
Twin Sisters
Weight
917g
ワンポールシェルターの流行により、ここ数年でフロアレスシェルターへの注目が一気に高まっています。床が無いことへの抵抗感も薄れつつあります が、やはり雨対策や防寒対策が気がかりなのも事実です。はじめてのフロアレスシェルターとして、こうした不安点への対策がなされているツインシスターズを バランス良いシェルターとしてお勧めします。
①床面積に対する重量が軽い
②全面に付属するスカートで寒気の入り込み、雨の吹き込みをシャットアウト
③トレッキングポール2本をそのままポールとして使用可能
④ガイライン(張綱)の調整がいらず、設営が簡単
⑤2011年モデルより、出入口が前後となり、換気能力含め使い勝手が向上
ツインシスターズの4.1㎡という床面積とほぼ同じモデルとして軽量テントの雄、ARAI エアライズ3(4.07㎡、2070g)と比較するとその軽さがわかります。もちろんシングルウォール、フロアレスという差があるにせよ、1/3に近い重 量軽減は魅力です。スカート付属はメリット、デメリットが出る部分です。わたしが同様の構造を持つORライトヘブンを愛用していたのですが、確かに暖か く、雨の吹き込みも心配なく使えるのですが、やはりその分換気性能が犠牲になります。いくらメーカーが大きなベンチレーション付属といっても、それだけで 結露をおさえることはできません。しかしシェルターが結露するのを完全に解消することは現時点では非常に難しいことです。原理上、結露は避けられないと考 えておくべきものなのです。「いかに結露を少なくするか」「いかに結露と上手につきあうか」
こうした考え方にするべきです。防寒能力、雨対策に重点をおくならば、内側の結露については気づいたときに拭き取る、スリーピングバッグカバーを併用する等で対応するのがベストです。そんなツインシスターズですが、2011年にモデルチェンジがおこなわれました。専用ポールが付属したことと、出入口が前後2箇所になったことです。実測値も当初ワークブックで公表されていた値よりも軽い重量となりましたので、ほぼ出入口のジッパー分の増量のみと考えていただければ良いでしょう。
シェルターのポールに何を使うかは意外と重要です。人気のワンポールタイプは高さを確保するために専用ポールを使用するか、トレッキングポールを接 続するしかありません。専用ポール分重量は増しますし、接続のためのパーツでいいものがなかなかありません。そこでこうしたダブルポールタイプは設営方法 を考えた時にメリットが大きいのです。今までは専用ポールが無かったため、トレッキングポール、スキーポールなどしか選択肢がありませんでしたが、今回の 専用ポール付属で選択肢が大きく広がりました。
専用ポールは長さ126cm、161g、直径φ13mm、3分割ショックコード方式のアルミポール。これが2本付属します。写真で比較しているのがBlack Diamond ウルトラディスタンス110cmとなります。
シェルターのスペックでは高さ110cmとなっていますが、実際には125cm程度のポール長がないと、シェルター本体にキレイにテンションがかかりません。本体を弛ませず、きっちり張るのであれば、最低でも120cm、できれば125cmが必要だと考えるべきでしょう。
『防寒性能と換気能力のバランスを意識したフロアレスシェルター』
換気能力が向上したといっても、スカートの存在からも結露をゼロにすることはできません。結露対策を考えなければならないことに変わりはありません が、空気が澄んで気持ちよい秋や初冬、春先など朝晩の気温が低いシーズンは、まず寒さ対策をこそ考えたい。そうした点からも確実に候補にあがるシェルター です。特にカップルでのハイキングならば女性のためにもこれを選んでみてはどうでしょうか。