
Tsurugi Lite JKT with Aqua Breath
Weight
240g
高耐水・高通気
Aqua Breath 採用
優れた汎用性を誇る
『Tsurugi Lite JKT w/ A.B.』
2019年は100着限定の先行販売
日本のドメスティックブランドとして、その人気を国内でも確実なものとしつつあるTeton Bros.。創業当初はスキーヤーを中心とした層に支持されてきましたが、今ではアルパインクライミングだけでなく、ハイキング、トレイルランニングなど様々なマウンテンアクティビティを楽しむ層から支持されるようになりました。スキーヤーからの支持を集めた製品が同社のフラッグシップモデル「TBジャケット」だとすれば、クライマー からの支持を集めた製品が「ツルギジャケット」、ハイカー&ランナーからの支持を集めた製品が「ツルギライトジャケット」だといえるでしょう。独特な着脱用ジッパーが特徴的なプルオーバーモデルをまずは整理してみましょう。
“Tsurugi” のはじまり
ツルギジャケットはアイスクライミングでの使用を主目的とした冬季用ジャケットとして2013年に発表されました。上半身の動きを少しでも拘束しないようセンタージッパーを排したプルオーバースタイルを採用。着脱用ジッパーは同ブランドのフラッグシップモデルでもあるTBジャケットのベンチレーションジッパーと同位置に配置。鎖骨から脇下まで斜めに設定されているため、バックパック着用時もストレスを感じずにベンチレーションとして開閉できます。またハーネスとの干渉を防ぐため、着丈も冬季用モデルの中では短めに設定されています。何よりもPOLARTEC社が「全天候対応の新革命」とうたう防水透湿素材Neoshell®︎を採用することで高い透湿性を確保。さらにストレスの無いしなやかな着心地をユーザーに提供しました。冬季用ジャケットとしては他に類を見ない300gという軽さも特筆すべき魅力です。
『ツルギジャケット』
アイスクライミングなどを中心とした
冬季のアクティビティにも対応可能な
“ライトウェイトハードシェル”
汎用レインシェルへの進化
“透湿性”としての数値が出ないほどの「通気性」をもたせた防水透湿素材というふれこみでシェル内部を少しでもドライにしたいというユーザーがNeoshell®に注目しはじめていたこともあり、ツルギジャケットは無雪期用レインシェルとしても注目されることになります。実際にハイカーズデポオーナーの土屋もサンプルテストとして2013年夏にはアラスカ ブルックスレンジで約1ヶ月間連続着用しています。しかし2010年代前半は超軽量レインシェルが続々と登場し100g台後半のモデルが標準になりつつあった時期です。300gという重量はやはりレインシェルとしては重たい。そこで200g台の汎用性の高いオールシーズンモデルをということで企画されたのがツルギライトジャケットなのです。
無雪期にもためらわずに携行できる重量基準を250gと設定し軽量化&シンプル化が施されました。こうした取り組みの中でも大事にされたのはTeton Bros.としてのこだわり。それは「山岳ウェアとしての最低限のオールラウンド能力」です。無雪期ならばオントレイルだけでなく、オフトレイルのアルパイン環境でも使用可能なプロテクション能力は譲れないということです。積雪期にまったく対応できないというのでは teton Bros.がラインナップする意味がありません。同社の他の冬季用シェルとの橋渡しができるだけのポテンシャルは必須なのです。それはTeton Bros.が「冬」「雪」「滑り」という要素をブランドアイデンティティーとして重視しているからに他なりません。軽量を意識したシェルにもかかわらず、フードのツバが省略されていないこと、レイヤリングの幅に対応するためにスタンダードフィットが採用されていること、生地も極端に薄くはせず強度を担保していること。こうした点にTeton Bros.のこだわりがみてとれます。
こうして2015年に登場したのがツルギライトジャケットです。
『ツルギライトジャケット』
高い通気性を持つレインジャケットとして
ウィンターハイキングにも対応可能な
“オールシーズンレインシェル”
新素材 東レ『Aqua Breath アクアブレス』
従来のツルギライトジャケットで採用されていた Polartec®Neoshell® はソフトシェルの優れた通気性、換気性、伸縮性とハードシェルの防水機能とを高次元で組み合わせることをコンセプトとした防水透湿素材として開発されました。親水ポリウレタン膜で、ポリウレタンフィルムの耐久性と伸縮性に、通気性を兼ね備えています。最大の特徴は「動的な換気による通気性」と「防水保護機能」が両立していることです。従来の防水透湿素材でも通気するものはありましたが数値上では透湿としてしか出ないものでした。ネオシェルはむしろ透湿としての数値が出ない通気性が特徴です。その通気性確保により、広範囲な天候条件や運動レベルにおいて衣服内の湿度を積極的に排出することが可能になりました。実際に、発汗時の抜けの良さに関しては着用者の誰もが実感できる高いものでした。しかし耐水圧や耐久性の点で不安を感じる声があったのも事実。また剥離報告がネット上で散見されるなど改善希望が無いわけではありませんでした。そこでTeton Bros.は東レと新しい「高通気防水透湿素材」を共同開発することにしました。
Neoshell®レベルの高通気の特性を維持しながら、もっと軽く耐久性に優れた素材がゴールです。東レAqua Breath®︎と名付けたれた新しいメンブレンの詳細についてはまだ公表されていませんが、東レ独自開発の多孔質疎水メンブレンがベースになっているようです。耐水圧13,000mm、通気性0.6ccと数値上はNeoshell®︎以上の耐水圧、同等の通気性が実現しています。表地となる基布は表面の耐摩耗性を向上させた15dnlメカニカルストレッチリップストップナイロンを採用、メンブレンのしなやかさを活かすことでしなやかな着心地を実現しています。裏地となるライニングは15d丸編みのニットバッカーを採用、軽量でしなやかな着心地と急激な発汗時にも速やかに汗を吸収し、効率的に外部に発散する効果をあげています。また接着方法を従来の点接着から面接着に変更可能となったことで、剥離などに対する耐久性も向上しています。そして重量は製品比較で約10%の軽量化となっています。

