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Black Diamond

Distance Wind Shell - Womens

クロージング ギア
Weight

72g

強化された耐候性能で悪環境でも頼れるディスタンスウィンドシェルは、地球環境に配慮した革新的な通気性と耐久耐水性に優れた素材が使われています。軽さとコンパクトさも際立っており、どんな場所にも入れられ気軽にいつでも持ち歩けるからこそ、役に立つ機会も多いです。〈for Women’s 〉
Weight

72g

SPECIFICATIONS

重量
72g / Mサイズ(実測値)
*スリムフィットのため、ワンサイズ下(Mサイズ相当)にあたります
素材
100%ナイロンリップストップ/30gsm(g/平方m)

EMPEL™ 高通気・耐久撥水 技術
(水不使用 PFCフリー 耐久撥水処理)
カラー
Blue Ash
サイズ
USサイズ|XS、S、M
*スリムフィット(ワンサイズ小さいと考えてください)
*日本サイズと同等として検討してください
18,200円 (税込20,020円)
Hiker’s Letter

高通気性と高耐久撥水
際立った軽さ
スタンダードな機能を
シンプルなデザインに
『Distance Wind Shell』

Text by Hike's Depot
Edit by Mika M.

同じく防風性を持っていてもレインウェアでは代用できないもの。そのように、長距離ハイカーであり冒険家でもあるアンドリュー・スクーカは言っています。彼のような長距離を歩いた経験はないのですが、ウィンドシェルは、ハイキングや旅に必要不可欠だと思っています。日常生活まで大活躍しているので私にとって無かったら困る存在です。レインウェアの様に蒸れることなく、長時間快適性をある程度保持したまま、風の吹くトレイルを歩いたり、寒さをしのいでくれるのに、非常に役立つのです。「あると便利はなくて良い」のが軽量化のセオリーではあるのかもしれませんが、使い慣れるとそれでも持って行きたくなるのが、ウィンドシェルというものではないでしょうか。

Blue Ash

Black Diamond はmountain adventure(山の冒険)のためにディスタンスウィンドシェルを作っていると言っています。そこまで言わせるわけは、耐候性を強化した必須の保護レイヤーです。Green Thema Tecnology社の技術『EMPEL™』を採用した、特殊な構造で高い通気性を確保しながらも、通常とは異なる耐久性に優れた高撥水処理を施した、環境に優しいを水不使用・PFC(過フッ素化合物)不使用の素材を採用しているからです。

単に環境負荷が少ないだけでなく、まるでシルナイロンを彷彿とさせるほどの滑り良い表面をポロポロと水滴が弾かれ流れるほどの撥水性を持った生地に驚きます。表面を撥水加工しただけのものでないので、ある程度水で濡らしてこすっても、表面が濡れるようになりにくいのです。だからこそ「耐候性」に優れたウィンドシェルということができます。小雨どころか、ある程度の雨でも短時間であれば体を濡らすことを防いでくれます。生地に口を当てて吹けば空気が抜けるのがわかるくらい通気性は高いです。例えばアークテリクス/スコーミッシュフーディと比較するとやや劣る感はありますが、一般的にこれだけの撥水能力を持っていることから考えれば、十分高い通気性と言えます。
それ以外に、フードや裾のコード調整や、胸ポケットにコンパクトに収納できる機能などを備えているにも関わらず、重量がLサイズで103 g(男性モデル)という軽量さがこのシェルの魅力を増しています。

デザインはシンプルで少しオールドスクールです。決して「カッコいい」デザインではないと思いますが、最近よく見られる複雑なカッティングではないこのシンプルさが良いと思う人もいると思います。これは好みの分かれるところではありますが、着丈が長めでお尻まですっぽりと隠れます。これだけの着丈の長さは軽量重視のウィンドシェルにはないと言えます。

