MONTANE

Minimus 777 Jacket

クロージング ギア
Weight

143g

三度、Montane は自らのアイテムを大きく塗り替えるものを作り出しました。これはCreation なのか、はたまたDestoroy なのか。3レイヤー防水透湿素材の常識を超えた軽さのレインウェアそれが Minimus 777 Jacket です。
Weight

143g

SPECIFICATIONS

重量
143g / UK Mサイズ(実測値)
素材
Pertex Shield+
7D×7D Rip-Stop Nylon
透湿性 30,000g/m2/24hrs
耐水圧 20,000mm
サイズ
UK(イギリス)サイズ S、M、L、XLはGreyのみ
*USサイズとJPNサイズの間くらいとお考えください。
カラー
Antarctic Blue
Cloudburst Grey
¥37,000 + tax
送料・支払い方法について

Montaneは軽量シェルの創造 "creation"と破壊 "destroy"を繰り返してきました。それが三度起こりました。

実測の重さが、143 g/UK Mサイズ。しかし驚くべきはそれが3レイヤーであること。

丈夫なのか否かという議論さえ空虚に思えるほどの魅力的な軽さがそこにはあります。

 

MONTANE / Minimus 777 Jacket

Antarctic Blue/写真下

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Cloudburst Grey/写真下

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2010年、衝撃的な軽さで防水透湿ジャケットの革命を起こしたものがありました。

  • 裏地無し2.5層のジャケットの中では200gを大きく下回る軽さを実現したOutdoor Research / Helium Jacket(現在はHelium II に進化)実測重量 US Mサイズ 166g
  • 3層構造の防水透湿素材を使ったものでは200gに限りなく迫ったMontane / Spektr Smock 実測重量 UK Mサイズ 214g

2013年にはMontane は自らにさらなる結果を求めました。

  • 裏地無し2.5層のプルオーバーで150gを大きく下回る軽さを実現したMontane / Minimus Smock 実測重量 UK Mサイズ139g

 

どれもが細部にわたっての軽量化と真摯に向き合った結果がしっかりと出ています。それはデザイン的にも言えることでした。しかし、この両者で大きく違ったのは、Helium Jacketがアルパインクラインミングやハイキングというトラディショナルなフィールドを一番に考えたものであるのに対して、Spektr Smockはマウンテンマラソンやマウンテンバイク、ファストアルパインというアスリート(運動、スポーツの意味)フィールドを主に考えたものだったことです。スペクトラスモックのサイズがほぼ一つ下の小さいサイズに設定されていたことからも分かると思います。Minimus Smockは間違いなく最軽量防水透湿性のクロージングの一つです。アスリートフィット(細めのパターン)を採用していますがややゆとりがあり、従来のサイズに近いままでこれだけの軽量化をしており、TraditionalとAthleteを繋ぐものと考えることができるでしょう。

これらのクロージングがウルトラライトハイキングだけでなくアウトドアアクティビティのクロージングにおいての革命を起こしたことは間違いありません。そして、三度目の革命もMontane が起こそうとしています。それが、Minimus 777 です。

驚くべきは、これが3層構造の防水透湿素材のジャケットであることです。7 denir nylon フェイスファブリック、7 micron の防水透湿膜、7 denir トリコットバッカーファブリックを採用しているところから777という名称が生まれました。46g/m2 の生地重量はずば抜けた軽さと言えます。UK Mサイズでの実測重量は143g。2.5層で裏地なしのミニマススモックと比べてもたったの4gしか差がないのです。メーカーはミニマス777スモックも出していますが、カタログ重量でも5gも変わらないことから、ハイカーズデポではジャケットのみの取り扱いに決めました。

 

名称の言い方について

言い方はthree seven、triple seven どちらでも良いのでしょう。もし銀河鉄道999世代ならスリーセブンと言いたいでしょうし、もし航空機ファンならトリプルセブンと言いたいでしょう。メーカー情報ではどちらに特定していないようなので、ここでは“重なる”や“倍”という相乗効果の意味を持つtriple を使い、ミニマス“トリプルセブン”ジャケットと言いたいと思います。

 

使われている素材について

・使用生地

Pertex® Shield+

  • 表地:7d×7d(経緯)  46g/m2 (Pertex Quantum GLと同等の生地と推測)
  • 防水透湿膜:7ミクロン クリアラミネートフィルム
  • 裏地:7d トリコットナイロン
  • 透湿性 30,000g/m2/24hrs 耐水圧 20,000mm(JIS B-1法において)

