
Walker Wool Shirts
Weight
419g
境なく歩く
旅人のためのウールシャツ
『Walker Wool Shirt』
ウールシャツは高い調湿機能と高い保温性に持っています。そのため寒冷な季節にはインナーからアウターまで幅広く使えます。一年をざっと見渡せば日本は涼しい季節の方が長いので、ウールシャツは一年中使えるということになります。それだけでなく、ウォーカーウールシャツの素材はとても柔らかく肌触りが良いため当てなどがなくても皮膚の薄い首回りでもチクチク感を感じることがありません。またそのフワリとした雰囲気はまるでフリースの様です。けれどフリースとは違いますから積極的に火の前に出ても問題ありません。それに復元性が高いのでシワも気にする必要がなく、どんな状態でバックパックに突っ込んでも大丈夫。高い抗菌性と防臭性でロングハイキングでも普段でも、それほどマメに洗う必要がありません。適度に詰まった生地の目は適度な防風性を与えていますし、複雑に絡んだウール素材は多少の雨なら体が濡れるのを防いでくれます。背中のタックやボタンで開け閉めできる袖はシャツに元々ありますが、動きやすさや体温調整ができるのは大切な機能です。広めのアームホールはアウトドアウェアとして考えたからです。そのシンプルなデザイン性は、ちょっと格好を気にするレストランでも自然に馴染みますし、一度トレイルに出ればとても多用途に使えるアウトドアウェアになるのです。
フロントボタンや胸ポケットは片手でも開け閉めができるように「スナップボタン(バネホック)」になっています。袖口は通常のボタン留めにしています。理由はスナップボタンにすると内側が金属になってしまいます。手や袖は冬季でも肌が出ることが多く、そこに金属部分が不意に触れると冷たいので、ボタンになっています。薄手のインナーグローブならボタンの付け外しくらいは十分できるはずです。
Walker Wool Shirtさえあれば状況を問わず、毎日でも着ていられる、まさに「Trail Bum」的な一着と言えるでしょう。
*微妙な素材感ですので、画像での表現に限界がございます。ご了承ください。
ブルー
グレー
レイブン
ウールシャツの魅力
「ウールのシャツ、山で良いですよ。」そう言った後輩K君の言葉を「何言ってんだよ。」と流して聞いたあの頃の僕を恥ずかしく思います。彼はウールのアンダーの良さも僕に教えてくれた最初の人でした。次に会ったら“ウール師匠”と呼ぼう。そう心に決めているのです!
閑話休題
僕の冬や春先、秋のハイキングの時には欠かせなくなったのがウールシャツです。あの頃とは違いむしろウールの魅力の虜です。雪山でのBCクロスカントリースキーでも、積雪の少ない冬のスルーハイキングでも活躍しています。フリースと比べ軽くはないですが、フリースのように暑くなりすぎることもなく温度調節も容易なので脱ぎ着の回数をぐっと減らしてくれます。襟を立てれば首の日焼けよけや防寒にもなります。適度な防風性があるので、ウィンドジャケットの出番も減ってしまったほどです。ウールは非常に断熱性が高いので、厚みの割に寒くない、要するに生地が薄く感じても暖かく、だからこそ用途が広いのです。長期のハイキングでも洗濯を必要とせず、シワにもならずいつも快適です。一度使い出すと(ウルトラライトハイキングが売りの店の店員ですが)重さでは変えられない魅力があるのです。別に天然素材偏重主義ではないのですが、アウトドアでの遊びを楽しんでいく中でたどり着いたのがここだったというだけなのです。今ではインナーもウール。シャツもウールです。中綿はダウン。もちろんこれは極地やアクティビティによっても異なるのは間違いありません。しかし、現代の撥水加工の元になる考え方は葉っぱが水を弾く原理ですし、合成繊維などのウェアの目指すオリジナルが天然繊維だということは事実なのです。最近ではウールもナイロンや他の合成繊維とのブレンドが増えてきました。そうすることでお互いの良い点をさらに活かせるようになってきています。
