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Vasque

Grand Traverse

フットウェア
Weight

746g

デイハイクからロングハイク。 整地されたトレイルから岩場やアップダウンの多いテクニカルなトレイル。様々な状況に対して高いパフォーマンスを発揮するハイキングシューズ。
Weight

746g

SPECIFICATIONS

重量
746 g / 8.5 inch, 1 pair(実測値)
アッパー
1.8mm Suede Leather
PU armored textile mesh
ソール
Vibram® Ibex sole
Dual rubber compounds

・Idrogrip for wet rock traction ・Megagrip for excellent balance of sticky and durable
カラー、サイズ
Men's
Magnet / Pesto
US inch 8 / 8.5 / 9 / 9.5 / 10
26〜28cm(0.5cm刻み)

Women's
Aluminum / Hot coral
US inch 6 / 6.5 / 7 / 7.5 / 8
23〜25cm(0.5cm刻み)
17,800円 (税込19,580円)
Hiker’s Letter

“Grand Traverse 雄大な横断旅行”

Grand Traverse(グランドトラバース)は、Vasque(バスク)のPerformance Hikingカテゴリーのシューズです。Performance とは“行うこと”を示す言葉ですが、“高性能”を意味する言葉でもあります。シューズが高性能なのはもちろん、困難な条件や一般のトレイルよりもテクニカルさを要求される使用を考えてデザインされています。

 

緩やかなトレイルを歩き、岩稜帯に入り、細かいスタンスを拾いながらリッジラインを上り詰め、稜線を越えた先にあるトレイルを再び歩く。

 

しなやかなミッドソールは整備されたトレイルでも歩きやすく、つま先から内側、かかとにかけてフラットなアウトソールは細かいスタンスでのグリップ力に優れています。濡れた面への弱さはラバーコンパウンドを二種類使いソールに溝を入れることで克服。中央部から外側に向かうユニークなパターンは摩擦、安定、制動を生み出し、多様な地面に適応します。凹凸の突き上げには中央部入れたにTPUミッドフットスタビライザーで足裏を保護。全体にロウプロファイルなミッドソールは足の感覚を邪魔せずしっかりと地面を掴むことができます。 岩場や荒れたトレイルで傷みやすいアッパーのトゥボックス(足先周り)にはスエードレザーを使用し、ラバーランドで補強。それにPU補強したメッシュ生地を組み合わせることで、丈夫さと快適性を両立しました。

“No Limits”とバスクは言っています。デイハイキングからロングハイキング。整地されたトレイルから岩場やアップダウンの多いテクニカルなトレイル。様々な状況に対してのパフォーマンスを発揮するハイキングシューズです。

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About VASQUE

バスクは1964年からアウトドアシューズを作っているアメリカの老舗シューズメーカーです。元はワークブーツメーカーRed Wingですので、シューズ作りのノウハウは他メーカーに劣るものではありません。

日本での認知度以上にアメリカ本国では高い評価を得ており、Sundowner や2016 Backpackers Gold Editor's Choice を取った Skywalk などトラディショナルブーツの名品だけでなく、次々に新たな定番を作る力を持っています。特にバックパッキング、ハイキングの分野での評価が高く、パフォーマンスハイキングは新たな価値を作り出す分野として注目されています。

 

グランドトラバースの仕様

・ラスト(足型)

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ラスト全体はゆるいカーブラストを採用しています。例えばランニングシューズでは競技志向になるほどカーブがきついカーブラストになります。その方が足の動きに近いカーブなので動きを促したり、指先に力が入りやすくなります。しかし、何もしていないときのように足がストレートになりにくいのでリラックスはしにくくなります。グランドトラバースはそこまで強いカーブではありませんので、少し動的を意識していると言えます。例えば、Altra / Lone Peak のラストは小指側に開いているので一見ストレートに見えますが、あれもやや内側よりのカーブになっています。そう考えれば、つま先は細めですが、動的を意識したシューズならば一般的なのかもしれません。

 

・アッパー(シューズの上部分)

