イベントリポート

「Trail Experience Minimum Tour 2021」アフターリポート

2022/01/10
松本美香
0 0
信越トレイルのトレイル整備作業。ハイカーズデポでは2013年から参加させていただき2021年で9年目となりました。コロナ禍のためイベントとしての募集告知はおこなわず、数人の有志でおこなった2021年夏のレポートをご覧ください。

2021年7月3日、4日の一泊二日。信越トレイルのお膝元であるトレイルタウン「長野県 飯山市」。この地の生活文化や食文化の体験、信越トレイルのハイキング、そしてしっかりとトレイル整備にも参加する。そんな体験を「トレイルエクススペリエンスツアー」としてハイカーズデポではこれまでも企画してきました。2021年夏のツアーでは秋に延伸する信越トレイルの天水山〜苗場山区間も一足先に少しハイキングさせていただきました。

ハイキングの舞台となるトレイル。世界各地のトレイルにはその土地ならではのトレイルカルチャーがあります。それはトレイル沿いに点在するトレイルタウンやその地域の文化のうえに育まれてきたものです。

今回は新型コロナ感染拡大が懸念される時期でした。そこで信越トレイルクラブとも話し合った結果、ホームページでの参加者募集は行わず、有志数名でまずは整備作業を継続することに重きをおいて実施させていただきました。2022年以降はまた多くの方とトレイルタウン飯山を体験し、トレイル整備もめいっぱい一緒に楽しめるようになることを願っています。難しい時期に受け入れていただいたなべくら高原森の家、信越トレイルクラブのみなさまにはこの場をかりてあらためて感謝申し上げます。

 

【2021年7月3日 DAY1】

森宮之原駅で全員集合し、ハイキングスタート地点の松ノ山口まで移動します。スタート地点の天気は曇りでしたが、この日は後半にかけて晴れ間が多くなりました。延伸区間となるセクション7(天水山~里山出合~森宮原駅)の松ノ山口~森宮野原駅をハイキングです。

メンバーは、整備経験もあるAさん、Nさん、ハイカーズデポスタッフの長谷川、わたし松本の4人です。


歩きすすめていくとブナ林がお出迎えしてくれます。紅葉の季節になるとまた違う表情をみせてくれるでしょう。

Nさんがバックパックにつけているタグにお気づきですか?
トレイル整備協力金に寄付いただいた方に渡される信越トレイルのタグです。毎年色が変わるこのタグはちょっと集めたくなってしまいますよね。楽しい気持ちで整備にちょっと協力できるこのプログラム、ご興味の方はぜひ下記URLをご参照ください。
https://www.s-trail.net/maintenance-cooperation/

歩いている最中は、それほど暑くはなかったのですが、湿度は結構高めでした。


森がひらけたところで、頭上には青空がひろがりました。翌日のトレイル整備で今日歩いたところが見えるなんてこの時は思いもしませんでした。

ハイキングの後は、なべくら高原森の家へ移動して一息。汗を流しに「いいやま湯滝温泉」へと向かいます。温泉でさっぱりしてから、いいやま湯滝温泉名物の美味しくてボリュームたっぷりな「旬の郷土料理コース」をいただきました。



夕食を楽しんだ後は、なべくら高原森の家へ戻ります。コロナ禍以前は信越トレイルクラブのみなさまから信越トレイルの歴史や現場、トレイル整備に関するさまざまなお話を聞かせていただく時間を設けていましたが、今回は残念ですがお休みです。トレイル運営に関わるみなさまの話を直接聞ける貴重な機会です。また再開したいですね。

 

【2021年7月4日 DAY2】

いよいよトレイル整備の当日です。トレイル整備は楽しいよという話をいままでいろいろと聞いていたので気持ちがワクワク高揚しています。早寝のせいもあり、6時前には目が覚めてしまいました。



雨こそ降っていませんがなんだか怪しい空模様。午前中だけでも雨が降らないでいてほしいものです。
朝ごはんは生地も手作りピタサンドと手作りパウンドケーキをいただきました。作ってくださったMさん。朝から多幸感あふれる朝食をありがとうございます。これで整備もがんばれそうです。
そんなこんなで腹ごなしの散歩や整備の準備をして過ごしていると、とうとうパラパラと雨が降ってきてしまいました。残念。

整備前には、事務局前であらためて自己紹介を交わし、本日の整備について説明をうけました。本日は逆巻・宮野原エリアを北側と東側の2班に分けて整備をおこないます。


今回は、ハイカーが歩きやすいように、トレイルがわかりやすいように、トレイルを整える作業となります。整備開始時点では、パラっと小雨。そのため湿度も高く、蒸し蒸しじめっとする感じ。いよいよはじまります。安全の為にヘルメットをかぶり、それぞれ整備に必要なノコギリや熊手、枝切り鋏やナタを持ってトレイルにはいっていきます。



