
参考商品:SL-Basic(メーカー廃番・在庫無し)
Weight
206g
後発ながら他社OEMで培った技術力と実験的ともいえるアイディアに注目があつまるPACIFIC OUTDOOR EQUIPMENT社。
<冬用軽量マットTorso-Lite、夏用軽量マットUber-Liteなど代表作>
同社の最もシンプルでコストパフォーマンスに優れるマットがこのSLベーシック。ポリエチレン(PE)フォームを主材料とするクローズドセルマット はかさばる反面、その軽さとパンクなどのトラブルの心配と無縁なことから多くのクライマー、ハイカーに支持されています。また海外メーカーでは各社様々な 工夫をこらしている点も見所のひとつです。
Therm-A-Rest リッジレスト)表面に空気層を設けるための溝を配置、断熱性を向上
Therm-A-Rest Zライト)折りたたみ構造にすることで、クローズドセルの中では優れた収納性
PACIFIC OUTDOOR SLライト&マウンテン)PE&EVAのサンドイッチ構造で断熱性向上
PO社は他にもPEフォームに酢酸エチルビニールを挟み込むことで驚異的な断熱性を誇るクローズドセルマットを発表するなど異素材の組み合わせを得意としていますが、このSLベーシックはその名の通り、PEフォーム単体で構成された非常にシンプルなクローズドセルマットといえます。表面の加工も、異素材の組み合わせもありませんが、そのシンプルさ故、実測206gと180cmのフルレングスマットとしては驚くべき軽さを実現しています。
断面からもわかるように気泡の大きさが軽さの大きな要因といえそうです。厚さ1cmという点からもリッジレストなどに比較すればマットはやや早めに へたることが危惧されます。Therm-A-Restのような断熱性の目安となるR値は公表されていませんが、このクラスのマットを使用した感覚からはZ ライトとほぼ同等だと思われます。残雪期や10月下旬以降のシーズンでの使用はやや厳しいと思われます。
しかし無雪期(特に7~9月)使用とわりきり、軽さを最大のメリットと考えれば90~110cmのサイズにカットすることで95~135g相当という超軽量マットを実現できるのは非常に大きな魅力といえます。
スリーピングパッドで100gクラスの軽量化が簡単に実現するということからも、何で軽くしようかと頭を悩ますハイカーにとって一考の価値あるマットといえそうです。