AXESQUIN

Kunai

フットウェア
Weight

164g

脚絆(きゃはん)や地下足袋に刺激されデザインした和洋折衷のロングゲイター。通気性が高く丈夫なソフトシェル素材を使っているのでショートパンツと合わせてロングソックスのように履けて、さらにゴミの侵入や保護もできる。
Weight

164g

SPECIFICATIONS

重量
Sサイズ 134g
Mサイズ 152g
Lサイズ 164g
*全てペア重量です。
素材
schoeller® dynatec 
ナイロン 75%、ポリウレタン 25%
サイズ
S、M、L
カラー
スネズ、コゲチャ
10,000円 (税込11,000円)
Hiker’s Letter

AXESQUIN / Kunai -クナイ

スネズ色

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コゲチャ色

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苦無(くない)というと忍者が用いる多用途刃物、今に置き換えるとサバイバルナイフのようなものでしょうか。しかし、このクナイは刃物ではなく、ソフトシェル素材で作られているゲイターです。

日本で古くは江戸時代から利用され旅人の足元を守ったり、現代でも山仕事や作業をする時に用いられる脚絆は足元の動きをスッキリさせ、事故や怪我を防ぐことが目的の道具です。沢登りなどで使われるネオプレーン製のゲイターはまさに脚絆そのもので、保温能力や素材のクッション性も相まって衝撃緩衝といった目的も加味されたものもあります。脚絆には伝統的な形も存在します。今でも時々“レインスパッツ”と言われように、もともとはスパッツやレギンスと呼ばれていましたが、近年になりそれぞれ別の意味合いで言われることが多くなってきたので、欧米やニュージーランドで言われている“Gaiters”という言葉で区別されるようになりました。日本では脚絆、ゲイター(英語読み)、ゲートル(仏語読み)の三語についてはほぼ同様の目的をなす道具として認識できます。

 

“凌(しのぎ)”をコンセプトに日本の山のためにデザインをする AXESQUIN

〜 凌ぐとは、足りることを知ること。〜

雨を凌ぐ 風を凌ぐ 寒さを凌ぐ 汗を凌ぐ 難所を凌ぐ 煩わしさを凌ぐ

日本の気候風土にあった日本の衣服と海外の登山文化を融合したアイテムを発信し続ける日本メーカー「AXESQUIN(アクシーズクイン)」。今までも僕達を驚かせるアイテムを数多く出しています。そして、2016年からコンセプトが加わります。今までも根底にあったものですが、明確に打ち出しました。それが“凌(しのぎ)”です。防ぐのではなく拒否するのではなく、受け入れて知り凌ぐ。受け入れることで自然との深い交わりがあります。凌ぐのに過剰な道具は要りません。最低限の道具と人の知恵があれば凌ぐのは難しくありません。知恵を使い道具を使いこなすことは喜びや楽しみです。そんな“凌”の思いを込めてアクシーズクインはデザインしています。

ハイランドデザインのオリジナルアイテムも影響を受けています。中でもカラーセンスとパターンは特徴的です。日本の伝統色をいち早く取り入れながらも、日本過ぎない、絶妙な色合いを出すのです。また細部のデザインパターンは日本の衣服をモチーフにしています。

日本で“凌ぐ”アイテムは日本だけのものでしょうか。そんなことはありません。日本と海外の登山文化が融合したアイテムの代表格はツェルトでしょう。ヨーロッパのトラディショナルテントが日本のハイキング文化と融合することで生まれた、日本の気候風土で活きる超軽量テントです。しかし、日本の気候風土に合うからと言って国内だけでしか使えないのでは無く、日本の気候は世界的に見ても複雑で、日本の山野で使えるものは世界的に見ると非常に使用範囲の広いアイテムになるのです。

 

クナイの特徴

脚にフィットするよう立体的にデザインされています。余計な部分がないですが、ストレッチ素材のため、防水透湿素材のように伸びないもしくは伸びにくい素材と違い、きつくなりすぎることはありません。適度な厚みは強度があり丈夫です。一般的に防水透湿素材で作られているゲイターと比べて通気性が高く、熱がこもりすぎたり、蒸れるのを防いでくれます。基本的にはローカットシューズを想定してデザインされていますが、ミドルカットシューズやすっきりしたデザインなら登山靴でも合わせることが可能です。

日本では脛(すね)部分だけを覆う脚絆が一般的ですが、西洋脚絆の中には下図のように足の甲まで多いローカットシューズなどにゴミが入りにくくしたり、保温性を補うものもあります。クナイはどちらかというと西洋脚絆に近い形になっています。

下/ボタン留め方式のレギンス型西洋脚絆の図

Spatterdash_(PSF)

 

甲の固定はトグルを靴紐に引っ掛けるだけのシンプルな付け方です。

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踵(かかと)側には特に固定するものをついていません。しかし、素材が適度に張りコシがあるので、甲部分だけトグルをひっかけての固定でもずれにくいので問題は少ないと思います。もっと固定を必要とするならば、付属のループとバンジーコードを靴底に回すことで固定できます。最近はフラットなアウトソールが増えているので、バンジーコードとソールの相性が悪ければ、いっそゲイターの踵部分の内側とシューズの踵部分外側に粘着性のある面ファスナー(ベルクロ®など)を付けて固定するのも良いでしょう。面ファスナーでの踵部分の固定はストレッチショートゲイターではDirty Girl GaitersやMountain Hardwear、Outdoor Research などの製品に見られる、現在では主流となりつつある方法です。片面粘着タイプの面ファスナーや縫い付け用面ファスナーは市販で売られていますので、簡単にカスタムが可能です。(こちら参考 Dirty Girl Gaiters 商品紹介ページへ

