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Brewer

SPECIFICATIONS
重量 219g / 8.5 inch(実測値)
アッパーー Hydrophobic PES Canvas with Airmesh at vamp and tongue; Foldable Heel has a slit for sand drainage; 210D nylon liner.
2 sets (different colors) water resistant laces provided.
ソール ミッドソール:Balanced Geometry™ EVA foam with drainage ports at forefoot.

アウトソール: Granite Grip™ high surface-contact, siped, and non-marking. Made with G.ss™rubber (our stickiest compound).

厚み:17mm heel, 16mm ball
カラー Navy
サイズ Men’s US 8.5 / 9.0 / 9.5 / 10.0
*Dワイズよりやや広め
*実測25.5cmのスタッフ(通常なら8.5。ネオプレンソックスなら9.0)
PRICE
¥13,000 + tax

Review

まさに能ある鷹!?
排水性と防滑性能に優れたシンプルスニーカー
Astral / Brewer

219g

パックラフトをはじめとした水のフィールドでは、ウォーターシューズと言われる靴やサンダルなどが使われています。ではどんなシューズかというといわゆる“サーフシューズ”的なウォーターシューズがほとんどです。アメリカなどの有名なカヤックメーカーもそのようなタイプを出しています。しかし、そのシューズでは「歩いてアプローチ」、「電車やバスで移動」という観念は含まれていないように見られます。

そこでパックラフターたちはトレイルランニングシューズを用いました。トレイルランニングシューズはメッシュを多用しているため排水性が高く、比較的グリップにも優れているからです。僕も最初はトレイルランニングシューズでした。ほんとうのところそれでも十分な機能は果たします。しかし、完全に水中に足を入れることが多く、川の出入りにはほぼその都度靴は完全に水没します。そうするとトレイルランニングシューズの、はき心地を良くするためのクッション材やインソールが少し保水しすぎるのです。沢登り用のシューズを使うというのも選択肢でしょう。今ではハイキングシューズのようなデザインのものも出ていますから、陸上においても十分使いやすいでしょう。しかし、もっともっと川用の機能を高め、ついでに普段でも履けちゃうようなカジュアルなデザインならなお良し!それが、Astral / Brewer です。

 

Astral というメーカーを初めて聞く人もかなり多いはず。カヌー、カヤックなどの水遊びをしていなければお目にかからずに一生過ごすことでしょう。アストラルはもともと「Lotus Designs ロータスデザイン」というPFD(パーソナルフローテーションデバイス)、日本ではライフジャケットや救命胴衣と言われているものを作っていた伝説的なメーカーでした。今あるPFDの原型を作ったと言っても過言ではないそのメーカーは「パタゴニア」買収されましたが、その後patagoniaはPFD事業から撤退しました。さらにその後、ロータスデザインの創業者が新たに立ち上げたメーカーが「ASTARL」です。今でも革新的で環境に配慮した先進的なPFDを作り続けている一方、数年前より力を入れて展開し始めたのが「シューズ」です。最初はウォーターシューズのみでしたが、今ではデイリーユースからトレイルシューズまでをカバーしています。

 

『Brewer ブリュワー』の良さは、どちらが先に来るかは好みでしょう。しかし、大きく3つ。「シンプルなデザイン」「優れた排水機能」「高い防滑性能」です。

シンプルなデザイン

Simple® というスニーカーメーカーを思い出してしまうくらいシンプルなデザインです。単純にみただけならカジュアルスニーカーそのもの。◯B◯ストアでも売っていそうです。これだけシンプルなので、普段も履いてしまいたくなるほどです。(履いてます!)

