
NEW WW Side B Combo
Weight
59g
径の小ささからくる不安定さは、使う人の技術や工夫を求めるものであり、とうぜん使いがってに不便さがあったのは言うまでもないでしょう。それでも、このシンプルさにもかかわらず、燃焼効率が高く燃費が良いことや、火力の強さは魅力でした。そのサイドBが、新たな径の大きさにリニューアルされました。これにより、今までの不安定さは少なくなり、大幅に使いやすさの向上につながったのです。
「Side B Stove」はウルトラライトハイキングの本場であり、アルコールストーブやウッドストーブの本場でもあるアメリカに唯一進出した日本のアルコールストーブインディペンデントブランド「T's Stove」が2009年に発表した超軽量、極めてシンプルなアルコールストーブです。そのサイドBが新たな大きさへと変更になり、その大きさだからこそ得られる機能とともに新たな登場です。
ウルトラライトハイキングの本場、そしてアルコールストーブのガレージメーカーがしのぎを削る本場、アメリカに進出した日本のガレージストー ブメー カーT's Stove。その制作技術、精度の高さはプロダクトとしての高い魅力です。またアルコールストーブ、エスビットストーブ、その他関連品のノウハウを一般開 示することで、シーンを盛り上げる役割もになっています。そんなT's Stoveの記念すべきアメリカ進出モデルが「サイドB Stove」でした。クッカーをストーブ本体に直接載せて使用するサイドバーナースタイルです。クッカーを載せるには不安定な面も否めないため、賛否が分かれるサイドバーナーですが、その軽さ、シンプルさとは裏腹に、大きな魅力を持ったアルコールストーブです。
〈従来から踏襲されたサイドBの特徴〉
- 吹き出し口が側面に付き、炎が横方向に出るサイドバーナータイプ。
- ウェルデッドワイヤーを付けて使うことで、着火後直ぐにポットを置いても火が消えない。十分に酸素の取り入れができ、火力アップする。
- ウェルデッドワイヤーを外し、直接ポットを載せれば、低重心、径の小さいポットにも対応。(ただし、他のサイドバーナータイプ同様、すぐに置くと火が消えてしまう)
〈リニューアルにより変更された機能〉
- このリニューアルから新たに搭載された、ウェルデッドワイヤーリブ(WW Rib)は本体内部まで押し込まれる形になり、その中間部分にはステンレス板が巻かれています。これにより、炎の熱を効率良くアルコールに伝えることが可能になり、本燃焼までの時間を短縮します。
- 旧サイドBは、径が小さかったため、ウェルデッドワイヤーなしでポット直置きの場合、SnoePeak 450シングルマグなどの小さい径のカップなどにも対応できていましたが、新サイドBは、径が大きくなったことで、SnowPeak 600シングルマグ以上の径の大きさが必要になりました。
T's Stoveホームページ&ブログでも様々な実験が報告されていますが、サイドバーナーの最大火力&最良の燃焼効率をもとめる実験は興味深いモノといえま す。サイドバーナーからクッカーをやや浮かすことで、サイドからの炎と直噴する炎、両方を効率的に使用できるのです。サイドBからクッカーをやや浮かすにあたって、同T's Stove Ti固形燃料ストーブのゴトク部分も使用できるのですが、ゴトクを使用せず、サイドバーナーの特色であるクッカー直載そのままに浮かすための仕様がこのWelded Wireなのです。このWelded Wireコンボによって、サイドBはT's Stove内で最大火力、最大効率を更に押し進めたカタチになりました。
〈注意点〉
径は大きくなりましたが、注意点は従来と変わりません。
- 炎が大きいためマグカップをクッカーとして使用すると炎が側面をなめ、逆に非効率。
- Welded Wireの追加で高さが更にあがるため、安定感をだすためには下地の選定が重要。
自身が使用するクッカーとの相性を考えると同時に、まずはサイドBとしての使用に慣れることも必要になってきます。それでもこのシンプルな構造にアルコールストーブの可能性が秘められていると思うと、工夫をしつつ使ってみたいと思わされるのです。
*ご注意ください!
旧モデルより直径が大きくなったため、クアトロストーブをはじめとした、従来サイドBと組み合わせが可能だった道具は使えなくなっています。