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ALTRA

Lone Peak 4.5[mens]

フットウェア
Weight

578g

北米における現代のハイキングを象徴するシューズ。第四世代の完成形にあたるローンピーク4.5 ではオリジナルローンピークを彷彿とさせるダイレクト感ある反応の優れたソールユニットに原点回帰。ゼロドロップやフォアフットをシーンに定着させた立役者はいまやハイカーシューズのスタンダード。
Weight

578g

SPECIFICATIONS

重量(実測値)
578g / 8.5インチ ペア
アッパー
Durable Quick-Dry Air Mesh
ミッドソール
Dual Layer EVA / A-Bound™ with StoneGuard™
アウトソール
MaxTrac™ Rubber with TrailClaw™
ソールの高さ
25mm
カラー・サイズ
カラー:CARBON BLUE
展開サイズ:US 7.0 / 7.5 / 8.0 / 8.5 / 9.0 / 9.5 / 10.0
*記載以外のサイズはお問い合わせください。
15,000円 (税込16,500円)
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Hiker’s Letter

ALTRAのフラッグシップ
いまやハイカーのスタンダード
踏み込みの反応に優れる
『Lone Peak 4.5』

 

ブランド誕生の地、ユタ州の山から命名されたローンピークは2011年のALTRA誕生と同時に産まれたモデル。同ブランドのトレイルランニングカテゴリーにおけるスタンダードであると同時にフラッグシップといえるモデルです。inov8 や new balanceといった先行ブランドで謳われてきた低いドロップ差やフォアフットといったスタイルを加速度的にシーンに定着させた立役者こそ ALTRA といえるでしょう。いまや北米シーンのハイカーやトレイルランナーに支持されるローンピークは、2010年代から2020年代にかけて、ハイキング&トレイルランニングを象徴するシューズになりました。

Mens
CARBON BLUE

 

8代目にして第四世代の完成形ともいえるローンピーク4.5は、柔らかく非常の通気性の高いメッシュアッパー素材に、広々としたトゥーボックス、前後の反りがおとなしくなったフラットな履き心地と腰があり地面のダイレクト感に優れるミッドソールが特徴になっています。フラット感・ダイレクト感のあるところはまるで第一世代(1.0、1.5)のようですし、広々としたトゥーボックスは第二世代(2.0、2.5)の再来です。

ところがこれにより問題もありました。第3世代(3.0、3.5)のしっかりとしたアッパーと安心感のある厚みのソール構造によるバランスの取れた安定性に対して、一つ前の4.0はアッパーが柔らかいために足を抑える力が弱く、腰のあるソール構造とは対照的に、アンバランスになっていました。

しかしながら、今回の「4.5」へのバージョンアップで、1>アッパー素材がダメージを受けやすい箇所への補強(メッシュ素材の露出減少)、2>トゥーガードの補強、によりアッパー全体に硬さが出て安定性に繋がり、アッパーとソール構造のバランスが取れたため、かなり良いシューズへと変化した印象です。
第二世代の大きな特徴とも言える「足が遊び過ぎてしまうトゥーボックス」はそのままで、非常に圧迫感が少なく、長距離長時間のハイキングに際しても指先にストレスレスとなっています。

もちろん第3世代の「柔らかくフィット感に優れた安定性」には欠けるので大きく好みが分かれるところではありますが、1.0から全て履いてきた「いちユーザー」としての感想としては、ソールがフラットで地面へのダイレクト感に優れ、アッパーが柔らか過ぎず適度に抑えてくれて、通気が良く蒸れにくく濡れても早く乾いてくれ、ヒールカップが薄くフィット感に優れたこの「ローンピーク4.5」は、3.5が最高と思っていた自分を良い意味で裏切ってくれた、今までで一番好きな一足になっています。
唯一欠点といえば、ヒールカップの内側に使われている素材。3.5と4.5は目視では同じなのですが、100kmも使わないうちに、僕の4.5の内側は少し穴が開いてしまいました。僕個人の癖も大きな所以でしょう。開かない人もいるらしいのですし。しかしそんなことで簡単に穴が開いてしまうくらい弱い素材を採用してしまう…ダメな欠点があるのもアルトラらしいです。

 

Lone Peak 4.5 の特徴

1. アッパー

補強コーティングは同じですが部位を増やし、メッシュ部分の露出を少なくしたことで、全体にしっかりとした感触になっていますが、爪先の動きを妨げない柔軟性も同時に持っています。トゥーガードは物理的に硬いものになったことでアウトソール構造ともバランスが取れ、シューズの歪みを軽減し、全体にしっかりとした印象を与えるのに寄与しています。メッシュ素材は4.0同様で非常に高い通気性を持っています。これは乾きやすさにもつながっています。つま先のドレインホールは下の位置にあり、より水抜けしやすくなっていますが、水も入りやすいのはご愛敬でしょうか。
一つ前の4.0の足が抑えられず落ち着かない感覚はかなりなくなりました。これは足の甲付近の抑えが強まったことも大きく寄与しているでしょう。それとヒールカップのフィット感がとても良いです。このおかげでつま先は遊びがあるのに、足が靴の中でずれるといったことが少なくなります。
メッシュ素材はより速乾性に優れ通気性も高いですが、返ってすぐに濡れる、足が冷える、といったデメリットも生じます。位置を変更したドレインホールも、下に付いているので、ちょっとした拍子に水が簡単に入ります。出やすいというのは入りやすいでもあるということです。メリットを強調した分、デメリットも出たのですが、使っている上ではこのメッシュ素材の乾きやすさというのは好印象を持っています。特徴がはっきりしているので、見極めさえできれば、この上ない心強い機能になります。