 

優れた排水機能

排水機能は驚きです。このシューズは“インソール”というものがありません。それは保水をしないようにするためですが、インソールに相当する部分はちゃんと作ってあります。滑りにくくするためのドットやアーチサポートも考えています。ミッドソールと一体化して作られており、素材のEVAは全く水を含みません。そしてそのインソールに相当する部分には外側に水が抜けるように貫通した穴があいています。当然アッパーのメッシュからも出ます。それだけでなく、かかとの部分にはスリットがあり、そこから水はもちろん入った砂なども排出してくれます。特につま先を上に向けると水が抜けにくい構造の一般的なシューズと違い、パックラフトやカヤックの内部で座っている時につま先が上を向いていても水がしっかり流れ出てます。

高い防滑性能

G®Rubberという独自のものを使用しています。その中でもブリュワーはG.ss(Super Stickey)を使用しているため、シンプルなアウトソールの見た目からは想像できないほど滑りにくいです。波上のスリットがアウトソールに刻んであることも、割とよくある加工ですが、滑りにくくする工夫です。もちろん滑らないものではありません。沢登りの世界ではいまだにラバーソールには否定的です。ビバ!フェルトソール!というわけです。僕も全部ではないですけど、以前は多く用いられていたAqua Stealth Rubber やフェルトも使いました。が、言うほど悪いものではないと思います。
フェルトは確かに滑らないのですがグリップもしません。まあ分厚い安いカーペットみたいなものですからね。ですがぬるぬるのところや赤苔とかでもなんとかいられます。その反面高巻きの際や土や落ち葉など陸上ではからっきしです。もちもよくありません。
ラバーソールは「グリップするところではすごいするし、しないところではしない」というのが僕の感想です。例えば花崗岩などのスラブではまるで吸い付いているようでした。ですがダメなところ、例えば濡れた丸太の上などでは滅法弱い。得手不得手がはっきりしているので僕にとってはわかりやすかったので好きでした。それにある程度丈夫なので、陸上もいけるし水もいける。一足でどっちがマルチなのかというと、ラバーソールだと思います。

正直ブリュワーはそのどっちでもありません。このシューズで沢登りをしたことはないので、正確な比較はできませんが「アクアステルスよりは苦手な場所が少なく、かと言って強烈なグリップをする感じもない」そんなイメージです。ですので、フェルトに近いのかもしれません。が、フェルトよりも「いいかんじ」なんですよね。使い始めて数年経ちますが、不満も不安もなく使っています。

 

メーカーサイトでは「 the ultimate outdoor sneaker」って書いてます。まるでブリュワーは完璧!と言いたいようですけど、それはありません。ダメな部分がはっきりしています。

その1は構造上の問題なのですが、アッパーにぐるりと回っている糸が結構毛羽立ってきます。特につま先の方。だからと言ってすぐどうこうなる問題でもありません。けど、気になるところでもあります。気になる人は早めに縫い糸のところにシームグリップなどを塗って補強するのが良いでしょう。

その2はかかとの排水スリットです。排水しやすい=侵入しやすい。言わずもがなですよね。すいません、お分かりだと思うのです。が説明させていただきますと、砂がダダ入りします。ガンガンのズンズンです。諸刃の剣ですね。

 

僕はやはり機能的に優れているものが好きです。ですので壊れにくくて、軽くて、滑りにくくて。当然欲しいところですよね。でもデザインの格好良さも捨てがたい。いや、捨てたくはありません。正直なところ僕は最初ブリュワーは「見た目」でした。反則ですよ、このデザインは。少しクラシカルで、でもまだまだ現役感のあるこのシンプルなスニーカー。これでそれなりに使えたら十分かと。ですが、機能も十分すぎるほど備えています。ガイドからは厳しい声もありました。マイナスの部分もあるでしょう。ですけど、僕がそれなりに乱暴に使っている範囲ではまったく問題なく、むしろダメなところを良いところがカバーしていると思います。

正直に言いますと、現行ではブリュワー2.0が出ました。これも悪くなさそう。ですけど、ラバーのグリップ性はこちらが上です。排水性もこちらが上です!2.0はも少し普通のスニーカーになりました。2.0のインソール部分は水を含むものになっています。ですのでただのアップデートというわけでなく、違うシューズとして考えられるのです。どっちに魅力を感じるかはあなた次第でしょう。