お店のスタッフと話したところ、強いて良くないところをあげると、結構スリムなデザインなので、アークテリクス/スコーミッシュフーディ(before 2019)相当として着用しようとすると、ディスタンスウィンドシェルは一つ上のサイズを選ぶことになります。ジャストサイズで着る場合は、温暖な時期の薄着の上に着られるくらいで、重ね着は諦めた方が良さそうです。サイズをあげてフリースなどの防寒着を着る場合は、着丈や袖丈が若干長く感じるかもしれません。もう一つは生地の薄さです。30g/平方m という生地は結構薄い方なので、コーティングによって生地の強さを補強していると認識した方が良いので、使い方が荒い場合や爪の長い方は気を付ける必要があるかもしれません。しかしそれについては現行多くのメーカーが出している軽量ウィンドシェルについては同様だと認識して良いでしょう。

機能や特徴について

EMPEL™ 加工について

サラサラ、スルッとして、まるでシルナイロンを思わせるほどの滑りの良さがこのウェアの生地の特徴と言っても良いでしょう。それはこの加工から来ているようです。
Green Thema Tecnology Inc.(GTT)の「EMPEL™」とは端的に言ってしまうと、通常の10倍もの耐久性を持った撥水と、高い通気性を生地自体に持たせることができる加工技術のことです。

どうして撥水性が強く、耐久性に優れるのか。
「従来のウェット撥水加工」(ポリマー(重合体)を水に溶かしたものを生地に浸透させる撥水加工)ではなく、「EMPEL™ Dry Curing」(ベースモノマー(重合の基質)を直接を生地に浸透させた後にポリマー化させる撥水加工)が理由ということのようです。
間違っていたら申し訳ありません。わかりましたか?わかりませんよね。わかった人がいたらすいません。僕はあんまり分かっていません。とりあえず「へ〜」と思っておいてください。
水に溶かしたポリマーを生地に浸透させる撥水加工は、繊維間に浸透しますが繊維自体にはまとわりつきにくく、流れ落ちてしまう部分も大きいのです。そうするとポリマーは不安定なまま維持されるので使った溶剤ほどの撥水性が発揮できないだけでなく、摩耗や擦れに弱く、洗濯することでも弱っていきます。もともと水溶性だということも影響しているようです。
EMPEL™ Dry Curinghはモノマーを生地に浸透させてからポリマー化することで、ポリマーが非常に安定し、撥水性が高く維持されます。その過程で生地の繊維自体にコーティングが為され、摩耗や擦れ、洗濯に対して従来の撥水加工よりも10倍以上の耐久性を備えるのです。GTTでは「When clean fibers are treated with the EMPEL finish, the finished polymers will not wash off, rub off or wear off.(きれいな繊維をEMPEL ™仕上げで処理すると、完成したポリマーは洗い流されたり、こすれたり、摩耗したりしません)」と言い切っています。

どうして高い通気性を持っているのか。
それはこの撥水加工は繊維自体にされるために、繊維間は隙間が空いたままになるため、加工を施したあとも生地本来が持つ通気性を妨げないのです。

本来ならばこの加工最大の目的であり魅力は、加工の際に水を使わないことで排水とは無縁で、地球環境に負荷を加えないことなのでしょう。加工そのものが環境負荷が小さいだけでなく、撥水加工自体も高い耐久性を持つことで再加工の回数を減らし、さらに水の使用を減らし、排水を減らすことで、環境負荷を軽減していることになるのです。

GTTまたはEMPEL™の凄さは、この下の動画を見てみると良いでしょう。この撥水加工の強度は一般的な撥水テストよりも厳しいとされるBundesmann test(大粒の水滴と回転、自然のレインシャワーではほぼ無い過酷な状況を想定してのテスト)でされています。
この動画の素材は「Fleece hoodie fabric」で、一般的なフリースは繊維間だけでなく、生地の目が荒くむしろ水を吸いやすいものです。その生地の「Untreated(加工なし)」「C6 treated(一般的な撥水加工)」「GTT treated」の三つを比較しています。驚くのは10分後でも変わらずに撥水を続けているだけでなく、映像ではわかりませんが、繊維自体はドライだったということです。ただしこの撥水力と浸透圧は違いますので、この加工がされているからと言って「防水ではない」ことだけは付け加えておきます。

