
OHM 2.0
Weight
870g
見事な荷重分散
バランスよく背負える構造
軽量フレームパックの代表格
Ohm 2.0


スタンダードで丈夫さと軽量さを兼ね備えた素材を採用。軽量バックパックの最低限の装備はRay-Way Backpackに習いメッシュフロントポケットを装備。大きめなサイドポケットは強度を考えて本体と同じ生地にしています。ULA(Ultralight Adventure Equipment)のバックパックが持つこうした特徴は多くのULハイカーに歓迎をもって受け入れられています。アメリカのガレージバックパックメーカー としてはGossamer Gearに続く老舗であり、特に西海岸にあるPCT(Pacific Crest Trail)スルーハイカーの使用率が非常に高いことでも知られているバックパックメーカーです。
こうした高い評価は製品そのものクオリティの高さにあります。ULAの特徴をあげるとすれば
- 丁寧な縫製
- 高強度素材の採用
- ボトムラインを鋭角に立ち上げ、荷重バランスを良くする
- パック厚を薄めにし、背面へのフィット感をあげる
- シンプルながらも腰荷重を意識した構造
この中で最大の特徴が最後に述べた「腰荷重を意識したULバックパック」という点です。フレームを持たなかったりパッドのみの背面ということが多いULバックパックは構造上、腰荷重に不向きです。そのためRay-Wayスタイルを典型例として、ULバックパックは背中上部(肩甲骨)荷重で背負うスタイルがほとんどです。現在でもTrail Bum/SteadyやHMG/Windrider などにはこの傾向が見て取れます。しかしULAは背面長を長めにとることで腰荷重がしやすくなっています。さらにアルミステーとの組み合わせにしてしまうと重くなる荷重分散の仕組みですが、カーボンフレームを採用した逆U字サスペンション構造は、軽さを犠牲にすること無くシンプルかつ確実に荷重分散をしてくれています。


たっぷり余裕のサイドポケット




このバックパックの最大の特徴は、バックパック背面の外側に沿ってインサートされている「逆U字型サイドフレーム」です。フレーム下部は左右のウェストハーネスと連携しています。ウェストハーネスのスタビライザーなどをしっか りと引くことでバックパック下部が腰に近づきます。これによって「腰の動き」+「ウェストハーネス」+「フレーム」が連動し、サスペンションの役割を果たし、いわゆる『腰荷重』『荷重分散』を実現します。
言葉で細かく説明すると、重量によって垂直方向にかかる力は肩と腰に荷重しますがウェストハーネスで重さを支えます。そして、しなやかなU字フレームは上部スタビライザーと下部スタビライザーに引っ張られます。その時に逆U字フレームは元に戻ろうと反発します。この時に荷重分散の力が働きます。
逆U字フレーム以外にも背骨または背中の筋肉に沿わせて支えるタイプもフレームシステムとしては多く見られますが、どちらにしても上下で起こる反発力が重要なのです。例えばX型などのフレームにはこういった反発は起きませんので同じような荷重分散は行えません。
Ohm2.0の逆U字フレームのような構造はOspreyを代表としてメジャー メーカーの多くが採用していますが、パック自重が1000g以下のバックパックでここまで見事に実現させてる例は珍しいでしょう。これもULAアイテムの基本デザインを作った創設者がバックパック製作の基本を習得するのに働いていたので、あの背負心地抜群、見事なまでの荷重分散をさせてくれるバックパックメーカー「Mystery Ranch」のオーナーでもあり、現バックパックシステムの基本を作ったとも言われる伝説の「Dana Designs」を経営していたDana Gleasonの元だったからなのかもしれませんね。アメリカンバックパックの歴史に偉大な足跡を残したDana Gleason。バックパック製作やフィッテング における彼の遺伝子はULバックパックにもこんなカタチで継承されているのです。
その他各種オプション


「軽さ」から得られる自由を重視するという点では共通するULバックパック。近年ではアメリカンガレージを中心にアルミステーを搭載するガレージメーカーが増えています。その代表格であるGossamer GearのアプローチとULAのアプローチとは異なります。どちら共に興味深く、奥深いバックパックへのこだわりがあるのです。