Trail Bum

Walker Shell Jacket

クロージング ギア
Weight

216g

ハイカーたちの経験をデザインに落とし込みました。長くトレイルに身をおくハイカーにとって必要な機能をひとつずつ吟味。できる限りシンプルに、軽く、それでいて一年を通し長旅で安心感を与えてくれるレインシェル。2023年新色のPale Leafが登場。
Weight

216g

SPECIFICATIONS

重量
216g / Mサイズ
(Sサイズ:210g、Lサイズ:221g)
素材
Pertex Shield Pro 3layer 65g/㎡

表地:15デニール*40デニール リップストップナイロン
裏地:7デニール トリコットナイロン
防水透湿膜:ポリウレタン 23μ 多孔質ラミネート
耐水圧:20,000mm
透湿性(*MVTR):10,000g /㎡/day(A-1)、17,000g /㎡/day(B-1)*Moisture vapor transmission rate
カラー
Graphite Navy(グラファイトネイビー)
Pale Leaf(ペールリーフ:ハイカーズデポ別注カラー)
サイズ
S、M、L(日本サイズ)

35,500円 (税込39,050円)

軽量・透湿・防寒
経験から導かれた汎用レインシェル
歩き続ける旅人に、原点回帰のその先を

Graphite Navy|グラファイトネイビー
Pale Leaf|ペイルリーフ

レインシェルはハイキングにおける機能ウェアの花形です。悪天候下で身を守り、できる限り快適に行動をする、そのために必要不可欠な道具です。ウルトラライトハイキングの文脈においてはそれに加え、より軽く、よりシンプルに、そしてより蒸れにくくという方向で進化してきました。しかし一方、ロングディスタンスハイキングの文脈においてはUL的進化がストレスになることもあります。
UL的進化の結晶ともいえる100gアンダーのレインジャケット、多用途に使えるULの象徴タープポンチョ、行動着と見紛うまでの高透湿高通気レインウェア。どれも素晴らしくハイカーズデポ でもそうしたレインシェルを提案しています。その一方でロングディスタンスハイキングで求められるレインウェアも再検討したいのです。言い換えれば、天候変化の幅が大きい長距離トレイルや山岳エリアの長期縦走で必要とされるレインウェアといっても良いでしょう。そこで求められるキーワードは「調節機能」と「安心感」です。

ロングディスタンスハイキングの経験から導き出された、季節を問わずに使えるレインシェル。それがTrail  Bum ウォーカーシェルジャケットです。一つ一つの細部を突き詰めた結果、できあがったプロダクトはレインウェアの原点回帰の先。ただクラシックに留まらない現在だからできるトレイルバムらしいものだといえるでしょう。

 

 

長旅に欠かしたくない調節機能

ハイカーズデポ のスタッフ間でレインウェアの話をすると、ULハイキング的思考で求めるものと、長距離ハイキング的思考で求めるものが異なることが多々あります。後者の視点で求めるものとして必ず話題にあがるのは「調節機能」です。長旅に天候変化はつきもの、その幅も大きくなります。山岳エリアでは尚更でしょう。天候変化に対応して体温を保持する、そのための「調節機能」です。
ウォーカーシェルジャケットで注目したいのは、軽量化を求めつつも省くことをしなかったさまざまな調節機能にあります。

  • 簡単に襟としてまとめられるフード
  • フードの調整はシンプルなワンプル
  • ビスロンファスナーによるスムーズなフロント開閉
  • 捲り上げて温度調整できる広めの袖口
  • 保温に効果的な長めの裾丈
  • 防風効果を高めるプルコードによる裾絞り
  • バックパックと干渉しにくい高めのポケット
  • 軽量化よりも耐久性と着心地を選択した3レイヤー
  • 透湿&通気よりも防風&防寒に比重を

これだけの機能を省くことなく備えています。その上で重量が増加しすぎないよう、できるだけ縫い目を増やさないという従来のデザインコンセプトを引き継ぎ、シンプルな構造を採用しています。メーカーから聞いた裏話ですが、ポケットも当初はシームテープだけで付けることを検討していたようです。しかし長期使用を考えた時に強度面での不安を払拭するため補強のステッチを入れたそうです。軽量化を意識しながらも潔く省くもの、こだわって省かないものを独自の視点で吟味しているのがわかります。結果、これだけの調節機能を備えながらLサイズでも「221g」と、軽量レインシェルとして欲しい基準はクリアしています。

ワンアクションでのフード調整
襟元内側のループでフードをまとめられる
余裕あるフード。帽子を被ったままでも使える
Trail Bumの他のジャケット同様、腕まくりできる広めの袖口
開閉にストレスを感じさせないビスロンジッパー
ポケットの補強

 

耐久性、防風、防寒からうまれる安心感

ウォーカーシェルジャケットの表生地は15デニール×40デニール、65g/㎡と軽量なものが採用されていますが、現代の基準からすれば超軽量、超極薄という生地ではありません。表生地の基準はズバリ「半年近い長距離ハイキングでも使い続けられる」もの。そのために多くの日本人スルーハイカーに意見を求めたそうです。この表生地のリップストップナイロンは、他メーカーでの使用実績も豊富で信頼性が高い生地です。太さの違う繊維を交差させることで軽量性と耐久性を兼ね備えています。そして凹凸ができることで表面積が増え、透湿性の向上にも影響していると言われています。なお片側の繊維に光沢を抑えた加工を施しているので、レインウェア独特の光沢感がおさえられています。

