
参考商品:Cirrus Polo(メーカー廃盤・在庫なし)
Weight
190g
スポーツシャツの元祖のひとつとも言えるポロシャツスタイル。ラガーシャツもテニスシャツもゴルフシャツもポロシャツからの派生でしょう。また今ではカ ジュアルなシャツとしても広く認められています。トラディショナルデザインながら機能的なので、街から野山まで自由に活躍します。ちょっと肩の力を抜いて、山の服を楽しみましょう。
カラー Regatta
サイズ展開 US Sサイズ、Mサイズ
Cirrus Polo の特徴
シンプルの中の機能的デザイン
Cirrus Polo はシンプルなデザインなので、カジュアルにもハイキングでもちょっとお洒落に着ることができます。立ち襟タイプのジップネックも、こういった襟付きのポロシャツなどから転じているのは自明で、そもそも機能的なデザインなのです。襟を立てることで、陽射しから大事な首を守ります。また寒さも軽減してくれるので、手ぬぐいなどを巻かなくても、スマートに保温をすることができます。開きにはボタンは無く閉じることはできません。涼しさを強調するようなデザインといえます。
新たな素材
そのCirrus Polo は、ibexの新たな生地「Weightless Wool(WW)」を使用しています。これはナイロンのCore(核)にウールを巻きつけているもので、従来からある製法です。しかし、割合はメリノウール87%、ナイロン13%と、どんなハイブリット素材よりもウール混率が高いのはウールメーカーならではのこだわりと言えるでしょう。この混紡により従来の平米辺りの目方からすると丈夫な生地になります。夏の高山であれば例えウール100%でもそれは暑すぎることもなく快適に使えるでしょう。しかし、蒸し暑さの溜まる都会でももう少し快適に使えるものとして開発されたので、ibexの中でも最薄の145g/m2 になります。速乾性もやや付与されていると考えられます。
ibex Live シリーズ
ibexのLiveシリーズはオン、オフを問わずに使うことができるものをデザインしています。Ibexにあって他メーカーに無いのはこのLIVEシリーズのデザイン性の高さです。一見普通のデザインでも着てみるとシルエットが美しいです。また、ほとんどのものがハイキングでも使えるように、主張しない程度に切り返しやオフセットなどがあり、機能を増しています。ウールのウェアは様々なコンディションでも体温を調節する機能をもっていることは多くの人が知るようになりました。ハイキングにおいてはほとんどの人がウールのソックスを使うのもそういった理由からでしょう。Ibexのウールアンダーウェアは18.5 micron という細さのウールを使用しているのは他のメーカーと同様ですが、独特な光沢感があり、シルキィな雰囲気で着心地に優れています。
ウールの機能とは
『ウールは暑い。冬のもの。』そう言った考えがあるのもわかります。事実僕たち自身がそう考えていました。もちろん標高の低いところなどでは圧倒的に化繊アンダーの方が熱を奪い身体をクールダウンさせてくれるでしょう。しかし、高山帯は夏といえど汗をたくさんかき、汗冷えも起こります。その為に化繊シャツに重ね着するものとして撥水アンダーというものを最近では見かけるようになりました。しかし、そんな時こそ濡れ感が少なく汗冷えしにくいウールが役に立ちます。雨に降られ雨具の中がどんなにびしょ濡れになっても体温の低下をできる限り防いでくれます。それも、一枚で、です。天候の変化が激しい春や秋には特に必要な機能でしょう。
ウールは確かに化学繊維と比べて乾きにくい素材です。しかしこれはウィッキング性、拡散性が少ないだけなのです。良い点として吸放湿性、抗菌防臭性、汗冷え感のなさと言えます。吸湿性と放湿性の高さにより一定の肌心地を保ってくれるだけでなく、ウールは湿度が上がると繊維の中に水分が入るのを防ぎ、繊維表面は水を含まないため、実際には乾きやすいと言えるでしょう。防臭性は天然繊維の中でも特にウールが持つもので、バクテリアを分解し臭いのもとを防いでくれます。汗冷え感の少なさは繊維の表面が水を含まないため、濡れ感が伝わりにくいことと、乾燥が化繊と比べてゆっくりと行われるため、急激に体温を奪って行くことがないからです。
また、このシャツは冬にも役にたちます。冬には化繊の長袖アンダーもしくは吸汗性のあるフリースの下に着ると、普通は乾きにくいウールですが上に着た吸汗性素材が濡れをどんどん外へと出してくれるのです。そうすることでウールがドライな状況が続きより保温性が高まります。もちろんウール同士を重ねても良いのですが、水切れの良さや速乾性ではポリエステルにかなわないので、上手くその両方の機能を役立てる一つの方法だと考えて下さい。
化繊と違い、ロングトレイルにおいてもウールの防臭性の高さから臭いを気にする必要が無いのも良いところでしょう。最近では臭いが出ないような加工が化繊アイテムにはされるのが普通になってきましたが、それでも化繊のものを長く着続けた人ならばあの嫌な臭いはわかると思います。もし着替えがなくてもウールならば一目を気にせず電車やバスに乗ることだってできるのです。もちろん身体が臭いのはどうにもなりませんが。。。
Ibexは製造過程をより自分達でコントロールし、より高い品質を得るため、アメリカ国内での循環生産に力を入れ始めました。それが全てに及ぶのは時間がかかりますが、メーカーとしての姿勢は素晴らしいものと受け取れます。Weightless Wool はオーストラリアメリノウールを使用し、生地はThailandで作られ、アメリカ国内で縫製されています。
高機能な化学繊維生地の方がインパクトも強くたくさんの種類が作られていますが、着た人にはわかるウールの良さが確かにあると思います。ウールは天然素材でそれ自体が温度を持っているのため、寒冷な季節にはふんわり暖かく、温暖な季節には少しひんやりと感じるのです。素材は化学繊維と比べ摩擦に弱く耐久性は低いのが事実です。しかし、循環可能な天然繊維であればこそきっと使う価値が大きいのだと思います。
このこだわりがあればこその高品質をぜひ体感してみて下さい。