
Shugo
Weight
188g
その名は「シュゴ」。まさに『守護』という意味。
八分丈という長さは、脚の運びを妨げずに、最大限雨や風から守ってくれるサイズです。素材は3層 Pertex Shield+。その防水透湿性の高さはもちろんのこと、裏地があるからこそ可能な単体でのはき心地の良さ。細部にまでいき渡るこだわり。使うごとに良さを痛感するレインパンツです。
そして、2017年に生地をアップデート。40デニールとパンツとしては安心できる強度への変更だけでなく、メカニカルストレッチが付加されたことで、より自然な風合い、そしてさらなる動きやすさを手に入れました。
AXESQUIN SHUGO
スネズ(素鼠)*繊細な色合いのため、写真と実物で色が異なる場合がございます。
ウグイスチャ(鶯茶)*繊細な色合いのため、写真と実物で色が異なる場合がございます
“凌(しのぎ)”をコンセプトに日本の山のためにデザインをする AXESQUIN
〜 凌ぐとは、足りることを知ること。〜
雨を凌ぐ 風を凌ぐ 寒さを凌ぐ 汗を凌ぐ 難所を凌ぐ 煩わしさを凌ぐ
日本の気候風土にあった日本の衣服と海外の登山文化を融合したアイテムを発信し続ける日本メーカー「AXESQUIN(アクシーズクイン)」。今までも僕達を驚かせるアイテムを数多く出しています。そして、2016年からコンセプトが加わります。今までも根底にあったものですが、明確に打ち出しました。それが“凌(しのぎ)”です。防ぐのではなく拒否するのではなく、受け入れて知り凌ぐ。受け入れることで自然との深い交わりがあります。凌ぐのに過剰な道具は要りません。最低限の道具と人の知恵があれば凌ぐのは難しくありません。知恵を使い道具を使いこなすことは喜びや楽しみです。そんな“凌”の思いを込めてアクシーズクインはデザインしています。
ハイランドデザインのオリジナルアイテムも影響を受けています。中でもカラーセンスとパターンは特徴的です。日本の伝統色をいち早く取り入れながらも、日本過ぎない、絶妙な色合いを出すのです。また細部のデザインパターンは日本の衣服をモチーフにしています。
日本で“凌ぐ”アイテムは日本だけのものでしょうか。そんなことはありません。日本と海外の登山文化が融合したアイテムの代表格はツェルトでしょう。ヨーロッパのトラディショナルテントが日本のハイキング文化と融合することで生まれた、日本の気候風土で活きる超軽量テントです。しかし、日本の気候風土に合うからと言って国内だけでしか使えないのでは無く、日本の気候は世界的に見ても複雑で、日本の山野で使えるものは世界的に見ると非常に使用範囲の広いアイテムになるのです。
日本のハイキングは雨と上手に付き合うのが大事
日本の多雨多湿はハイカーにとっての問題です。温暖な季節はハイキングにとっての適期ですが、同時に雨の恵みを受ける季節でもあります。
着ると暑い、でも着ないとびしょ濡れになるのがレインウェアです。しかし汗かきの人はレインウェアを着たら今度は汗でびしょ濡れになるという経験は多くのハイカーが体験しているのではないでしょうか。レインウェアは上着しか着ないという人もいるでしょう。濡れたハイキングパンツも天気が良くなれば乾いてしまうのですが、日本の多湿環境では思うように乾きにくいのも事実です。しかしレインパンツを履いても汗で結局パンツまで濡れてしまうという汗かきハイカーも少なくないではと思います。そんな濡れたままでテントや山小屋で過ごすのは体力の回復を妨げるだけでなく、ハイキングの楽しみも削がれてしまいますね。
レインパンツを直接履いてもはき心地が良く、しかもハイキングパンツみたいに歩きやすかったら良いのに、というそんな思いに応えてくれたのが「シュゴ」なのです。
素材の特徴と有用性について
・そのまま履けるレインパンツ
レインパンツを直接履いてしまう良さは、「乾いたもの」を残せる点にあるでしょう。ハイキングにおいて濡らさないというのは大切なことです。これは体温保持や快適に過ごすためです。また、濡れてしまうかもしれない状況の時に、面倒でも一度着替えてしまえば、汚れや濡れを気にせずストレスなく行動できます。
