
Prism Glove
Weight
61g
手が冷えることは想像以上につらいものです。できる限り冷える前の対策が重要ですが、それでも冷えてしまったときに、しっかりとした温かさを提供してくれるグローブがあると、冬のハイキングはもっと楽しく過ごせるのではないでしょうか。
MONTANE Prism Glove
保温効果を高める工夫
単純に温かくしようとしたら、たくさんの中綿素材を入れればよいと考えるかもしれません。しかし、それでは重量は増すばかりです。では、軽量にしようと考えれば、内側も外側も薄く軽量な素材にすればよいと考えるかもしれません。しかし、薄く軽量な素材は大抵がつるっとしていて、素肌に直接身につけると不快ですし、ひんやりと感じるものです。
軽く温かくするためには、一枚内側にマイクロフリースを加えれば良いのです。これだけで、人間の肌は驚くほど温かく感じるものです。中綿は40g/m2 PrimaLoft® Gold。
厚みとしては薄い部類ですので、もしこれが保温材が中綿だけとすれば、暖かくないでしょう。しかし、これにマイクロフリースが加わることで、1.5倍にも2倍にも暖かく感じられるようになるのです。
裏側の生地が、薄手のシェル素材の場合とマイクロフリースの場合で起こる現象を以下にまとめます。
- 内側素材が薄手の軽量生地の場合
- 生地に保温力がないため、手を入れた時にひんやりと感じやすい。
- 生地が通気を妨げるため、効率よく中綿に体熱が伝わりにくい。
- 水分を吸わない。
- 中綿量を増やし保温力を高めることは重量増に直結する。
- 保温材である中綿に熱が溜まりにくく、主な役割が断熱になっている。
- 内側素材がマイクロフリースの場合
- デッドエアスペースがダイレクトにあるので、熱が溜まりやすく暖かく感じやすい。
- 素材にウィッキング(吸い上げる)性能があり、手をドライに保ちやすい。
- 中綿を増やすことなく、効率良く保温効果を出せるため、軽量化につながる。
- 中綿が断熱を、マイクロフリースが保温を、それぞれの素材の特徴が活かせる。
中綿素材
使っている素材はPrimaLoft® Gold。PrimaLoft®素材 の中でも撥水性と水切れの良さに優れています。そのため、PrimaLoft® Goldは濡れた時と乾いた時で保温力にほとんど差がないのが特徴です。また他の化繊綿(シンセティック)に比べ、暖かさ、柔らかさ、圧縮性の高さが挙げ られるでしょう。
化繊綿のメリットは、フリースや通気性を重視したPolaetec Alpha®などの保温材よりも保温力に優れ、圧縮性が高く、ダウンよりもハードユースに耐えられる強度を持った素材と言えます。
化学繊維のインサレーションは未だにダウンの性能を越すどころか追いついてもいません。ダウンはそもそも水鳥の羽なので思っているよりは水に強いです。し かし、完全に濡れてしまえばその保温力がゼロに近いのもまた事実。ミトンやグローブでの使用を考えたとき、行動中、作業中に不意に濡れてしまうことはよく あります。そんな時もシンセティックインサレーションだから気兼ねなく使うことができます。
アウターファブリック
Pertex® QUANTUMを外側の生地に採用。これにより、高い防風効果と一定の通気が行えるようになります。不要な湿度は逃がしながらも防風性が合わさることで、中綿による断熱とマイクロフリースによる保温を維持することができます。
サイズ感
中綿入りのグローブは、膨らみを出すために作りとしてはゆとりがあります。ですが、小さくしてしまうとせっかくの保温力が活かしきれなくなります。指先まで中綿が入るため、細かな操作は元々しにくいと考えてください。モンテインのグローブは、海外メーカーサイズとしては小さめで、日本サイズに近いと考えて良いでしょう。
- 手首から中指の尖端まで20cm以下 手の横幅の周り22cm以下 Mサイズ
- 手首から中指の尖端まで20cm以上 手の横幅の周り22cm以上 Lサイズ
だいたいの目安ですがご参考になさって下さい。
(インナーグローブを併用できる位の余裕があります)
重量
重さは、ペアで61g(実測値)。厚手のウールのグローブの場合、重量は100gオーバーは当たり前です。軽いものでも80g台ですが、保温力はそこまで高くありません。また、同様の保温力を持ったフリースのグローブがあっても重量は比べるべくもありません。高い保温力を持ってしてこの軽さは他のグローブには無い特筆すべき点の一つです。冬期用保温力重視のグローブとしては他メーカーのオーバーグローブと組み合わせて使っても、重量ダウン、保温力アップに一役買ってくれるでしょう。
圧縮性
圧縮性も魅力の一つです。これだけ小さくなればパンツのポケットにも入れられるし、バックパックのサイドポケットにも簡単に入れられます。冬のハイキングはどうしてもかさ張る物が多いのでバックパックの容量を上手に使うためにも、圧縮性、収納性の高さは冬になるほど重要度を増します。
その他の仕様
手のひらは表面素材と同じで、滑り止めは付いていません。ですので、単体で使用の場合は持つ道具自体に滑り止め加工が無いと滑りやすいです。指先にはスマートフォンなどの画面タッチ対応の生地が使用されています。
手首部分の内側にはプルループが付いています。これにより、片方グローブをはめた状態でもう片方のグローブをはめるときや、インナーグローブとマイクロフリースとの摩擦で滑りが悪くなった場合でも簡単に着脱することができます。