
TUFF BAG
Weight
69g
縫目はフルシームシールされた完全防水オーバーミトン。冬季使用を念頭においたオーバーミトンとしてはペア実測69g(註1)は驚きの数値。
高い自由度が魅力の軽量オーバーミトン
素材やパーツを見直しての軽量化ではありますが、そもそもオーバーミトン自体がシンプルな道具。必要とされる基本構造はしっかりおさえられています。従来のオーバーミトンよりも60%以上軽量化されたこのタフバッグは、収納サイズにも違いが見てとれます。
片手35g、レイングローブ並みの収納サイズ
ここまでコンパクトになる完全防水オーバーミトンならば、何も出番を冬だけに限る必要はありません。グローブよりも保温性能に勝るミトンです。春や秋の冷たい雨対策として、無雪期用レインミトンとしても使用してみてはいかがでしょうか。いわゆるレイングローブは目止めされていないものがほとんどです。とくに指先の消耗&漏水はさけられません。ならばいっそのこと保温&防水に効果が高いミトンをレイン用(註2、註3)に使用してもおかしくはありません。
ポリウレタンによる滑り止め加工
手のひらは滑り止めとしてポリウレタンによるドット加工が施されています。しなやかでかつ高いグリップ力を誇りますが、耐久性を比較すると分が悪いといえるでしょう。しかしこのしなやかな手のひらがあるからコンパクトに収納できるのです。
フルシームシールのGORE-TEX Paclite Shell
シームシールをあえてしていないオーバーミトンもありますが、タフバッグではフルシームシールされています。無雪期のレインミトンとしても考えた場合、これによって他のレイングローブとの差別化ができるのは歴然です。またPaclite Shellは裏地が水や湿気を吸わないため、内部が濡れても拭きとれば簡単に水気を取り除けるというメリットもあります。
有る無しで大きく違うリストストラップ
ガレージメーカーにはリストストラップ無しという製品もありますが、グローブやミトンのフィット感は集中力にも大きく影響します。ミトンは手作業をしていると、どんどん外れやすくなります。グローブ以上にリストストラップによる手首の固定は重要です。もし必要ない場合、切り取るのはハイカーの自由です。ナイロンストラップとラダーロックの重量はバカにできません。
森林限界2500mを越えて冬季に使用することだけを考えるのであれば、ペア100gを越えるしっかりしたモデルが耐久性ふくめて安心して使えるでしょう。しかしタフバッグはこんな場合により有効な道具といえるのではないでしょうか。
- 冬季用ギアの更なる軽量化を考えている
- 冬季登山用にかさばらないスペア用オーバーミトンを探している
- 森林限界内でのハイキングで従来のオーバーミトンをオーバースペックに感じている
- 残雪時期のスノーシューハイク用にインナーグローブ+αの何かを探している
- 完全防水で軽量なレイングローブを探している
フィッテングについて
ミトンは指先の感覚を重視するグローブとは異なるので、サイズによる大きな差はあまりありません。
写真は、手のサイズが、手首ー中指長さ)18.5cm 親指ー小指間)20.0cm 手のひら周囲)19cm
という男性がタフバッグMサイズを着用した場合です。一般的なUSのSサイズよりもやや小さく感じるので、他の海外メーカーのものよりもハーフサイズくらい小さいようです。インナーグローブを着用して使用することを考えるとMでちょうど良いか、キモチ大きいかと感じる程度でした。
無雪期のレインミトンとしても兼用することを考えているハイカーはサイズを悩んだら小さめを試してみることをオススメします。
註1)国内流通品においてタフバッグより軽い完全フルシームシールのオーバーミトンは価格も驚きのHAGLOFS グラムシェルミトン(50g)くらいではないでしょうか。その他にはHELLITAGEのオーバーミトンなどもあげられますが、こちらはシーム処理がされておりません。自ら目止めをすればシームテープ分は確実に軽くなりますが、完全防水とまではなかなかいきません。使用者がどこに重きをおくかでこれらの選択は変わってくるでしょう。
註2)アメリカのガレージメーカーMountain Laurel Designsではハイカー向け軽量レインミトンが発売されています。このモデルは手首の固定用ストラップを省略した袋構造となります。
註3)タフバッグは2レイヤーのGORE-TEX Paclite Shellとなります。他の2レイヤー商品同様、メーカー側はインナーグローブ無しでの単体使用を想定していないと思われますので、あくまで自己判断での使用アイディアであることをご了承ください。