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山と溪谷社

グランマ・ゲイトウッドのロングトレイル
NEW

書籍
Weight

383g

1955年、女性ではじめてアパラチアン・トレイルをスルーハイクしたエマ・ゲイトウッド。ロングハイク、ウルトラライトハイクを語る時に避けては通れないレジェンドの伝記。2014年のNational Outdoor Book Awardを受賞したノンフィクションの日本語訳。 【11月17日発売】
Weight

383g

SPECIFICATIONS

重量
383g
判型
四六版 368ページ
著者
ベン・モンゴメリ
訳者
浜本マヤ
発行元
山と溪谷社
発行日
2021年12月5日
2,400円 (税込2,640円)

女性初のアパラチアン・トレイル スルーハイカー
エマ・ゲイトウッドの後半生を描くノンフィクション
ロングハイカー&ウルトラライトハイカー必読の書

女性初のスルーハイカーは67歳

アメリカ三大トレイルのひとつアパラチアン・トレイル(AT)は2,000マイル(3,500km)にわたりアメリカ東海岸にひかれた長距離トレイル。標高は低く、森が多く、細かなピークが連なり、アップダウンがひたすら続く、想像以上にタフなトレイルです。このアパラチアン・トレイルを女性ではじめてスルーハイク(ワンシーズンでの全線踏破)したのが本書の主人公、エマおばあちゃんことエマ・ゲイトウット。1955年のスルーハイク当時、彼女は67歳でした。

ウルトラライトの伝説

エマが使った道具は伝説のように語り継がれています。リュックの代わりに布袋、登山靴の代わりにケッズのスニーカー、テントの代わりにシャワーカーテン、寝袋の代わりに毛布。身の回りにあるものを活用し、シンプルな道具だけで2,000マイルを歩き通しました。彼女のスタイルは現在のウルトラライトハイキングの原型ともいえ、2000年代のULハイカーの多くが彼女の装備を引用し、Six Moon Designsは彼女へのリスペクトを込めたシェルター(Gatewood Cape)を製作しました。彼女に比べれば、現代のわたしたちULハイカーはいかに贅沢な道具を使っていることでしょう。シンプルな道具いうこと、道具を活用するということ、彼女が現代のわたしたちに教えてくれることは決して少なくありません。

そして道具以上に印象深いのは彼女のハイキングスタイルそのもの。彼女は本当に自由にハイキングをしています。道具にとらわれることなく自由な発想でその局面局面を乗り越えていく。本書を読んだハイカーズデポ店長の二宮(2012PCTスルーハイカー)は「自分がなんて型にはまったハイキングをしていたのか痛感した。」と語ります。二宮といえばハイキング(PCT:2012年)とバイクパッキング(GDMBR:2017年)の2回の北米縦断の旅を経験、PCTでは全行程で5回ほどしかタープを張らず、あとは野宿(カウボーイキャンプ)と自由にハイキングを楽しんだイメージが強いハイカーです。そんな彼をして「本当に自由なハイキングってエマみたいなスタイルなんじゃないか」と言わせるエマ・ゲイトウッドのハイキング。ロングハイキングに興味があるハイカー、ウルトラライトハイキングを志向するハイカー、そうしたハイカー必読と当店で謳うのは道具にしばられない彼女の自由な精神を知ってほしいからに他なりません。

 

アパラチアン・トレイルのその後

本書は1955年、エマ・ゲイトウッド67歳でおこなったアパラチアン・トレイルスルーハイクを中心に展開します。2,000マイルのハイキングと彼女の人生とが絡み合うように語られる。それはロングハイキングの最中、ハイカーが自分のいままでを振り返り、内省を深める行為と似ているようでもあります。今から65年前のハイカーとシンクロするかのようにわたしたちは次から次へとページをめくります。時にはその手をとめてじっくり考え込むことも、何度も読み返すことも、ページをめくる手がとまらずにどんどん進んでしまうことも、それはまるでトレイルを歩くかのようです。

彼女のアパラチアン・トレイルの旅はメイン州のマウントカタディン山頂でゴールを迎えます。しかし彼女の人生のゴールはここではありません。わたしたちハイカーが歩き終えた後にも人生が待っているのと同じです。本書では彼女の後日談も語られます。2度目のアパラチアン・トレイルスルーハイク、オレゴン・トレイルetc.  67歳からはじめたハイキングはその後も彼女の支えとなり、エネルギッシュに歩き、多くの人に慕われ、愛される。このアフターハイキングが描かれていることでエマの壮挙は向こう側のできことではなく、現代のわたしたちと同じこちら側の話として感じることができるのです。

彼女は人生の第4コーナーともいえる時期からまさに自分がしたいように、やりたいように自由に歩き続けました。その姿をひとりでも多くのハイカーに知って欲しい。新しくハイキングに興味をもってはじめた方にこそ読んで欲しいです。

“Because, I wanted to.(そうしたかったから)”