パーテックス®というのは生地ブランド名で、いくつもの種類が存在しています。さらにその一部のPertex® Shield といってもいくつもの種類が存在しているので、簡単には説明できません。わかっていることは、Pertex® Shield+(プラス)の場合、防水透湿膜がPUラミネート(有孔質)であるのが共通点となります。

・表地について

7d×7dリップストップナイロンの表地についてですが、これはPertex® Quantum GL(クアンタムジーエル)と同等の生地という推測ができます。Pertex® Quantum GLとは、Pertex® Quantum よりも生地重量が軽いものの総称で、ほとんどの場合タテ糸ヨコ糸の太さには依存しません。正直、クアンタムGLの生地は強いとは言い難い場合があります。過去経験として、引っ張ったら指が抜けて破れてしまったことがあります。織り込みは高密度なので摩擦強度は非常に高いですし、撥水力も発揮しやすいと言えますが、単体ではそこまでの強度は期待できないのは当たり前のことなのかもしれません。しかし、防水透湿ラミネートと裏地を合わせた3層構造なので、単体で起きるようなトラブルは考えにくいのでその点は安心して良いでしょう。高密度な織物なので摩擦に対する強さは問題ないと思われます。タテ糸ヨコ糸ともに7dの繊維にすることで、より目が詰まった生地にすることができます。その方がタテ糸ヨコ糸で違いを出すよりは強度を出すことができます。これにより生地には独特の張りや光沢が生まれます。全てに当てはまるわけではありませんが、生地の光沢感は高密度の証とも言えるのです。そして高密度な生地は滑りが良いので摩擦が起きにくいというわけです。ただし、従来のシェル生地からすればかなり薄手なので、使用者が生地への意識を持っていることは重要です。

・防水透湿膜・裏地・防水透湿性について

防水透湿膜の7ミクロンクリアラミネートフィルムについては、多くを語ることができません。なぜなら未知のものでもあるからです。おそらく今までの素材にはほとんど使われてきたことがありません。生地メーカーサイドもテスト上では問題ないという話だけに留まっています。Montane としてはもちろんフィールドテストをした上でのリリースでしょうから、ある程度の自信を持っているとは思います。しかし耐久性についてここではこれ以上の言及はできません。良い点を推測するとすれば、透湿性の向上が挙げられるでしょう。単純に生地やフィルムが厚いものと薄いものでは、湿度が抜けていくのに違いが出るということは十分に考えられます。ただし透湿性は表地、膜、裏地の複合で決まるので、この薄さが決定打というわけではないと思います。衣服の重さは生地の重量に依存しているので、最重要なのは軽量化というところに尽きるのでしょう。

どんなに薄くても裏地があることで、透湿の補助、肌へのベトつき、まとわりつきを防ぐことができます。透湿とは水が抜けていくことではありません。水分子が抜けていくことです。そのために絶対必要なのは蒸発です。蒸発は水滴では起こりにくく、何かに染みたりして広がることで促進されます。裏地なしの防水透湿素材は“保水しない=重くなりにくい”というメリットがあるものの水分として残りやすいため、透湿を促すのはインナーシャツに依存します。ところが、裏地のある3レイヤーの場合、一旦保水する場所が最初からあるため、インナーシャツの良し悪しはもちろん関係するにしても、それだけに頼らずとも蒸発を促すことができます。だからこそ高い透湿性がテストででるのでしょう。

実際のところ使用環境や温度、湿度といった影響で様々に変化しますので、あまり数字だけを見て踊らされる必要はありません。例えば“通気”という機能を持っている素材と比べてしまえば、より異なることもあるでしょう。また検査結果もPertex® Shield+ ではJIS B-1法を使用。Gore-TexではJIS B-2法(日本の場合)。eVentでは検査方法の基準が明らかにされていません。とはいえ、検査においてのこの数値はすでに、GORE-TEXやeVentと同等以上と推察される部分もあり、特に透湿性の高さは驚くものでしょう。

イギリス本国からの報告では、ミニマス777よりも強度が高いと思われるミニマススモックの生地でも、トラディショナルなスタイルでバックパックの重さが20kgを超えるようなハイカーの中には生地が擦り切れてしまったこともあるようです。しかし、例えそれでも、少しでも軽量にしたいクレイジーULハイカーや、ミニマリストランナーにとっては代え難い貴重な素材には違いないのです。