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つま先から甲にかけては、1.8mm スエードレザーを使用し、傷み易い前足部全体を丈夫に作っています。つま先にはラバーランドでさらに補強し、遠慮なく岩の間につま先をねじ込むことができます。それ以外にも力がかかる部分などにはレザーを使用しています。

甲の両側には、PU(ポリウレタン)で補強したメッシュ生地を使用。補強しながら通気性を確保しようとしています。ベロ部からヒール全体にかけてはメッシュ生地を使用しシューズ内の湿気を外に排出しやすくしています。内側のライニングは吸汗性のある生地を全面に使い足の快適性を補助しています。

クラシックなクライミングシューズのような、つま先から足首まである“Lace-to-toe closure”シューレースシステムと上2番目から連動しかかとにつながっている“Webbing Heel Lock"ストラップ”による調節幅の広さが特徴です。また、シューレースというのは特別なことをしなければ部分的に締まり具合を変えても履いているうちに均等になってしまうものですが、シューレースのつま先側は三ヶ所はレザーにパンチングで穴を開けてレースを通し、さらにベロのレザー補強部も通すことで滑りにくくし必要以上につま先が締まるのを抑制。そこから上五ヶ所はメタルパーツを使い滑りよく締めやすくしています。

かかとにはTPU(熱可塑性ポリウレタン)のヒールカップが入り、歩行時の安定性を補助します。足首周り全体はトレイルランニングシューズと比べると薄めのクッション材にすることでシューズへの密着感を重視したつくりになっています。

 

・ソール(接地面のアウトソール、クッション部のミッドソール、インソールのフットベッド)

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アウトソール/Vibram® Ibex soleを採用。ビブラム社でも最もグリップ力に優れる二種類のラバーコンパウンドを使用しています。一つは“Idrogrip”で、主にウェットコンディション向けに開発されたもので、濡れた岩でも優れた摩擦力を発揮します。もう一つの“Megagrip”はビブラム社が今一番推奨しているラバーコンパウンドで、ドライ、ウェット、凹凸、スラブなどどんな状況でも優れたバランスで食いつき、さらに耐久性にも優れています。idrogripだけでは摩擦力は高くても耐久性が低くドライコンディションでは性能を発揮しきれません。これにMegagripを合わせることで、耐久性も保ちながらMegagrip以上のグリップ力を手にいれたということです。

ミッドソール/全体にしなやかで薄めに成形されたEVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)はランニングシューズのような見た目や足裏感覚を提供してくれます。足指で掴むような感覚で登ったり下ったりできますし、左右のバランス感覚を犠牲にしません。さらに足底部を保護する“TPU midfoot stabilizer”が入っているので突き上げによる足への衝撃を緩和します。

フットベッド/二つの異なる密度で成形されたEVAで作られています。ミッドフットからヒールにかけては固めになっていて、まるで高機能インソールのように回内を防ぐような立体的カーブとかかと位置を安定させるようなヒールカップ状になっています。全体にはかなりしなやかですから足の動きを邪魔しない分、高機能インソールほどの効果は期待できません。しかし、足入れ感やフィット感は向上しますし、これでも一定の機能は十分に満たしてくれます。ここまでインソールに力を入れているメーカーはさほど多くないでしょう。

 

・重量

Men's 8.5 インチ で 746g(1ペア)。片足 373g。トレイルランニングシューズでもある程度のスタビリティを求めたものが、片足300g前半。1ペアで700g以下です。それと比べて、レザーを使ったしっかりとした作りというのを考えれば軽いシューズになります。ミッドソールが薄いことも軽量化を助けているのだと思います。

 

・カラーやデザインについて

色や全体のデザインはハイキングシューズらしいといえます。基本はトラディショナル。そこに機能性をプラスしていますが、決してスポーティではありません。アウトドアフリークやトレイルバムたちの普段の足元を飾るのにも違和感がありません。

 

・サイズについて

バスクのラストは極端に細いということはありませんが、アメリカのブランドなので、やはり日本人からしたらやや細いと言えます。基本的には“捨て寸”がありますので、クライミング能力を求める場合は“実足長”ジャストもしくは0.5cmアップで良いと思います。パフォーマンスを求めるがハイキングシューズとして履きたいという場合、実足長にプラス1cm〜1.5cmするのが良いでしょう。