シュゴは、珍しい Pertex Shield+ 3層でメカニカルストレッチの生地を採用しています。表地には40dナイロン。今までの3層構造生地で使われているものと比較しても非常にスムースで柔らかく、やや起毛したような感触さえあり肌触りは良いです。光沢感がほとんどないマットな質感になっているため、「これが本当にレインウェア!?」と疑いたくなるような雰囲気です。ですので、普段のパンツとしても、ハイキングパンツとして履いていても違和感がありません。
裏地は7dトリコットナイロン。裏地が付いていることで、素肌が直接触れても不快なことがありません。さらっとしていて汗をかいてもまとわりつきません。最近の軽量レインパンツの多くは2.5層生地のため、裏地プリントがあるとはいえ決して良いはき心地ではないです。最近では新たな素材で2層や2.5層でもはき心地が良いとアピールされたものもありますが、それはあくまでも従来の2.5層と比べてということで、3層生地と比較したものではありません。
実際にこういうお客様がいました。「一度試したらあまりにもはき心地がよく、近所をウォーキングするときにもこればかり履いている。少々高いけれど、もう一本欲しくてね。」そう仰ってリピートしていただきました。
Pertex Shield+の防水透湿膜はPUラミネートになります。最新のクリアラミネートではありませんが、それでも耐水圧で20,000mm以上ありますので、十分な防水性を持っています。透湿性も20,000g/m2/dayありますので、十分すぎる機能を持っているといえます。(JIS B-1法)
・あつさを凌ぐ工夫
レインパンツを長時間履くためには、蒸れを軽減することが必要です。シュゴは腰の部分がメッシュになっていて蒸れを逃がす構造になっています。モンチュラというメーカーのレインバミューダというレインパンツも同様に腰周りがメッシュになっているのですが、腹から腰にかけて周でメッシュになっていて広過ぎるため、抜け過ぎて夏以外は寒すぎるといった欠点がありましたが、シュゴは腰のみに留めているため、温かさも保持しつつ蒸れを逃がしてくれます。また腰部分は汗が溜まりやすい所でもありますから、早く乾かすためにも一役買っているでしょう。
腰はバンジーコードで締められるようになっています。適度な締め感が得られやすいです。フラットで邪魔にならない方式と薄いコードロックが付いています。
通常のパンツというのはストレートと言っても実際にはテーパーがかかっています。これは人間の脚が太ももから足先にかけて細くなっているからでこれに合わせたものがストレートパンツなのです。シュゴの場合、2015モデル以降シルエットを綺麗に見せるためにやや細くなりましたが、ストレートにかなり近く作られています。太ももの周りと裾の周りの差がとても少ないです。そしてこれが実に良いのです。
まず空気が下から入りやすくなります。そして、脚の動かしや膝を上げた時にも引っかかりにくく、突っ張りにくくなっているのです。だからといって変に太すぎるということもありません。膝に入った立体カッティングのお陰でやや膝が細く見えるようになるため、見ているよりは履いてしまうと、その太さに違和感がなくなります。
またこのテーパーの少ない構造のお陰で、どんなにまくっても細くなりすぎないのです。テーパーしているパンツ(ほとんどがそうですが)は裾をまくっていくと上が広いためだんだんとしわが寄ってきてしまったり、まくるごとに厚みが増すため、窮屈になったりします。しかしシュゴの場合、裾幅の広さも相まってか、かなりまくっても筒が極端に狭くなったりしません。また薄い生地のため厚ぼったくなることも少なくて済みます。そうするとショートパンツのように履けてしまうので、降ってたけど雨が上がってしまったときや、気温が高い時など便利です。ジップオフパンツではないけれど、まるでジップオフの様に体幹の重要な部分は濡らさず冷やさずに、状況に合わせて長くしたり短くしたりと調節が用意なのはうれしいポイントです。