魅力的な軽さ

シングルスライダーではあるもののフルジップオープン。透け過ぎるほどは薄くなく、それなりに丈夫さも合わせ持った生地。調整可能なフード付き。チェスト(胸)ポケット。調整可能なヘム(裾)。袖はエラスティックのみで調整ができないのが残念なところではありますが、これだけの機能が備わっているにも関わらず、重量がMサイズで72gと、驚きとともに嬉しい軽さです。

ハイキングに向かうにあたり軽量であることはとてもありがたいです。ハイキングとりわけ長距離ハイキングの場合は、ウルトラライトにまでしないまでも、全体的な重量を考え、持っていく道具は吟味したいものです。そんな時、持って行きたいけど必要ないかもしれない。必要かもしれないけど重いからできれば持って行きたくない。そんな悩ましい時は多くの人が経験していることでしょう。けれどそういう時でも軽かったり、とても小さければ気兼ねなく持っていけます。もちろんそれが本当に不要なものであったり、あまりにも「あると便利」を増やしすぎると結局のところ重たくなるので注意は必要ですが、ウィンドシェルはハイカーにとって大きく有益なものだと思うからこそ、耐候性や耐久性が高いのに軽いということは本当にありがたいことです。

サイズについて

私は身長173cm、男性のSサイズを選ぶことが多いです。上半身よりも、お尻や太ももやふくらはぎを気にする下半身にボリュームがある体型です。ディスタンスウィンドシェルの女性用Mサイズは、アクシーズクイン/ハゴロモ/Sサイズと比べると、大きく感じましたが、着せられてる感はなく形がキレイと感じました。実際のサイズはアクシーズクイン/ハゴロモ/Sサイズよりも身幅や腕まわりは小さかったです。お店のスタッフと話をしたところ、アークテリクス/スコーミッシュフーディよりも身頃や腕まわりのサイズも小さかったです。ロングTシャツやTシャツの上からだけでなく、保温着も着用できるように余裕をもったサイズを選ぶようにしてるので、私はMサイズを選びました。ブラックダイヤモンドの公式ホームページのモデルようなフィット感で着るようにするなら、Sサイズの方がよいかもしれません。パタゴニア/キャプリーンミッドウェイト/Mサイズとトレイルバム/ダウンジャンパー/Mサイズを着用した上に着る事もできました。またパタゴニア/キャプリーンミッドウェイト/Mサイズとトレイルバム/ウォーカー ウール フーディ/Mサイズを着用した上から着ることもできました。
ディスタンスウィンドシェルの着丈が長いところが、とても気にいっています。それは、バックパックを背負って歩いているとウィンドシェルがあがってきて寒かったり、ウィンドシェルがめくれたままの写真になり残念な思いをしにくいからです。また細めのパンツをはく時にお尻がかくれるので安心するからです。袖丈も特別に長いわけではないですが、生地の滑りがよいおかげで長く感じます。風が強い時や冷たい時に、簡易的に手を覆えるので嬉しいポイントかと思います。暑い時は袖をまくるのはどうでしょうか。肘下の細い部分を出すのは、まくることで目の錯覚もあり、着痩せ効果があるかと思います。気になる方は、袖詰めをお直し屋さんにて相談してみると良いかもしれません。

Mサイズ着用 ロングTシャツとインナーの上から着用
Mサイズ着用 ロングTシャツとインナーの上から着用

その他

クライミングヘルメット対応のフードはいかにもBDらしいと言えます。しかしちょっと注目です。フードの調整が一工夫されていて、引っ張るのは横方向のみと非常にシンプルではあるのですが、一般的な後頭部ではなく、首の後ろあたりにあるのです。フィット感も悪くないのですが、これはヘルメットやキャップなど下に被っているものと干渉しにくいという利点があります。
チェスト(胸)ポケットは、両側ジップにより収納になります。またカラビナクリップループを備えているので、バッグ内に入れずに外側にひっかけておくことも可能。これはORのヘリウムIIジャケットにもある機能で、ハーネスにぶら下げておくことも想定しているのでしょう。胸のポケットは、女性の体にあわせて斜めになっています。それでも胸が大きい方や鍛えてる方は、着用時に厚みがあるものや膨らむものをいれるのは、胸元が強調されすぎてしまうのでむずかしいかもしれません。アメのゴミなど小さくてあつみがない物なら可能かと思います。