普通に履きたい場合は、後者“実足長にプラス1cm〜1.5cm”を選んでください。自分の足が細いと感じる人またはぴったりが好きな人はプラス1cm。自分の足がゴツめだと感じる人または指を広げられる余裕が欲しい人はプラス1.5cmが良いでしょう。

シューズというのは面積や長さで履くのではなく容積で履くものです。ある程度の長さを取ったとしても履き込んでいくうちに横が広がり前が詰まってくるものです。ぴったり目に選べばゆくゆくは指が付くほどジャストになるでしょう。もしゆとりをとって最初は余りすぎるように感じたとしても、シューズが足の形に馴染んでいくうちに前も少しずつ詰まってきて、ちょうど良くなるでしょう。

あとは履いたときのインスピレーションです。おや?ちょうど良さそうだけどちょっと違和感、なのか。はたまた小さいもしくは大きいかも知れないけどなんだかしっくりくる、なのか。です。遠方で実物を試せない人のご参考になればと思います。

例:実足長25.5cm 体重75kg程 のスタッフの場合。実足長より1cmアップの8.5 inch(26.5 cm)でも履けるが、指先を広げるように履きたいので9 inch(27 cm)を選択しました。

 


 

グランドトラバースに対しての考察

・トレイルランニングシューズについて

トラディショナルなハイキングブーツは大きな安心感を与えてくれるものです。しかし、道具の軽量化やウルトラライトハイキングメソッドの普及とともにシューズも変化してきています。ライトウェイト志向のハイカーたちの足元といえば、今やその多くがトレイルランニングシューズです。グランドトラバースと同じくローカットシューズですが、どんな特徴があるのでしょう。

トレイルランニングシューズは本来平坦である程度整備されたトレイルを走ることを目的としているため、決して丈夫な作りとは言えません。過去丈夫でハードな状況でも使えるトレイルランニングシューズが数多くリリースされていましたが、それらがなくなって久しいのです。

メリット/現在多くがメッシュアッパーで作られいて長時間履いても快適で、濡れても乾くのが早いです。柔らかめのラバーコンパウンドとラギッドなパターンで泥はけとグリップが良く、全体にしなやかで軽快に歩けることが特徴でしょう。アメリカのロングトレイル“Pacific Crest Trail”のように、砂漠あり、雨あり、渡渉あり、雪ありと様々な状況下においてもトレイルランニングシューズで通し打ち(スルーハイキング)できてしまうので、トレイルランニングシューズはマルチと言えるのかもしれません。ところが、どの部分にも特化していないので、すべてにおいて苦手、弱点とも言えるのがトレイルランニングシューズでもあるのです。

デメリット/メッシュのアッパーは強くありません。数十キロで擦り切れてしまうことや岩や木に引っ掛けて直ぐに破れてしまう場合もあります。滑りにくいラバーコンパウンドは一般に消耗が激しいです。ミッドソール(アッパーとアウトソールの中間にあるクッション性をつくる部分)も全体に柔らかいため、凹凸の激しい岩場などのトレイルでは足裏への衝撃が大きく、長時間の場合痛みを伴うことがあります。分厚いミッドソールにすると足裏感覚を無くし掴む感覚を損なうだけでなく、高さがあるぶん足をくじく可能性が増します。ラギッドパターンは接地面積が少なくなるため細かいスタンスに乗るようなトレイルは不得意です。クッション性を重視していくトレイルランニングシューズですが、事実、“トレイルランニングシューズは履き込んでミッドソールが潰れてソールが削れ、履き潰れる手前が一番良い”、なんてことを言うおかしなハイカーがいるくらいですから。

 

・ハイカットとローカット

ハイキングシューズの主流と言えば間違いなくハイカットです。ハイカットの主な目的は足首の保護にあります。これは捻挫しにくいということではなく、足首を固定することで筋肉の疲労を軽減したり、足首のブレを抑えバランスを整えやすくするということです。ですので、ハイカットにすることで犠牲にしていることは、足首の自由な動きです。

