが事実です。しかし、「循環可能な天然繊維」であればこそきっと使う価値が大きいのだと思います。

 

・ウールシャツの冬の使いかた

冬には化繊の長袖アンダーもしくは吸汗性のあるフリースの下に着ると、普通は乾きにくいウールですが上に着た吸汗性素材が濡れをどんどん外へと出してくれるのです。そうすることでウールがドライな状況が続き、保温性が持続します。もちろんウール同士を重ねても良いのですが、水切れの良さや速乾性ではポリエステルにかなわないので、上手くその両方の機能を役立てる一つの方法だと考えて下さい。

 


縫製国の変更について

ibexは製造過程をもっと自分達でコントロールし、より高い品質を得るため、アメリカ国内での循環生産に力を入れてきました。それを続ける努力をするのは今もこれからも変わりません。しかし、現状では難しい、そう判断しました。特に、ODシリーズやIndieシリーズの人気が出ればでるほど、素材の供給国、生地の加工国、縫製する国がばらばらなことは輸送コストその他日程面においても多くのカスタマーに対し、待つこととプライスアップを要求するようになりました。ibexとしては、それはカスタマーに対しての不義理と考えました。結果、生地の加工国と縫製国を同じVietnam(ベトナム)にするという決断をしました。これはODシリーズや他のシリーズにも同様ですが、Wooliesシリーズなどアメリカ国内生産で問題がないものに関しては今まで通り国内生産を継続しますし、循環生産可能なアイテムについても引き続き継続していく予定です。
これに対しては様々な思いや感情を持つカスタマーがいるでしょう。それは僕たちも同じことです。しかしこれで生産やプライスが安定するという事実がある以上、好意的に受け取る方が良いのでしょう。縫製については、確かに品質管理の点では近くにある方が良いのですが、縫製の技術面ではベトナムの方が同等以上となりますので、品質も向上しています。


 

*従来のウール100%のOD Crewも継続して販売しています。こちらから

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