メカニカルストレッチの基布

ニットバッカーはより高い透湿性を手助けします。
東レとの共同開発新素材Aqua Breath®︎により従来モデルに比べて、以下のような点でアップグレードが実現しています。
- レインシェルとして最高レベルの通気性を維持
- 耐水圧は30%アップ
- 重量は10%の軽量化
- しなやかにストレッチする着心地
- 表面の耐摩耗処理
- ニットバッカーによる透湿サポート
- 接着方法の改善による耐久性向上
ツルギライトジャケットのディテール
【スタンダードフィット】
2000年代以降、トレイルランニングなどのエンデュランススポーツを対象としたモデルを中心にタイトなスリムフィットが定着しました。ランニングや自転車など高速移動が前提となるアクティビティでは衣類のバタつきがストレスになります。こうした衣類のバタつきを防ぐための方策です。結果として使用する生地量が少なくなるため、軽量化にもつながります。軽量モデルはスリムフィットという認識も広まってしまいましたが、それに対してツルギライトは従来ながらのスタンダードフィットを採用しています。これは先にも述べた「山岳ウェアとしてのオールランド能力を重視したい」というこだわりからです。衣類内部にある程度のゆとりをもたせることで以下のようなメリットがうまれます。
- レイヤリングに対応できる
- 肩周りや腰回りが動きやすい
- シェル内部の空気が流動することで透湿や通気が促進される
様々な状況に対応するための選択です。
【高通気防水透湿素材の採用】
ツルギライト最大の特徴は「高通気」の防水透湿素材を採用していることです。Neoshell®も今回のAqua Breath®︎も防水透湿素材でありながら「高通気」を特徴としています。こうした素材の採用は大きくふたつの利点を提供します。
- 発汗時の抜けが良く、シェル内部をドライな状況に維持しやすい
- ハードシェルとは思えないしなかやでストレスフリーな着心地を実現
発汗時の抜けの良さはユーザーがリクエストする機能でありメーカーの多くが取り組んでいるものです。しかしそれ以上に注目したいのが「しなやかな着心地」です。シェル特有のパリッとした着用感を拘束感と感じる方もいらっしゃいます。ストレスのないしなやかな着心地はそれだけで軽さを感じさせてくれます。
【アシンメトリーな着脱用ジッパー】

しなやかな着心地を提供してくれる生地を最大限に活かすため、フロントジッパーで前身頃のごわつきがうまれてしまうのを回避します。そのためツルギジャケット同様、着脱用ジッパーを左身頃の鎖骨から脇下のラインに配置しています。これにによりか屈んだ時の前身頃のごわつきが解消。しなやかで軽い着心地を邪魔しません。またジッパー長が十分にとれるので、ジッパーを全開にすればかなり容易な着脱が実感できるはずです。頭から脱ぎ着できるだけでなく、足元に下げて着脱することも可能です。さらにダブルスライダーを採用していますので、写真のように大きく開閉できるベンチレーションとしても使用できます。デザインと機能が一致している好例だといえるでしょう。ツルギジャケットで大きく評価をうけたスタイルはしっかりと踏襲されています。
【ベンチレーション兼用のフロントポケット】

