
Ultralight Tree Straps
Weight
63g
シンプルなハンモックを自由自在にするシンプルなツリーストラップ
ハンモックの軽量化への進化は非常に緩やかだったかもしれません。濡れた地面やマダニなどの害虫に対しての優位性はあっても、アメリカでもハイキング用のハンモックはそれほど際立ったものではありませんでした。これまではハンモック・システムの総重量が優位性を相殺してしまい、テントやタープにバグネットを足したものと重量的に大差なく、宙に浮いて寝たいか否か、それは個々人の好みの枠内でした。
それでも、軽量な素材が使用できるようになってウルトラライトなギアが開発されると、ハンモックにも応用されるようになりました。けれど本体の進化の割にはアクセサリー類の進化は忘れられていたのかもしれません。
2015年、ハミングバード・ハンモック社が開発したツリーストラップは、従来までのストラップに比して、半分以下の軽量化に成功しています。何が進化したのでしょうか?従来のストラップと比較しても革命的な技術進歩は見当たりません。他社でも導入されているウーピースリングや、金具無しで木に巻きつけることができるストラップのループなどのシンプルで最善な方法を取りながら、それにプラスして、とても小さな軽量化の努力を積み重ねて、市場で最軽量のストラップを生み出しえたのです。
従来モデルよりも少し薄手のナイロンテープ、少し細身のウーピースリングを使い、ステッチなども極力減らし、ロゴマークなども縫い付けないシンプルさを求める姿勢は、UL黎明期に多く見られた小資本メーカー(日本で言うガレージメーカー)のようなこだわりようです。最近はみなさんブランドの売り込みに余念がなく、小さなメーカーでもよく目立つ場所にロゴを付けますからね。
木に巻くストラップ部分は他社の軽量ストラップよりも長めになっていて、“長さが足りないから幹周りが細い木を探さなくてはならない”、なんてこともありません。一方で調整機能を受け持つウーピースリング部分は長さが1メートルと他製品と較べると少し短めに設定されていますが、ハンモックを設営するに適した二本の樹の幅は4-5メートル(ハンモック約2.5〜3m+ストラップ&スリング約2m)にはちょうどよい長さになっています。
もちろん厚くて重い素材が、より頑丈で長持ちなことはあるでしょう。ただ、ハンモックが使われるシチュエーションを考えると、耐久性ばかりを追い求めなくて良いのかもしれません。そんなウルトラライトなギアに込められる思想を感じます。
このツリーストラップは他社製のハンモックと組み合わせて使うこともできますし、木へのストラップの巻きやすさやハンモックとの接続しやすさなど、利便性を高めたい向きにはダッチ・ウェアギア社のダッチ・ビナやチタンフックなどと相性が良いですので、併用してみるのも良いでしょう。
最軽量という肩肘の張ったギアではなく、逆に肩の力を抜いてシンプルを極めたツリーストラップ。ぜひ愛用のハンモックと合わせて、もう一歩先の軽さを体験してみてください。



Hummingbird Hammocks について
軽さが全てではないけれど、軽さが自由さを生み出していることも事実です。自由自在に飛び回るとても小さく軽い鳥“ハミングバード”のように、自由自在に組み合わせられるとても小さく軽いハンモックギアを作り続けるメーカー、Hummingbird Hammocks 。
自身のパラシュートの経験において軽量な生地や強度の非常に高いロープなどを使用していたことから、自分用に軽量なハンモックを作ったのがきっかけで設立した、ハンモック専門メーカーです。ハンモックマーケットでずば抜けた軽さを誇る「Single」はたったの約147gです。寝やすさを重視した「Single+」でも約210g。ソフトカラビナを取り入れ、シンプルな構造を細部までこだわった結果、どこよりも軽いハンモックを作るに至りました。ハンモック以外に「Heron」もハンモック専用タープとしてはかなり軽量な約250g。もし最軽量なハンモック・システムを望むなら、<Single>+<Ultralight Tree Straps>+<Heron>の組み合わせで約460gは見逃せません。
これからもどんなアイテムを作り出すのか。じつに楽しみです!
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軽量で寝心地の良いハイキングハンモックといえばこちら→Sub 7(廃番)の 後継モデルはこちら『Sub 6』になります。
ハンモックと組み合わせて便利なカラビナはこちら→Dutch Biner
ツリーストラップと組み合わせて便利なクリップはこちら→Titanium Dutch Clip