シャツというは、背広などと同様にもともと仕事服として生まれた衣類です。まだ編み物(ニット)をカットソー(Cut&Sawn)することが難しい時代に考えられた、シンプルで最低限の十分足りる機能を付加された動きやすいSports Wearなのです。 確かに「専用化」されたアウトドアウェアに魅力がないわけではありません。しかし、ハイカーはもちろん多くのアウトドア愛好家にとって、8000mで使われた実績の服も最高レベルの防水透湿性能も本当は不要なのです。今改めてシャツの機能を見直し、その使い方を知る時なのかもしれません。

仕様詳細
・ラムウールの生地について
ラムウールとは生後5ヶ月から7ヶ月の仔羊から刈り取った羊毛を言います。特徴としては通常のウールよりも繊維が細く柔らかいため、空気を溜めこみやすく保温力に優れると言われています。実際ウォーカーウールシャツの素材も驚くほど肌触りが良く、ウールのチクチク感がほとんどありません。首などの肌が敏感な部位にはコットンなどの裏当てをしているものが多いなかで、このシャツは裏当てがなくても気にならない、むしろその肌触りの良さを感じて気持ちが良いです。着れば着るほどその心地よさの虜になり、ずっと着ていたくなるほどの魅力があるのです。

ウールの特性としては今では広く知られるようになった様々な性能は天然繊維だからこそです。代表的なものとして抗菌性能、防臭作用、紫外線吸収能力がありますが、そのどれもがハイキングやアウトドアアクティビティにおいて有用であることは疑いの余地がありません。汗や皮脂から発生する臭いを抑えます。それだけでなく焚き火で燻された臭いもつきにくいですし、風の通るところで干しておけば数時間でほとんど臭いがなくなります。僕は臭いがつきそうな食事にいくときはあえてウール製品を着ていくほどです。もちろん洗いますけどね。しかしウールはその抗菌作用によりこまめな洗濯をしなくても汚れにくい素材なのです。何日間か洗濯をすることができない長期ハイキングの場合にも助かります。これほどの機能を備えている素材を科学的合成的に作るにはかなりの加工を要します。ところがその方が安価になるので経済的には有利なのかもしれませんが、その多くは限りのある石油製品がベースとなっています。それに対してウールは持続生産が可能な天然素材なのです。さらに羊は衣類だけでなく食用にもなることで長い長い時間人の文化を支えてくれているのです。それに感謝しつつウール製品を大切に、そして積極的に使って欲しいと思うのです。
・フロントのボタンのこと
シャツといえば通常は縫い付けのボタンとボタンホールですが、スナップボタンの中でも日本では“バネホック”と呼ばれるボタンを採用しています。一般的な金属製のスナップボタン(アメリカンホック)だとボタンを留めていないときに構造上の問題でカチャカチャと金属が当たる音がします。バネホックはスナップボタンと比べると固定力は弱いですが十分ではありますし音もしません。気にならない人も多いとは思いますが、ちょっとした気遣いでしょう。前立てはスナップボタンの補強とコシを出すために二重にしてあります。こうすることで片手で一気に開くことも可能ですし、厚手のグローブでもボタンを留めることができます。ボタンの留める箇所で微妙な体温調節も可能でしょう。今では保温行動着の主となっているフリースジャケットのジッパーではできないことなのです。

・襟の高さ
Yシャツやクラシカルなシャツのようには高くはありません。ですので窮屈感はありませんが、丸首のように首回りがスースーすることも少ないので、ネックゲイターの使用回数がぐっと減るかもしれません。襟を立てれば日除けにも防寒にもなります。
・袖のボタンのこと
袖のボタンは他と異なり、縫い付けボタンになっています。なぜかというと、スナップボタン類では受けの土台が必要なので、袖の裏側に必ず金属部分がくるのです。それがとても寒い時に不意に手や手首に触れた時の冷たさといったら言葉がありません。それを防ぐために、ここはあえて普通のボタンにしたというわけです。それ以外は普通のシャツ同様です。閉じたり開いたりまくったり。体温調整が幅広く容易に行えます。これってアウトドアウェアとしてすごいことですし、今では保温行動着の主となっているフリースジャケットではない機能でしょう。

・洗濯について