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下/フラットなアウトソールのシューズとバンジーコードでの固定は相性が良くない。

 

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ジッパーはやや太めのYKKの5番を裏使いで使用。かかとから脛側にやや斜めについています。このおかげでストレートに付くよりデザイン上の表情が生まれるだけではなく、付け外しがしやすくなる効果もあります。

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上部の口はバンジーコードで締め具合を調整できます。コードロックはフラットな埋め込み型になっています。慣れないと使いづらさは感じますが、このおかげですっきりとしたデザインになり使いがっても向上します。コードの末端は内側に入るようになっていて、やはり表に出る部分をなくすことでひっかかりなどのトラブルをなくしてくれます。

下/外側から見た写真

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下/内側から見た写真

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ロングソックス的ゲイター

ローカットシューズにはアメリカのハイカーの間で主流のストレッチショートゲイターがあります。これは通気性に優れ、乾きの早い水着素材のようなものが使われるのが一般的です。(Dirty Girl Gaitersを参考)このタイプのゲイターの良いところは、フィットし通気性が高く、ソックスプラスワン感覚で邪魔をせずにつけられるところです。

クナイは面積も大きいのでダーティガールほど控えめではないですが、ストレッチ素材を使い通気性が高いので同様にソックスプラスワン感覚で使うことができます。さらに丈夫な素材と脛全体を覆う長さがありますので、後付けできるロングソックスと言えるでしょう。ショートパンツを好むハイカーやトレイルランナーには保温や脛の保護目的でロングソックスが使われることがありますが、それを後付けできるというのは使用方法に幅が広がるのではないでしょうか。さらにロングソックスでは防ぐことのできないシューズへのゴミの侵入へ対策が可能になります。

 

素材は schoeller® dynatec

schoeller®(ショーラー)という会社は、ソフトシェル素材を世界に先駆け作ったことで知られるスイスのメーカーです。ショーラーの製品を使ったことがあるユーザーはみんな知っているでしょう、この素材が丈夫で永続的にストレッチ性が持続し、へたらないのを。

硬く、伸びず、低い通気性もしくはそれを持たないハードシェル(防水透湿性のあるウェア)に対し、ストレッチ性があり、高い通気性、適度な保温性、超撥水という機能を持ったソフトシェルジャケットが世に登場したのは今から15年ほど前。Cloudvail というメーカーが出した、Serendipity Jacket、でした。“思わぬものを偶然に発見する才能”という意味の素敵な名前を持つこのジャケットはその後のアウトドアウェアに革命を起こしたと言って良いでしょう。そのジャケットに使われた素材がschoeller® dryskin でした。このことで一躍有名になったショーラーですが素材が高価なため、その後類似のソフトシェル素材が出てきたこともあり、市場で見る機会が減っています。しかし、その間にわかったこともありました。それは類似のソフトシェル素材は数年の使用で伸縮にへたりが出てくるということでした。ですがショーラー素材はへたらないのです。“へたらない”と言い切ってしまって良いのかわかりませんが、少なくとも10年以上経過して、確かに多少の汚れやあじは出てくるものの、他のメーカーのようなへたり方はしないのです。

そう。使ったことがある人ならきっとわかってくれるでしょう。

クナイはshoeller® dynatec という高い張力と耐久性を持った、強度を重視して作られている素材を使っていますので、ゲイターとしての使用に適していると言えます。ショーラーの他素材と比べれば硬さがありますが、直に肌が触れても嫌な感じはせず、むしろ触りたくなる、くせになる素材感があります。表面はややムラがあり凹凸感があるのですが、それがこの独特な風合いを生んでいるのでしょう。

 

サイズについて

S、M、Lの3サイズありますが、重ねてみると一番幅のあるところと足首の細いところ、上の口の広さは同じなのがわかります。基本的に縦の長さが変わるだけです。

・共通部分

上の口の長さ 19 cm(平置き)

最大幅 21 cm(平置き)

足首の幅 14 cm(平置き)

・縦の長さ

Sサイズ/32 cm、Mサイズ/36 cm、Lサイズ/40 cm

・目安として

身長150センチ前後からそれ以下 Sサイズ

身長160センチ前後 Mサイズ

身長170センチ前後からそれ以上 Lサイズ

 

例:スタッフ身長175センチ、シューズサイズ26.5~27.5(メーカーにより異なる)、ふくらはぎ太め(周りで約42cm)でLサイズを着用。膝下まで隠れる。ロングパンツを履いていても着けられる。

 

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**参考例**

シューズの色でも見え方が変わるので、参考として以下に列挙します。

下/スネズ色との組合せ。

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下/コゲチャ色との組合せ

kunai_2 kunai_3 kunai_4 kunai_5

 

前述もしているように、ローカットシューズを想定してデザインされていますが、アクシーズクインのブログではライトアルパインシューズ(おそらくLa Sportivaと思われる)シューズとの相性を試した記事が出ています。そちらもご参考にしてみてください。*外部ページへ AXESQUIN BLOG 「クナイとライトアルパインブーツの相性は?」

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