 

2. アウトソール

アウトソールのデザインは第四世代になり、すこしアグレッシブになったように思います。オールラウンドに対応するようにイメージされていた第3世代に対して、第四世代では、前後の動きに対してよりトラクションを発揮するようなパターンになっています。ただし、大きく捉えた配置などについては初代から踏襲しているといえます。細かい変化はあるものの、主観的な意見ではありますが、スペリオールやオリンパスなどと比較してもローンピークのトラクションはALTRAの中でも高く安心できるものだといえるでしょう。

 

3. ミッドソール

ミッドソールとアウトソールとの間に挟まれるストーンガード™は大きな特徴の一つ。岩場などでの突き上げから足を保護してくれるだけでなく、ソールユニット全体の硬さを出すことができます。第3世代ではやや前後のロッカー(反り返り)が強調されていましたが、第四世代になって、初代を思わせるフラットに近いものになっています。
柔らかい地面の時には腰のある硬さを感じ、硬い地面の時にはふっくらとした柔らかさを感じるミッドソールは、多種多少な地面を歩くことになる長距離ハイカーにほど好まれるのはわかる気がします。地面のダイレクト感が分かりやすいので、ちょっとしたデリケートな場所においても、足で掴んでいる感覚を持ちながら安定して歩けるでしょう。

 

4. フットシェイプ™

見た目でわかる大きな特徴がこのフットシェイプ™。指先をリラックスさせ、かつそれぞれの指にしっかりと力を込めて大地を踏む&掴む感覚を引き出してくれる幅広のトゥーボックス。裸足で生活し、山野を移動する先住民族の足はそのほとんどが指先が大きく開き幅広の足となっています。人間本来の力で歩くならば、こうした型が理想的だとの考えから、足を締め付けない自由な足型はALTRAの大きな特徴になっています。

Lone Peak の変遷

人間が本来もつ自然な運動フォームに導くための「ゼロドロップ」はALTRAのシューズに共通する最大の特色ですが、特徴はどこにあるのか。それを理解するにはローンピークの歴史を紐解くとよいでしょう。

第一世代

・1.0【Origin】薄めでシンプルなソールユニット 柔らかいアッパー
・1.5【Tightly】薄めでシンプルなソールユニット タイトなアッパー

第二世代

・2.0【Wide】しっかりした厚みと広さをもつソールユニット 伸びの少ないアッパー
・2.5【Stretch】しっかりした厚みと広さをもつソールユニット ストレッチアッパー

第三世代

・3.0【Moderate】ロッカーと腰のあるソールユニット 適度なバランスのアッパー
・3.5【Durability】ロッカーと腰のあるソールユニット プロテクション重視のアッパー

第四世代

・4.0【Softy】腰がありフラットなソールユニット 柔らかく通気性高いアッパー
・4.5【Moderate】腰がありフラットなソールユニット 通気性高くバランスのとれたアッパー

ローンピークはALTRAにとって創業時から続くフラッグシップモデルのひとつですが、アンバサダーやカスタマーのフィードバックから実験的な改良を重ねてきました。そのため、各世代毎の個性が顕著なのです。
ファーストモデル以降のローンピーク変遷を大枠でとらえるとこのように理解できます。第一世代から第二世代に至る過程はシューズトレンドが「マックスクッション」に傾倒するのと歩調をあわせています。その影響もあってか、第二世代以降、やや厚みのある柔らかいアッパーをもつ軽くフレキシブルなシューズになりました。
このようにローンピークは世代毎にソールとアッパーとのバランスが個性的なだけでなく、シリーズ全体を通じてソールが主体で、アッパーのおさえこみを物足りなく感じる傾向がありました。ネイティブアメリカンのモカシンシューズを彷彿とさせるアッパーに頼らない構造はローンピークの特徴ともいえますが、使う人を選んでしまうのも事実でした。こうした個性的なアッパーとソールのバランスが改善され、シューズとしての一体感を誰もが楽しめるようになったのが6年目の第3世代からと言えます。
一般的には良いはずの第三世代ではあるのですが、この変遷を見る限りローンピークが求めてきたものはバランス感の良いシューズというよりは、より良い可能性を模索した上での個性的なシューズであるとも解釈できます。その一つの答え、方向性を指し示したのはこの第四世代です。

明らかに、第三世代へのアンチテーゼです。いえ、アンチではなく回帰なのかもしれません。第四世代は、ソールのフラット感は初代を彷彿とさせ、アッパーの雰囲気は第二世代を思い出さずにはいられません。


個人的には第三世代のアッパーとソールのバランスの良さ、剛性感はハイキング、ことに長距離ハイキングにおいては最適と思うところはあります。

しかし、何が良いかというのは、その目的や方法にもよるところです。このはき心地自体は決して嫌いではありません。むしろ初代に似た感覚がありつつも、あの時よりは確実に長距離、長時間に対応したクッション性を持っているという点では、第三世代よりも耐久性に劣るかもしれませんが、履いていて楽しくもっと歩きたくなるシューズになっていると思います。

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長谷川晋

長谷川晋

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初代から数えて8作目。全部履きました。個人的には一番好きなのが、4.5です。クッションがあるのに足裏感を感じられるのがたまらない。
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