構造は3レイヤー。軽量化を目的としたり、水を含みにくいことを目的とした場合は2レイヤーが選択されますが、「半年近い長距離ハイキングでも使い続けられる」というコンセプトを考えると3レイヤーではないでしょうか。直接素肌が触れること、透湿性を促す構造、長く着続けられる耐久性、それを考えると多少重たくなっても3レイヤーでしょう。

防水透湿性能をになう膜は、ポリウレタン(PU)23μ 多孔質ラミネート。ゴアテックスやeVentなどと同じく「有孔質、いわゆる孔(あな)がありそれは水を通さない大きさで、空気は通る」という疎水多孔質タイプになります。耐水圧は20,000mm。透湿性は10,000g /㎡/day(A-1)、17,000g /㎡/day(B-1)[注1]。防水性も、透湿性もアウトドアでの実用上問題は全くありません。2010年代のレインウェアの進化は透湿性にありました。いかに蒸れないかが大きな着目点だったのです。しかしそれは体感による部分が大きく、季節、温度、湿度、そして内側に着るものでも大きく変わります。このように簡単に比較はできませんが、ウォーカーシェルジャケットは雨具として十分に心地よく快適に着られるという着用感はスタッフ間でも共通しています。

トレイルバムではより通気性の高い防水透湿素材の使用も検討していたようです。行動着としての性格を追い求めるならばそうした選択もあったのでしょう。動き続けても蒸れず、体熱をウェア外にどんどん放出するという機能です。しかしTrail Bumはこの商品を「Shell(シェル)」と名付けています。この言葉選びには「透湿、通気」以上に「防風、防寒」に強い意識があることを思わせます。調節機能の項目でも述べましたが、荒天時の体温保持により重きをおいているのがウォーカーシェルジャケットなのです。透湿、通気の高さは蒸れにくさを実感させてくれますが、同時に気化熱がどんどん奪われることも意味します。突き詰めれば突き詰めるほど、体温の保持という面では不安が大きくなるのです。今後レインウェアは「行動時に体熱を放出する行動着」と「荒天時に体温を維持する防寒着」と2つの方向に分化していくでしょう。ウォーカーシェルジャケットはそのデザインや細部の仕様からも、生地素材の選び方からも後者に軸足をおいていることがよくわかります。

[注1] A-1、B-1というのは検査法のことで、検査内容が異なるため数値が異なります。B-1のほうが数値的には大きく出やすく、Gore-Tex社など従来はB-1法で検査されることが多かった模様です。しかし近年ではA-1法のほうが実際の使用状況に近い検査だという意見もあり、メーカーごとに採用する検査方法は異なります。

 

季節を越えるオールシーズンレインシェル

超軽量を標榜するレインウェアの多くは細身のタイトフィットを採用する傾向にあります。それは使用生地を減らして軽量化を促進するためであったり、トレイルランニングや自転車などでウェアのバタつきをおさえるためだったりします。一方、ウォーカーシェルジャケットでは「クラシック」なリラックスフィットを採用しています。これは重ね着に対応できるゆとりをもたせ、ウェア内部の空気がほどよく循環することで蒸れ感を軽減させるためでもあります。原点回帰ともいえるこのフィットにより、季節を問わず幅広く着用することが可能になっています。

季節を越えて歩き続けるスルーハイカーや、季節を問わずトレイルから離れられないトレイルバムたちにとって、ストレスのない最適解なのです。

 

四季を通しさまざまな気温を体験し、高い標高から低い標高まで、湿潤から乾燥まで、幅広く対応して歩かねばならないスルーハイカーたちがゆとりある着方をしていたように、ウォーカーシェルジャケットを羽織ってみませんか。歩く旅を好む人たちにとってゆとりあるサイズ感は思う以上に価値あるものなのです。

 

サイズ

従来のTrail Bumのサイズ(日本サイズ)に準拠します。サイズ選びについてご質問がある場合はスタッフまでご相談ください。

 


このジャケットは、ULハイキング向けレインシェルではなく、ロングハイキング向けレインシェルと言えるでしょう。素材選びにも、機能の選択も、デザインにも、ハイカーが一年中使えるものを、スルーハイカーが長旅の中でストレスなく使えるものを、そんな思いが一貫している愚直なレインウェアだと思います。
キャッチーでもなくニッチでもない、一見特徴のあるようで無いようなプロダクトに思えますが、一つ一つを突き詰めた結果、できあがったプロダクトはレインウェアの原点回帰の先。ただクラシックに留まらない現在だからできるトレイルバムらしいものになりました。

「いつでも、どこでも、だれでも、安心して使える原点回帰の先のレインウェア」

Comment

土屋 智哉

土屋 智哉

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100g台のレインシェルも好きですが、国内外のオフトレイルを歩くときや長期間のハイキングなどではレインシェルに「安心感」を求めてしまいます。そんな時に迷わずに選べるレインシェル。
長谷川晋

長谷川晋

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軽さ重視100g台のシェルを長らく使ってきました。最低限はもちろん良いけれど、シェルは最後のプロテクション。ロングハイキングにおいて、さまざまな気候、環境、季節に対応したい。軽い方の選択肢はたくさんある昨今、ちゃんと機能が付いて、3レイヤーでこの軽さはベターです。
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