 

軽さについて

143g。軽いのは間違いないのですが、どのくらいの軽さなのかを比較してみていきます。

すでにアウトドア定番クロージングといえる通気性のあるウィンドシェル。PatagoniaのフーディニジャケットやArc'teryx のスコーミッシュフーディなどが定番として知られています。それらの重量ですが生地が薄いので軽そうに思っても、意外に重いこともあります。またULハイキングにおいてよく使われるポンチョ(200g前後)やケープ(140g強)といったレインギアと比べるとミニマス777は相当軽いのです。

・ウィンドシェルとの比較

  1. Patagonia/ Houdini Jacket 平均102g(US M size)  防風性高い、防水無し、通気性著しく乏しい
  2. Arc'teryx/ Squamish Hoody 平均145g(US M size) 防風、防水無し、通気性高い

 

・ウォータープルーフシェルとの比較

  1. mont-bell/ Versa light Jacket カタログ値168g(サイズ不明) 防水、防風、透湿 スーパーハイドロブリーズ®2.5L
  2. Outdoor research/ Helium II Jacket 実測値166g(US M size)
  3. Montane/ Minimus Smock 実測139g(UK M size) 防水、防風、透湿 Pertex shield+ 2.5L laminate
  4. Montane/ Minimus 777 Jacket 実測143g(UK M size) 防水、防風、透湿 Pertex shield+ 3L laminate

それぞれに目的や用途が異なるので一概に比べられません。しかし、ここには防水透湿性ジャケットが限りなくウィンドシェルに近づき、時にはそれを超えてしまったという事実が確かにあるのです。これほど軽いので、ウィンドシェルと間違ってしまうこともあるかもしれません。そして、どのウォータープルーフシェルと比べても軽いです。ミニマススモックの方が重量的には軽いものの、ミニマス777が3層構造ということを考慮すれば、それが圧倒的な軽さだということは十分わかるはずです。また軽量レインパンツの平均は150gほど。ゴアテックス3レイヤーでも200gくらいでしょうか。150g程度のレインパンツと合わせれば、上下セットでも300g以下という組み合わせが可能になってしまうのです。Mountain Equipment/ Cyclone Pants と合わせれば、263g の超軽量な組み合わせが出来るのです。

 

その他細部について

袖(そで)や裾は調節無しです。どちらも平ゴムが生地の中に入っていて伸縮するようになっています。フードの調節機能も省いています。この辺りはミニマススモックとどうよう軽量ミニマルなシンプルデザインから影響を受けているのでしょう。

フードはつば付きで後頭部と顔脇にゴムが入っていてフィットするようになっています。まとめる機能はありません。

そでは手の甲側がやや長めになっています。ゴムは手首内側のみに入っていて、水の侵入を抑えます。完全に手首が閉じるようにはなっていませんが、ミニマルにまとめた結果でしょう

裾にはゴムが入っていて、ややきつめに感じるかもしれません。写真では伸ばしきった状態で撮影されていますが、実際には全体の2/3程度に縮んでいると思って下さい。Lサイズの場合、延伸しない状態の平ゴムが約75センチ入っています。アスリート体型のお尻が小さい人には気になりにくいのかもしれませんが、ゆったりの設定ではありません。どうしても嫌な場合は裾の内側に切り込みを入れればゴムを切って外すことが可能です。当店ではどのようにしたらダメージが少なくゴムが筈するのかを検証しました。その詳細については別途改めて『Hikers Note』などでご紹介したいと思っています。

胸部分に縦ジッパーがついている1ポケットとなります。折りたたんだマップを入れるなど最低限の大きさです。収納用の袋の代わりにこの胸ポケットにパッカブル収納が可能です。

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Minimus 777 Jacket と Minimus Smock の違い

ミニマス777ジャケットとミニマススモックは重量もほとんど同じです。ジャケットかスモックかについては好みや慣れもあるので説明は省きます。ポケットの位置や大きさもここでは重要でないと思われます。では、どこに違いがあり双方のメリット・デメリットを見ていきましょう。

 

ミニマス777 Pertex® Shield+ 3レイヤー 30,000g/m2/24hrs 143g(M size)

メリット/裏地があるため、一旦水分含まれ広がって徐々に発散していくので、ある程度継続して透湿能力を発揮することがでる。インナーシャツの性能に依存せずにすむ。肌触りが良く、摩擦に対して防水透湿膜を守るので長期間でみると傷みにくいと考えられる。