本来ウールは繊維そのものの性能としてこまめな洗濯を必要としません。また、洗剤を使わずに水洗いをするだけでもほとんどの汚れを落とすことが可能です。洗剤が必須となるのは皮脂や汚れが落ちにくい合成繊維(ナイロンやポリエステル、アクリルなど)です。ウール100%でなくてもウール率が80%以上の生地や素材は今までの経験上、ウール同様の扱いで問題が少ないように思います。しかし、肌に直接身につけるものとそうでないものでは汚れ具合に違いがありますので、それに合わせた洗濯が必要になるでしょう。
付属している洗濯表示を見ると、「家庭での洗濯禁止」「乾燥機禁止」「石油系のドライクリーング」とあります。もちろんその表示に従っていただくことが間違いありません。しかし旅先はもちろん、なんとか自分での洗濯を考えらる場合は、家庭での水洗いも可能です。ですが万が一、縮みやねじれ、その他不具合が出たとしても当店では一切の責任を負い兼ねますので、その旨ご理解ご了承の上全て自己責任において洗濯することをお願いいたします。
【洗濯機の場合の注意点】
- 「水洗い」に限ります。「ぬるま湯」や「お湯」など温度が高めの水では縮みが出やすくなります。
- 洗剤は中性または弱酸性をお使いください。天然繊維はアルカリ性の洗剤ではタンパク質が溶け出すことがあり、風合いを損なうことになりますのでやめたほうが賢明だと思います。
- 生地の傷みを防ぐために洗濯ネットを使うようにしましょう。
- 適量の水、適量の洗剤を入れて洗濯機で洗います。その場合「弱回転」またはそれに類するものが選択できればそのようにしましょう。
- 残留洗剤を避けるために「すすぎ」はしっかりと行います。
- 干す際は、風通しの良い陰干しがおすすめです。
- 上記は全て自己責任の上おこなってくだい。
【手洗いの場合の注意点】*袖や襟など汚れやすい部分洗いにも向いています。
- 「水洗い」に限ります。「ぬるま湯」や「お湯」など温度が高めの水では縮みが出やすくなります。
- 洗剤は中性または弱酸性をお使いください。天然繊維はアルカリ性の洗剤ではタンパク質が溶け出すことがあり、風合いを損なうことになりますのでやめたほうが賢明だと思います。
- 適量の水、適量の洗剤をたらいなど入れて押し洗いをします。部分洗いの場合は少量の洗剤を水に溶かしてから軽くもみ洗いをすると良いでしょう。
- しっかりとすすぎをした後は、タオルなどで水気をしっかりと吸い取ってから風通しの良いところで干してください。
- 上記は全て自己責任の上おこなってください。
About the Trail Bum®
「Bum」とは、何かに熱中、没頭する人たちのこと。Ski Bum、Surf Bumといった言葉のように、Trail で過ごすこと、楽しむことが好きな人たちを、Trail bum(トレイルバム)と呼ぶことにしました。トレイルバムたちは、無駄が少なく、直しながらでも使い続けられるような道具を好みます。そしてトレイル上では限られた道具だけで長い時間を過ごします。長い旅の中でトレイルバム達にとって自然と街は同じ目線「どちらも日常」でフラットになるため、自然の中では高機能でありながらタウンユースでも馴染むシンプルなデザインを選ぶのです。そんな彼らのトレイルライフのように、シンプルでいて無駄の少ない道具や衣類をデザインし作ることを目的にできたメーカーが “Trail Bum®” なのです。
〈ロゴの意味〉
アメリカのロングディスタンストレイルの多くには "Blaze"と呼ばれる印があります。そのBlazeは微妙にラウンドした三角形のような形状をしており、それがTrail Bum のロゴのベースになりました。それに沿うように付けられたラインは “繋がっていく” “続けていく” 思いを込めて“道”を表現しています。この一歩はあの道に繋がっている。そう思いながら日々を過ごすTrail Bum たちの気持ちの一端と言えるのかもしれません。
Trail Bum®のホームページはこちらから https://trailbum.jp
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