
参考商品:Jam 50 ~'14 model(メーカー廃番・在庫なし)
Weight
849g
継続は力なり。長く続いているからこその品質。
Jamシリーズの中心モデル。
10年近くに渡りアップデートを繰り返してきたJAM はGOLITE のスタンダードであるだけでなく、ウルトラライトバックパックのスタンダードです。多くのガレージメーカーから出ているバックパックよりも重量面で劣る 為、ULハイカーの間で「GOLITEは重い」というような評価もありますが、ULハイキングのスタイルが拡大浸透する中で、GOLITE の役割が変わってきたのではないでしょうか。個人的にはかつての先鋭的なバックパックも懐かしく思いますが、いまやそうした役割は様々なガレージメーカー が担っています。GOLITE はそれら典型的なULバックパックと他メジャーメーカーのバックパックとの間をつないでいるのです。
○オーバーナイトに適した50L容量
左から Aspen、Blue Aster、Mint Green
○大きく上に伸びる吹き流しで増量に対応(写真は旧カラー)
「ライトウェイト」で「シンプル」なバックパック。その利点に気づき始めたハイカーが最初に手にとるバックパックとして、ULの歴史が息づいているJAMシリーズはおすすめのバックパックです。
より幅広い用途、幅広いハイカー達に向けて意図的に「縫製」と「使い勝手」の向上をおこなって来ています。軽さと強度のバランスが良く、初めての軽量バックパックとしても、また薮漕ぎのある沢登り、長距離ハイキングからのんびりハイキングまで多用途に使うことができます。
広い用途で使える丈夫さを持ちながら軽量にする為に採用しているのがDyneemaグリッドストップの210DN ナイロンで す。210デニールナイロン生地に最も引張り強度の高い繊維の一つであるダイニーマを使用しています。白く柄の様に通っている線がダイニーマで、これは生 地の模様ではなく、色に染まりにくい性質をもつダイニーマは、生地の染色の際でも白く残ってしまうのです。今やガレージメーカーにも使われ、軽量バック パックの定番素材となっていますが、その歴史もこのバックパックから始まっているといえます。
○センター部分にメッシュ素材、スタビライザー追加(写真は旧カラー)
軽量系のバックパックでは重要視されない背面部分。慣れてしまえば抵抗が無く使えるものの、汗をかきやすい人や暑い季節にはやはり気になるのが背面 のメッシュです。JAM はULバックパックには珍しく背面にメッシュパッドを採用しています。汗を吸って重くなることを嫌うハイカーもいますが、お尻まで汗で濡れてしまう、なん ていう汗かきハイカーには汗を吸ってくれるメッシュパッドはむしろ大切なポイントかも知れません。もちろん何も無いよりは背負い心地の向上にも貢献してい ます。ULバックパックを敬遠するハイカーの中には背面を理由にあげることも多いです。このメッシュパッドにより不快感が軽減し、多くのハイカーが手に取 りやすく作られていることはULハイキングムーブメントにおいても重要なことだと思います。吹き流しまで荷物が増えた場合にでもバランスよく背負えるよう にするため、スタビライザーストラップが追加されました。
○腰へのフィット感を高めた構造(写真は旧カラー)
フレームが無い、もしくは剛性感の弱いウルトラライトバックパックは原理的に重量の腰荷重にむきません。JAM の背面長も基本的には背中上部での荷重を前提に設計されているようです。しかし、JAMのウエストベルトはフィット感が高く、腰骨の上部に乗るような形に なるので、腰での加重分散は可能です。今までほどでは無くても腰での加重サポートをしたいというハイカー、また筋力が弱いハイカーにとっては重要な選択肢だと思います。なおウエストポケットは目の細かいストレッチ素材を採用しており引っかかりにくくなっています。
○穴空きパッドで通気性高く(写真は旧カラー)
ショルダーストラップの上部がやや広くなり肩の角度に対応しやすく変更されました。中のフォームも変更され、より柔らかくなりました。穴の空いた パッドを採用し通気性の向上、また水分を保持しにくくなっています。幅が広いことから荷重もうまく分散され、誰もがわかりやすいフィット感になっていると 感じます。
○フロントポケットはカーブが深くなり、より大きく開くように(写真は旧カラー)
見た目は良い止水ジッパーですが動きが硬く、完全に閉まりにくいため、バックパックに使うと浸水の可能性も高くなります。フラップを採用しているた め雨からの浸水には効果的です。今までよりカーブを深くしたジッパーによりフロントポケットが大きく開くようになりました。マチも十分で想像以上に大きい フロントポケットには直ぐに取り出したいギア、レインウェアやトイレセット、ファーストエイドキット等を入れると良いでしょう。
○サイドストラップはバックルも軽量化、フロントで合わせても使える(写真は旧カラー)
サイドのコンプレッションストラップも、バックルを肉抜きし、軽量化をしています。また、フロント部分でバックルを合わせて使えば、フロント側に縦にマットを付けたり、大きいギアを付けることができます。
○開けやすくなった開口部。オレンジのタブを引くだけでオープン(写真は旧カラー)
単純な構造ですが、グローブをしていると扱いにくいのがコードロック。JAM の場合はオレンジのタブをつまんで引っ張るだけで開けることができます。小さな変更ですが、大きな使用感の向上です。
○ボトムに付いているフックとループでボトム自体をコンプレッション(写真は旧カラー)
GOLITEのバックパックの特徴として、パック容量より少ない荷物でも使用しやすい機構があります。サイドコンプレッションだけでなく、バック パック下部についているフックを留めることでボトムの厚みも無くし、少ない荷物でもバランスよくパッキングできるというものです。
○シンプルなロールクロージャー(写真は旧カラー)
○大きさの比較。左から35、50、70。機能の特長は共通です。(写真は旧カラー)
○横から見るとより解りやすいのが奥行きの違い。(写真は旧カラー)
大は小を兼ねる、といったことわざもありますが、バックパックにはそれは当てはまりにくいです。日帰りがメインで時に小屋泊り、もしくはULスタイ ルでの 1~2泊のハイキングに使うならJAM 35。泊まりのハイキングが基本で一年中オールラウンドに使うならJAM 50。カメラ機材等を入れたり、冬季の大荷物に対応させるならJAM 70。
軽いバックパックを選ぶ際、Granite Gear ほどの剛性感は求めず、他ガレージメーカー製品では強度面が不安と感じる場合、JAM は最適なバックパックのひとつであると思います。「ウルトラライト」といわれるバックパックやそれを使用したハイキングスタイルに興味を持つハイカーが最 初に検討するバックパックとして、JAMの「軽さ」「強度」「使い勝手」のバランスは魅力的であります。
Unisex Size) SサイズとMサイズがあります。
左)Aspen、中央)Blue Aster、右)Mint Green