ツルギライトはフロントに大きなポケットが配置されています。内部の仕切りは2016年モデルからメッシュ素材を使用していますので、こちらもベンチレーションとして使用可能です。
【コードロックを使用しないフード調整機構】

*写真は従来のツルギライトジャケット

*写真は従来のツルギライトジャケット
ツルギライトのフードは軽量モデルにもかかわらずツバをのこしたスタンダードなつくりにこだわっています。そこで軽量化のために採用されたのが調整部分のパーツです。コードロックで固定するのではなく、調整コードのホール部パーツそのものでロックとリリースをしています。調整コードを上にずらすことでロック状態(写真上)になります。なお、このロック状態でも力をいれれば微調整がおこなえます。
ULレインシェルの潮流の中で
2010年は現在のレインシェルの状況を考える上で大きな転換点になった年です。ORヘリウムジャケットとMONTANEスペクタースモック、このふたつのモデルが発表されたのです。前者は2.5層のレインシェルをシンプルに突き詰めることで200gアンダーを実現。発売から9年経った今にいたるもULレインシェルのスタンダードとしての評価をゆるぎないものにしています。後者は3層ながらも200gに近づき、その独創的なデザインとeVENTの透湿性の高さで数多くのファンをうみだした伝説的なモデルとして記憶されています。これ以降、各ブランド、各モデルごとに特徴を大きくうちだした個性的なモデルが登場します。山岳レースにフォーカスをあてたOMMは透湿のイーサー、ストレッチのカムレイカとその個性を際立たせることで大きな支持を集めました。MONTANEは軽量化のミニマス、冬季用のエアロeVENT、スルーハイク用のミニマスGTとスペクター以降はモデルを細分化させています。同社は2016年に3レイヤーの最軽量モデルであるミニマス777を発表しています。さらにberghausやPeak Performansでは100gアンダーというULモデルとして究極のレインシェルを実現させています。そして2018年は山と道が防水透湿素材の理解をウェブ上でユーザーを共有しつつレインウェアを発表。同社のULレインフーディーは100gのレインシェルを身近なものに変えました。
そんな潮流をふまえると、Teton Bros.ツルギライトジャケットはある意味、時代に逆行したコンセプトモデルといえそうです。同社は独自性は追求しつつも、山岳ウェアとしてのオールラウンド性能にこだわり続けています。ツルギライトジャケットはアシンメトリーデザインのプルオーバーということで個性の強いモデルと見られがちですが、Teton Bros.のバックグラウンドやプロダクトコンセプトに目を向けると、山をフィールドとするすべての人に耐候性と快適性とを提供するオールラウンドレインシェルとしての汎用性の高さが浮かび上がってきます。
「夏はもちろん冬も使えるレインシェルを探している。」
「北アルプスなどのアルパイン環境でも安心できるレインシェルが欲しい。」
「とにかくシェル内部の環境を少しでもドライに近づけたい。」
そんなニーズに応えてくれるモデルなのです。
サイズについて
Teton Bros. は日本のメーカーです。サイズについては基本的に日本サイズだとお考えください。ただしモデルごとの使用用途によっての違いも存在します。ツルギジャケットと比べツルギライトジャケットは同サイズでもやや小さめのつくりになっています。それは冬季用のツルギジャケットがインナーを着ることを考えてサイジングしているのに対して、ツルギライトジャケットはレインシェルとしてのサイズになっているからです。
*身長175cm 体重76kg のスタッフの場合 ツルギJKTはMサイズで着用できるが、ツルギライトJKTをオールシーズン使うためにLサイズ着用。夏のレインウェアとしてインナーは薄手のアンダーくらいのみだけ着る場合はMでも可。
*身長175cm 体重60kg のスタッフの場合 ツルギJKTはSサイズで良いが、ツルギライトJKTはレインウェアとして使うにしてもMサイズが最適。
*身長165cm 体重65kg のスタッフの場合 ツルギJKTはSサイズ。ツルギライトJKTはMサイズ着用。
*オールシーズンまたは冬の軽量シェルとして使いたい場合は、大きめを選ぶと良いでしょう。基本JPNサイズと考えてください。
〈XSサイズ〉
身長158cm〜 体重45kg〜55kg くらいの方でしたらXSサイズが着用できます。女性の方にも着ていただけるサイズです。
〈Sサイズ〉
USメーカーでXSサイズを着用することが多い方はSサイズを選んだ方が良いでしょう。
〈Mサイズ〉
USメーカーでSサイズを着用することが多い方はMサイズを選んだ方が良いでしょう。
〈Lサイズ〉
USメーカーでMサイズを着用することが多い方はLサイズを選んだ方が良いでしょう。