デメリット/保水すると重くなり乾かす必要がある。裏地が保水しすぎたら透湿は起きない。生地が一枚増えるので、インナーの着方によっては性能を発揮できなくなる。表地だけでなく裏地にも剥離を起こす可能性が生まれる。剥離を起こした箇所は防水性透湿性は失われる。生地は軽くても生地に硬さが生まれるので着心地や収納しやすさが落ちる。

 

ミニマススモック Pertex® Shield+  2.5レイヤー 25,000g/m2/24hrs 139g(M size)

メリット/2.5レイヤーのため裏地が無いことで、保水しにくく濡れても重くなりにくい。裏が濡れても拭けば早く乾く。インナーシャツの性能次第では3レイヤー以上の性能を発揮することが可能。剥離を起こすのが、表地だけになる。裏地が無いことでしなやかな生地になり小さく畳みやすい。

デメリット/裏地が無いことで結露を起こしやすい。透湿能力の発揮にはインナーシャツの性能(良し悪し)に依存、影響される。裏地が無い分、摩擦に対して防水透湿膜を痛めやすいと考えられる。

 

挙げればきりが無いでしょう。実は3レイヤー、2.5レイヤーは相対的に良し悪しがあるため、甲乙つけられません。では、どこで比べれば良いのか、それは生地の丈夫さではないでしょうか。

ミニマス777ジャケットは3レイヤーで超軽量ですが、7dフェイスファブリックや7ミクロンの防水透湿膜に関して未知な部分が多すぎます。実地での検証はユーザー自身が行うしかありません。しかし、3レイヤーは実使用感においてはどうやっても2.5レイヤーを上回りますし、それでいて間違いの無い軽さがあるということはどのデメリットも見えなくさせてしまうほどの魅力です。

ミニマススモックは、モンテイン本国から20kgオーバーの荷物のトラディショナルハイカーの場合生地が擦り切れたという報告があるものの、15d*40dフェイスファブリックはミニマス777の倍以上の厚みがありますし、2.5レイヤーというデメリットを補える、べとつきを防ぐ生地の凹凸感があります。僕たち自身での使用経験はもとより、Montaneの他アイテムにも採用されているという実績を考えれば素材としての強度、防水性、透湿性のバランスの良さがわかります。

もう一つの要素としては価格が挙げられるでしょう。ミニマス777ジャケットは37,000円。ミニマススモックは24,000円です。この差は3レイヤーということに尽きるでしょう。品質の差というよりは技術の差という他はありません。

3レイヤーの上、ジャケットデザインなのに超軽量、そして高透湿のミニマス777ジャケット。 

しなやかな着心地と丈夫さのバランスがある上に超軽量のミニマススモック。

お好みに合わせてお選びください。


 

Minimus 777 Jacketが軽いのは、デザインやパターンのシンプルさはあるものの、何と言っても素材の軽さがポイントでしょう。そういう意味ではジャケット自体のデザインや細部にはミニマススモックほどの特徴はないかもしれません。しかし、3レイヤーのウォータープルーフシェルで、しかもジャケットのデザインでこれほどの軽さというのは、もうそれだけで特徴と言えるほどの魅力があると言って良いのでは無いでしょうか。僕自身はスモックが好きですし、それで困ったことはありませんが、ジャケットの使いやすさは誰もが十分に心得ていることと思います。そして、これほど軽いウォータープルーフシェルは、ある意味インディペンデントメーカーの専売特許になっていました。それらの服のパターンやデザインは少し学んだ人間からすれば、とてもじゃないけど服とは言えない素朴なデザインでした。もちろんそれぞれ好みがあるのは承知ですが、やはりマスプロメーカーにかかれば、このようなものになるということです。もはや比べようもありません。

軽いと同時にとてもコンパクトに収納が可能で、どんな隙間にも簡単に入れられます。雨具は雨が降った時にしか使う機会が少ないからこそできるだけ軽く小さくなるに越したことはないのです。そして軽く小さいということは。降らないかも知れないから持っていかない、という選択を無くし、安全性を高めることにもつながります。言うなればエマージェンシーレインウェアとも言えるのかもしれません。とにかく軽いウォータープルーフシェルをお探しの際にはぜひ一度検討したい一着です。

送料・支払い方法について
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