ローカットは確かに足首の負担が少なくないです。もし重い荷物を背負うならなおさら。しかし、普段の生活でハイカットシューズを履かないように、足首の動きというのは非常に重要なのです。バランスをとるだけでなく、様々な角度や状況に合わせて柔軟に曲がることで地面への接地面積を増やし滑りにくくします。凹凸に合わせ足首が先に曲がることで体全体のバランスをとるセンサーの役目もしていると言えます。

ハイカットは安心感があり、足首への負担は減らせますが、足首の動きを制限することで細かい動きに対応ができなくなり、靴のエッジで歩くようになります。そうすると靴自体を固くする必要がうまれ、重量増につながります。もちろんメリットもあり、普段から歩き慣れていないハイカーにとっては足元で体のバランスを保ってくれるので歩きやすく感じるでしょう。多少の凹凸なら気にせずに歩けてしまうからです。ですが、本来ある障害物を避けることをしなくて良いので、歩き方は決してうまくはないでしょう。もちろんローカットシューズを履いていても歩き方が下手なハイカーはいっぱいいるとは思いますが。

日本に登山靴が入ってきた1800年終わりから1900年初めには、登山靴と草鞋での論争が起きたことがあり、それまでの日本では草鞋が登山の主流だったのです。約100年。今や日本でも登山靴ありきの山登りとなっています。ですが、道具は使いようです。草鞋で歩いていた古きハイカーたちはさぞ歩き方が上手かったのでしょう。今よりも格段にトレイルは整備されていなかったはずです。現代有名なトレイルであればその頃より歩き易く整備されていますし、足首周りの動きに対応するハイカットやミッドカットもあるので、うまく選択して選ぶことができます。

多くのスポーツの専用靴はローカットです。クライミングやランニングシューズもそうです。テクニカルなことをする時には足首の動きが必要だからです。普段の生活もローカットで十分です。高い技術を必要とする場合も技術を必要としない場合もローカットで良いわけです。足首を覆うシューズを使うスポーツ、例えばスキーは小さな屈曲の力を大きく伝えるためにハードでハイカットなブーツを使いますが、あのブーツの中でも足首の動きを使って板を制動します。スケートシューズは線で立つ補助をするためにハイカットになっています。もし長靴や地下たびをハイカットの部類に入れるならばあれは足さばきをよくしたり、ゴミや汚れの侵入を防ぐものです。実はそのどれもが足首の保護が目的ではありません。ハイカットはそれ相応の目的があってのものですので、登山はハイカットというのは通説ですが事実とは異なるのです。


 

グランドトラバースはトレイルランニングシューズに近い機能と従来のハイキングシューズに求められている丈夫さや耐久性も持っています。そう考えるとアウトドアシューズとしては非常にバランスが良いと言えるのです。もとはスルーハイカーたちが軽快に歩くためにローカットのスニーカーを使うようになりました。当初はランニングシューズか、ローカットのハイキングシューズでした。いつしかその中間のトレイルランニングシューズが潮流となりましたが、トレイルランニングシューズがランニングシューズに近づいていっている今、もう一度、軽量なハイキングシューズに目を向けてみると自分の目的にあったシューズが見つかるのではないでしょうか。

 

奥秩父、瑞牆山から金峰山そして縦走路。乾徳山の山頂へよじ登る。

上州。妙義山を登り歩く。浅間山から籠ノ登山へ岩と登山道を交差していく。

南八ヶ岳の主稜線を歩く。北八ヶ岳、大岳の大きな岩石帯を飛び歩く。

南アルプスの黒戸尾根を甲斐駒目指し登る。白峰三山を縦走する。

北アルプスの稜線を縦走。大キレットを越えていく。

トレイルランニングシューズから一歩先へ進んでみたいハイカー。FKT(Fastest Known Time)を目指すスピードハイカー、マウンテンランナー。一足でどんなとこでも行けたら良いなと思う欲張りなハイカー。フラットペダルのMTBライダー。グランドトラバースはテクニカルハイキングでもスローハイキングでも 、はたまたアドベンチャートラベルや、トレイルバムたちの普段履きとして役立つでしょう。

 

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