まずチェーンソーチームが目立つ倒木や大きい枝などを取り除きます。その後ナタ&ノコギリチームで細かな枝を取り除き、調整していきます。しんがりは熊手チーム。トレイルに落ちている枝や草木を丁寧にはいていきます。わたしはしんがりの熊手チーム。湿って重たくなっている枝や葉をはいていくのは思いの外重労働。それでもきれいになったトレイルを見ると達成感と高揚感がこみあげてきます。雨は次第に勢いを増してきますが、雨具を着て、整備を続行です。休憩をはさみながら黙々と作業にとりかかります。なんとなくみんなメンテナンスハイになっている感じです。



斜面がおちついたところで整備終了。スタート地点に戻ってお昼休憩です。広大な田園風景がひろがり、風が抜けていきます。じわっとかいた汗をもクールダウン、なんだか爽快な気分です。

お昼ごはんはイベントテントの下で各自用意したお弁当をいただきます。信越トレイルクラブに差し入れていただいた地元銘菓の羊羹、美味しかったです!
この場所からは、昨日歩いたトレイルを眺められました。ここに来る道、ここから続く道、信越トレイルが続いていくことに思いをはせることができたお昼休憩でした。


午後は、延伸に合わせて新たに道を切り拓いたトレイルを整備します。地元有志のみなさんの協力があってこそ延伸ルートが開かれるのですね。午後には各チーム内、チーム同士の息も合ってきます。雨にも負けず楽しい整備の時間が流れていきます。





信越トレイルは豪雪地帯でもあるので、大きな倒木が毎年現れます。信越トレイルクラブでトレイル整備を取り仕切る田村さんがチェーンソーをあやつる姿はさすがの手さばき。午後の休憩は分かれ道のわりと広い場所で。ここは結東集落への山道との分岐、秋山郷周辺の歴史を感じさせる場所でもあります。


やり残しがないか確認しながら、引き返します。怪我することなく、無事に整備をすることができました。そして雨の中にもかかわらず整備って楽しい!という発見もありました。帰りにいただいたトマトジュース、みんな我先にと手に取り、一息にプシュ! 気持ちよく缶をあける音が信越トレイルに鳴り響きました。


整備からの帰り道、車中からの写真。エサをもらえると思ったのか…牛たちがたくさん集まってきました。森宮之原駅で信越トレイルクラブ事務局の方々にお礼をし解散です。

最後に

わたしは、今回がはじめてのトレイル整備。参加者のみなさんに助けてもらいっぱなしでした。わたしで役に立てることがあるのか?と最初は不安から始まりましたが、みなさんと一緒だったことで楽しく整備ができました。2022年度の開催については日程など未定となっておりますが、詳細が決まり次第ホームページにてお知らせいたします。

これからも続いていく信越トレイル。それに伴い必要な整備活動。それを続けていくには義務感や奉公みたいな気持ちではなく、整備そのものを楽しむという気持ちが一番必要なように思います。そんな気持ちでこれからもみなさんと一緒にトレイル整備に参加できたらと思っています。

 


以前の信越トレイル整備の模様は過去のHiker’s Notesよりご覧ください。

Trail Experience Tour 2020 延期について

●「Trail Experience Tour 2019」アフターリポート

信越トレイル集中整備 2016 ボランティア参加報告

●信越トレイル集中整備2015 ボランティア参加報告

●信越トレイル集中整備 2014 ボランティアの参加報告!

信越トレイルの整備ボランティア2013に参加してきました。

 

松本美香

書き手松本 美香

神奈川生まれ
山を好きになったきっかけは富士山頂で見た御来光。いまではヨーロッパアルプスでのハイキングにまで足を運ぶまでに。アウトドアメーカーでの製品企画やデザインに携わったのちハイカーズデポスタッフへ。オリジナル商品の企画や生産管理、トレイル関連業務の窓口など対外的な仕事を切り盛りする。ハイキング・トレイルランニング・スキーとアクティブに活動しつつ、初心を忘れず、もっとハイキングを楽しんでいきたいという目線はハイカーズデポに足を運ぶみなさんと同じもの。女性らしい目線からの意見は教えられることも多い。最近では商品の理解を深めるためにミシンと洋裁の勉強中。運動嫌いだったとは思えないほどアクティブな彼女は今日も地元沼津の山々を歩いています。そんな彼女が計画しているのはブレイズのデザインに魅了されたパシフィック・ノースウエスト・トレイル。

他のノートを読む スタッフ紹介へ