
参考商品:Element 2(取り扱い中止・在庫無し)
Weight
502g
ライトウェイトハイキングでは定番となりつつあるフロアレステントは一般的な床付きテントよりもダイレクトに自然を感じることができ、タープよりも 環境対応幅が広いことから、荷物を小型化、軽量化したいハイカーへ認知されつつあります。INTEGRAL DESIGNSの"Element 2" は対人数の重量がツェルトよりも軽く、広いスペースを特長としています。
フロアレステントは、床面がないことによる軽さと自由度の高さが特長で す。もちろん最初は床がないことに対する抵抗感は強いと思います。しかし一枚シートを敷いてしまえばフロアを作ることができます。そしてテントの前室に相 当する「土間」も作れるのです。この土間を作れるという点はフロアレステントの自由さを象徴していると言えます。汚れ物や濡れ物を気軽に置けますし、屋根 のあるところでレインウェアや靴の着脱ができます。そしてタープと似た感覚で自然をダイレクトに感じることもできるのです。山の中で密閉された安心感のあ る空間で過ごすことの大切さも理解した上で、開放感のあるフロアレステントで自然を感じ、夜空を眺めながら過ごすことも素晴らしい体験になることでしょ う。だからこそ一度でもフロアレスの良さを知ったハイカーにとっては手放すことのできない、中毒性の高い幕営道具になるのでしょう。
エレメント2の最大の特長は、一人当たりの軽量さと実効面積の広さにあります。他の2人用フロアレステントと比べてみましょう。
Integral Designs / Element 2
本体重量502g 長さ380cm 幅140cm 高さ110cm 面積4.2m2 30Dシルナイロン
Golite / Shangri-La 2
本体重量640g 長さ287cm 幅145cm 高さ122cm 面積4.2m2 15Dシルナイロン PUコート
MSR / Twin Sisters
本体重量926g 長さ290cm 幅152cm 高さ117cm 面積4.1m2 30Dシルナイロン PUコート
上記3モデルの中で500g台なのは唯一エレメント2だけです。さらにその重量を一人当たりで考えると約251g。これは一人用のツェルトやタープと同等 の軽さと言えます。また各メーカーの公称面積はほぼ同じですが、着目してほしいのは長さです。約4メートルと今までに無い長さがあります。この長さがある のでポール間の長さが210センチから220センチあります。他の2モデルはポール間が短いため、2人で使うときは もちろん一人で使うとき でもポールを挟んでどちらかに寄らなければなりませんでした。しかし、エレメント2の210センチ強のポール間隔があれば、十分その間に寝ることができる のです。また2人で使用するときもポールを倒してしまう心配や左右の間にいつもポールがあるという違和感を感じずにテント内で過ごすことができるでしょ う。
<二枚分のマットがゆったりと敷ける>
<身長175cmのスタッフがゆったりとくつろげる長さ>
しかしそうはいっても気がかりなフロアレステントの不安点は、�床が無いことによる浸水の可能性、結露対策として設定された地面との隙間から吹き込む風雨といったものでしょう。これについては以下のような対応方法をご提案しています。
浸水については床付きのテントでも起きる可能性はあります。テントに使われているフロア素材やグラウンドシートはナイロンなどの生地にポリウレタンえおコーティングしたものです。これらの素材は完全防水では無いため、耐水圧を越えた場合には浸水が起きるのです。それに対してフロアレステントでは地面に敷くシートを選択できます。使用するハイカーの志向やニーズにあった素材を選択することで欲しい機能が手に入れられます。
例えば、
防水性と耐久性を重視したい人はオールウェザーブランケットやブルーシートなど。
防水性は必要最低限でかまわないが耐久性と軽さが欲しい人はタイベックシートなど
耐久性はさておき軽さと防水性を重視する人はSOLエマージェンシーブランケットなど。
という洗濯は現在も多くのUL指向のハイカーが実践している方法論です。
つぎに風雨の吹き込みを防ぐ方法ですが、シェルター下部にスカートと呼ばれる張り出しを付けることが一般的です。スカートを付けることで密閉度は向 上、保温性も上がります。しかしその反面、結露は起こりやすくなり、シェルター自体が濡れてしまうというデメリットもあります。エレメント2の場合、ス カートは付いていませんが、設営時にトレッキングポールの高さを調整することで様々な状況に対応することが可能です。
エレメント2はトレッキングポールを2本使って設営します。その際メーカーが設定している高さは110センチ。この時地面から約5センチほどの隙間 ができます。このくらいの隙間があると、通気が促され内部結露の発生軽減に役立ちます。もし、風雨の吹き込みに対応したい場合は、高さを5センチ下げて、 ポールの長さを105センチにしてみると、地面からの隙間は約2センチになり、雨の跳ね返りをかなり防ぐことができます。風の侵入を極力抑えたければ、 ポールの長さを100センチにすることで、結露の発生はしやすくなりますが、シェルターをほぼ地面に接地させることが可能になります。
<高さ105センチの場合、地面から約2センチに開きができる>
また前後2カ所に出入口が存在することで、換気にも十分に対応してくれます。前後を解放した場合にもシェルターの全体長が長いことから内部空間はしっかりと確保できるのも嬉しいポイントでしょう。
<広々とした空間と前後2ヶ所の出入り口>
エレメント2は従来の2人用フロアレスシェルターに無い『新しいサイズ』を提供してくれています。ソロハイカーにはゆとりあるシェルターとして、2人使用にはミニマルなシェルターとして様々なニーズに応えてくれそうです。ウルトラライトなタープやビビィなどを発表してきた INTEGRAL DESIGNS ならではのシンプルさと軽さは、はじめてフロアレスシェルターに挑戦するハイカーにはもちろん、フロアレスシェルターの軽量化を検討しているハイカーにとっても注目すべきシェルターといえそうです。
<頂点部にポールの石突きをはめるためのグロメットがある>
<対角線状にある通気口>
<付属品のペグは1本12g x6>
<片側を跳ね上げて使うことも可能>
<内側に立てることで、テントとしても使用可能になる Bug Tent(別売)>
Element 2 Bug Tent ¥21,800 重量 725g
バグテントにはフロアも付いており、Element 2 本体と合わせると、1,227gのゆとりある軽量なテントとして使用できます。