*モデル身長175cm 体重65kg
・絶妙な丈の長さと絶妙なポケット
丈の長さは、八分丈。カタログでは七分丈と書いていますが、七分にしては長く、九分にしては短い、まさに八分丈パンツです。この絶妙な長さが素晴らしい。立っていると、脚のほとんどを隠しています。ゲイターがあればほぼ脚全てを覆います。裾はすぐに汚れてしまったり、濡れてしまうポイントです。防水ブーツを履いている場合など、ブーツが防水なのにわざわざパンツを濡らして汚しています。非防水シューズを履く人ならなおさらです。どうせ濡れるのなら濡れる部分は最低限にとどめておきたいものです。しかし、これ以上短くなると空気が入り込みすぎて防風、保温での効果が乏しくなってしまいます。上でも述べたように暑ければまくれば良く、伸ばしてもギリギリをカバーし、無駄に濡れたり汚れたりしない、ちょうど良い長さなのです。まるで袴のような長さなのかもしれません。
レインパンツには珍しく、右太ももにカーゴポケットがついています。いらないと思う方もいるかもしれません。しかし、ハイキングパンツとして考えると一つは欲しいものです。また、レインパンツを履いていて、不意にポケットに手を入れそうになって、“あっ、なかった”という経験ありませんか。この一つがうれしいのです。大きさは山と高原地図やポケット図鑑が簡単に入れられる余裕があります。
裾の絞りはバンジーコードです。この部分にバンジーコードが入ることで張りがでて、ばたつきにくくなります。
・替えのパンツとしても使えて200g以下
重量は188g(Japan Lサイズ)。最初のころよりは少し重たくなってしまったのが残念といえば残念ですが、旧モデルLサイズと現行モデルLサイズを比較して、約12gの増量で高い汎用性とストレッチ機能が手に入ると思えば贅沢な悩みなのかもしれません。
僕は今までもシュゴを積極的に「着替えのパンツ」として使用していますし、時にはシュゴが「メインのハイキングパンツ」になることもあります。単にレインパンツとしてだけ考えればもっと軽いものもありますが、この多用途に使えるということを加味すれば、200gを切っているのは十分に軽いと言えるでしょう。これらは3層構造生地だからこそえられる機能や汎用性なので、2.5層生地ほどの軽さという恩恵は受けられませんが、その分のメリットはおおいにあると思います。
・サイズについて
身長175cm 体重78kg のスタッフでLサイズ。
身長165cm 体重65kgのスタッフと身長175cm 体重62kg のスタッフでMサイズ。
サイズが変わると丈と腰回りの大きさが変わります。お尻はもともとかなりゆったりとしたモンペのような作りになっています。
アクシーズクインのサイズ表記はユニセックスの日本サイズとなります。
US XSサイズ → JPN Sサイズ
US Sサイズ → JPN Mサイズ
US Mサイズ → JPN Lサイズ
・色使いについて
アクシーズクインのなんといっても特長の一つはその色選びにあると思います。
素鼠(スネズ) 鶯茶(ウグイスチャ)
聞いただけではもちろんピンとこないかもしれませんが、なんとなく雰囲気だけは伝わってくるのはそれが日本語だからだと思います。そして見ると妙に納得してしまう。決して派手でも、地味でもなく、自然の中にしっくりと馴染み、静かに主張するそんな色になっています。
素鼠(スネズ)
鶯茶(ウグイスチャ)
6月の信越国境ハイキングや10月の高島トレイルハイキングの時にはハイキングパンツとして長く着用していました。高島トレイルハイキングの際は、四日間ずっと晴れている時もショートパンツ状にしていましたが、何のストレスもなく、むしろ汚れていても多少濡れていても気にせず座れるし、へたなハイキングパンツよりもよっぽど快適に歩けました。