
参考商品:eVent® Spektr Smock(メーカー廃番・在庫無し)
Weight
215g
○細部までこだわった独創的なデザイン
Moroccan Blue
近年、各メーカーとも防水透湿シェルの「ライトウェイト志向」が加速度的に強まっています。ライトウェイトなシェルといえば、いままでは300gと いうのがひとつの目安でした。更に軽い200g前後のモデルはHAGLOFS OZプルオーバーなどごく一部に限られていましたが、2011年からはThe North Face トライアンププルオーバー、mont-bellトレントフライヤー、Goliteマルパイストリニティーなどが加わり、200g前後のウルトラライトレイ ンシェルのカテゴリーが白熱しています。
こうした防水透湿シェルの軽量化を押し進めている要因として
a)GORE-TEXパックライトシェルをはじめとする2レイヤー、2.5レイヤー構造の採用
b)PERTEX SHIELDやEntrantなどポリウレタン樹脂ベースの防水透湿素材の採用
c)プルオーバーデザインの採用
d)繊維の極細化による表地の極薄化
こうした点があげられます。特にa)、b)にみられる素材の選択は顕著です。しかしそれは2レイヤーもしくは2.5レイヤー(裏地が無い)モデルに限られていました。水気を含まず、直ぐ拭き取れるという利点はあるもののどうしても汗でまとわりつく感覚が苦手だというハイカーも少なくありません。c)大 きく重さに影響するのがジャケットに欠かせないフロントジッパー。さらにこれがあることでバックパックのウェストベルトとの干渉なども起こしやすいです。 シンプルなプルオーバーだからこそ軽量化や故障、ごろつき感を軽減することにも繋がります。d)たださえ裏地が無く、生地の強度が落ちる2レイヤーの表地 を薄くすることで、軽さは得られていますが、その強度は落ちているのが現状です。
その斬新なデザインに眼を奪われがちなMONTANE スペクトルスモックですが、その評価すべきは200g前後という軽さにも関わらず3レイヤー(裏地あり)構造を採用している点にあるといえます。
1. 透湿性の高さに定評ある素材eVent
2. 発汗によるまとわりつきが少ない3レイヤー構造
3. フィット感が高く動きやすいプルオーバー
この3つに注目してみるとよいでしょう。決して独創的なデザインだけではないのです。
それ以外にも様々な工夫がなされています。
コードによる調整なども排除した小さくフィットするフード
フロントのアクセントになっているフック
"Tornade' roll closure system
ゲンコツ2つ分の収納サイズ
袖口&裾もドローコード&ベルクロ省略
ジッパーではなくベルクロテープの採用
ジッパーをはじめ、調整のためのベルクロやドローコードを一切排除している構造には賛否が当然あるものと思いますが、森林限界内のハイキングでレイ ンケープやレインポンチョなどを使用しているハイカーにとってはさほど抵抗はないでしょう。そうした点からもまさにウルトラライト的なレインギアと言える かもしれません。
“Revolutionary, The World Lightest Super Minimalist Shell”
(イギリス本国のカタログでの紹介コピー)
<参考:サイズ感>
UKサイズはUSサイズよりもやや小さくサイジングされているものが多いように感じます。MONTANEもその例に漏れまませんが、スペクトルス モック(Athlete Fit /アスリートフィット)は確実にUSサイズよりはハーフサイズ小さく感じるでしょう。アスリートフィットは最低限の衣服、例えばアンダーシャツのみの上に 着ることを想定しています。いつもUS Sサイズを着用しているハイカーはMサイズ、US Mサイズの場合はLサイズを選択してみることをオススメします。USと同じサイズも着用できるでしょうが、腰回りがタイトで着ている時に感じるのはもちろ ん、脱ぎ着もしにくくなります。
<参考:腰回りのゆとりをつくるには 自己責任 >
スペクトルジャケットの腰にはゴムが縫い込まれています。自転車やトレイルランニングなどのエンデュランススポーツをされる方にはこのフィット感が 良いと思いますが、ハイカーは拘束感が強いと感じる向きもあるでしょう。その場合、このゴムはシェルの素材を傷つけることなく簡単に取り外すことができま す。もちろんメーカーは推奨しませんし、あくまで自己責任になりますが、これをおこなうとサイズ感はだいぶ変化します。
Tangerine
Moroccan Blue
*画像クリックで拡大
*サイズ展開
S、M、L(カラーにより異なります)