
Gripper Sensor™ Glove
Weight
88g
なんだかんだ結局は戻ってくる
ウインドストッパーグローブの定番
アウトドアグローブの定番
Gripper Sensor™ Glove は、耐候性、防風性のある3L マイクロフリース ウィンドストッパー素材を使用したオールラウンドグローブです。風の吹きすさぶハイキングでも、雪が舞い踊るクロスカントリーでも、雪の粉を浴びるバックカントリーでも、しっかりと風を防ぎ、温かさを保ちます。適度な透湿性・通気性は防水素材を使ったグローブとは違い内側に湿気を留めにくいので、手のひらが湿って冷えるのを防いでくれます。ORのSensor™機能は厚手のグローブにも関わらず電導することでスマートフォンなでの静電気反応のタッチスクリーンにも対応します。2021年モデルからはパーム素材とデザインがアップデートされました。


"Our Legendary Work Glove"
そうOutdoor Research社(以降OR)のHPには書かれています。僕がGripper Gloveを最初に見たのはいつだったのでしょう。確実に10年は越えています。間違えていなければ、ORがウェア事業に乗り出す以前、グローブや帽子などのウェア小物とスタッフサックなどのギア小物しか作っていなかったころからあるはずです。いつだか思い出せないくらい前からあることが“伝説”といわれる所以なのでしょう。しかし、その伝説が今でも継続しているということです。
僕はこのグローブを12〜13年使ってきました。しかしその評価を僕が言うことに躊躇があります。なぜならそのままの気持ちがORのホームページに書かれているからです。
multi-purpose outdoor work gloves have a secure, comfortable fit.
多目的なアウトドアワークグローブは間違いなく、そして快適なフィットである。
僕は物心ついたころからスキーをしていました。当然スキーヤーはスキーやビンディング、ブーツにこだわるのですが、その先にこだわりを持つものがグローブなのです。特に冬季のCross-country(意味:山野を横断する)やBack-country(意味:僻地、奥地。現状日本でバックカントリーと言われるものはSide-country)に行くようになると手袋の重要性は増していくのです。それはAlpine Climber や Mountaineerも同様のようでした。当時良くアルパインクライマーの友人と話し合ったものです。
僕もご他聞にもれず、グローブにこだわりを持つようになり、いくつもいくつも買いました。ところが意外と“スキーグローブ”と特化したものはたくさんあり、“登山用”というグローブもあれど、どれもいまいちで、どちらにも使えるマルチな都合の良いグローブは見つかりませんでした。そんな時、アウトドア遊びの大先輩に何気なくそんな話しをしたところ、「ウィンドストッパーのフリースグローブがなんだかんだ使い良いよ。」と教えてもらいました。
ところが10年以上も前で、すでにウィンドストッパーグローブというのは各メーカーが作る定番アイテムで、気持ちとしては時代遅れに感じたのです。しかし、ものは試しに使ってみたところ、これが抜群にバランスの取れたグローブだったのです。
The weather- resistant fleece blocks wind and provides warmth, and the durable synthetic palms allow them to handle difficult and rugged tasks in cold conditions.
耐候性フリースは風を防ぎ、暖かさを提供し、そして丈夫な合成素材でできたパームは寒い環境において困難で厳しい作業をこなすことを与えてくれる。
これはGripper Gloveの説明文で、現行のGripper Sensor™ Glove は以下のように書かれています。
The weather-resistant fleece blocks wind and provides warmth, while durable synthetic palms with Sensor™ technology allow them to handle anything
微妙に違うのはタッチスクリーンの指先のことを強調する内容が追加されたことでパームの良さが少し説明不足になっていますが、anything、は悪くありません。その通りanything だからです。
特別にフィット感が良いのかと言われれば違うのかもしれませんが、適度に余裕のある作りがグローブの付け外しの際のストレスを軽減してくれます。使えば使うほどに手に馴染み、使い勝手は増していくでしょう。ライナーグローブをつけてもはめられる余裕があります。
手首にはベルクロがありませんし、ゴムも入っていません。昔から変わらぬパターンで、適度に手首をフィットし、冷気の侵入を防ぎます。入れる時は少しきつく感じるかもしれませんが、このおかげで寒冷期の寒い時の小さなワンアクションを減らすことが大きな使いやすさに繋がります。
目止めはされていませんのでもちろん防水ではありませんが、ウィンドストッパーはゴアテックスと同様のePTFE膜で作られているので、思っている以上には中に濡れが入りにくいのです。なので冬季を中心とした季節ならば耐候性は高く、使える範囲としては広いと言えます。
決して繊細なつけ心地ではありませんが、やや張りのある素材が細かい作業もかえってしやすくしてくれています。
マイクロフリースは適度な水分を吸ってくれます。外側の広い面をマイクロフリースが覆っているので、雪で濡れたり冷たくなった顔を拭くのも、鼻水を拭くのもお茶の子さいさいです。
そして合成素材で作られたパームは、自然なグリップを提供してくれます。握った時にはしっかりとグリップしますし、緩めた時には適度に滑ります。これはまるで素手と同じようです。最近はグリップの強いシリコンも人気ですが融通が利かないのが弱点で、この適度なグリップ感はグリッパーグローブの大きな特長の一つとなっています。名前もGripper というくらいですから、どれほど当時このグローブをデザインしたORのこだわりが詰められているのか想像することもできません。
サイズ感はやや大きめに感じますが、ライナーグローブをするにはちょうど良いので、あまり小さくは選ばない方が良いでしょう。もともとが大きめなのでいつも選んでいるサイズをおすすめします。
ライナーグローブの重要性について
冬季にグローブの暖かさや機能を活かすには、前提としてライナーグローブを使ってください。もしライナーグローブを使わないということであれば、そのグローブの機能は半減するといっても言い過ぎではありません。
今では冬のアウトドアに出る時の必須アイテムとなった高機能アンダーウェア。ウールや化学繊維のものがありますが、その重要性は十分に認識されているはずです。ライナーグローブはまさに手にするアンダーウェア。山で手の冷えに悩まされているスキーヤー、ハイカーはぜひ試してみることをおすすめします。
フリースだから雪がまとわりついてすごいんじゃないか。_本州の湿った雪はたいしてまとわり付きません。本州・北海道の内陸の乾いた雪ならわかりませんが。
ビショビショになってしまうんではないのか。_このグローブがビショビショになる時には立派なレザーグローブもビショビショです。
濡れたら凍りませんか。_なんでも凍る時は凍ります。凍らないように注意しましょう。
焚き火には。_使ったら溶けるか、燃えます。
大抵言われるデメリットは、このグローブだけのデメリットではありません。このグローブ特有のデメリットはほとんどないと思います。
そして非常に多目的であるため、どんなアウトドアアクティビティにも対応するでしょう。それほど高価でないことも嬉しいポイントです。遠慮なく毎日でもどこでも使えるからです。雪かき。枝切り。荷運び。山に川にキャンプに。そして毎日使っているうちにちょっとごつい見た目も愛着に変わるはずです。