スマートホン縦14.7cm×横7.2cm×厚さ0.7cm(5.2インチ)

女性の体のラインに合わせて、裾にかけてしぼりすぎていない程よいAラインになっているので、スッキリみえます。骨盤にひっかかり、少しでも細くみせたいウエスト部分に生地がたまることがないと思います。裾の右下には1箇所のみで裾の締め具合を調節するドローコードがあります。袖は少し緩めですが、伸縮性のある素材がついています。

Black Diamond について

言わずもがな。それくらいのメーカーではないでしょうか?Patagoniaの創設者であるイヴォン ・シュイナードが元々作っていたピトンなどのクライミング用品部門が分かれて生まれたクライミングやバックカントリースキー用品を主に作るメーカーです。言わばPatagoniaの兄といったところでしょうか。Blackは鍛冶屋(Blacksmith)から取り、Diamond はChouinard Equipment の「Diamond C」というロゴマークから取った名前です。長く、高品質ながらも手ごろな価格のクライミングギアを作っていましたが、昔からイヴォンや仲間たちが好きだったテレマークスキー用品にも取り組んでいて、最近ではバックカントリー用品の開発やバックカントリーメーカーとの合併も積極的です。そのブラックダイアモンドがウェアに取り組み始めたのは、2010年以降です。いつの間にか総合メーカーへの道を歩み出した感の強いメーカーですが、その根底には「クライミング」と「バックカントリースキー」という信念があることは間違いありません。その中で新たな取り組みなのが、Enduranceです。単にトレイルランニングではなく、Endurance(耐久)であり、Long Distance(長距離)においてということです。なので、Endurance Running や Long Distance Hiking ということを視野に入れていると考えられます。
この分野になぜ取り組んでいるのか定かではありません。しかし、クライミングにせよバックカントリーにせよ流行りはあるものの、いつの時代もいつの間にか廃れてしまうカテゴリーです。ましてや前衛的なアウトドアが盛んなアメリカですら「冒険」という分野がどんどんと縮小していく昨今においては尚更でしょう。そんな、いつの時代においてもアウトローでメジャーになりきれないアウトドアの「冒険」という分野に対して真剣に向き合おうとしているのが、Black Diamond というメーカーなのかもしれません。ちょっと良く言い過ぎたかもしれませんね。話半分に聞いておいていただければと思います。

手放せなくなったいきさつ

恥ずかしながら…機能よりも先にディスタンスウィンドシェルが良いと思ったのは女性モデルが可愛いかったからです。ほりの深い顔立ちとアッシュカラーのみつあみ姿にあこがれます。こうなれないのはわかっているのですが、これをきたらこのモデルみたいになれるのかもしれない願望が強いかもしれません。もちろんイメージやデザインだけでは決めれないのですが、興味の入り口がこんな理由でも悪くないかもしれないです。どうしてだろう?なんでだろう?と調べたり、お店のスタッフと話をしていくうちにひと目ぼれから、どんどんディスタンスウィンドシェルの魅力にハマってしまいました。上記の通り機能面は、発見から期待・楽しみに変わるワクワクするようなウィンドシェルだと思います。最近、胸の鼓動がへってしまった方に少しでも伝われば嬉しいです。ハイキング以外でも持っていく理由は、昼間は暖かいのに、日が落ちると寒い時に1枚きるだけでもだいぶ助かるからです。さらに軽くて携帯しやすい収納も魅力的です。機能がよく使い勝手が良い物は、ハイキングだけでなく日常生活や旅などでも活用できるかと思います。寒かった着る。暑かった脱ぐなどの温度調節をトレイルの中では意識できるのですが、人工物をみるとなんとなく意識がとんでしまいます。体調をくずして、次のたのしみを無駄にするよりも我慢せずに日常生活から快適にすごすのにつかってみてもいいかもしれません。
使用感に関しましてはこちらより→https://hikersdepot.jp/products/9552.html/

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