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Hagoromo

SPECIFICATIONS
重量 87g / JPN Lサイズ(実測値)



素材 素材:Pertex® Quantum Air 20D リップストップナイロン(ストレッチあり)
カラー ウグイスチャ(鶯茶)、テツコン(鉄紺)
ミルチャ(海松茶)、コムラサキ(濃紫)
サイズ JPNサイズ 
UNISEX S、M、L
PRICE
¥13,800 + tax

Review

ふわりと浮かぶような
軽さと柔らかさを持つ
防風ソフトシェル
『Hagoromo ハゴロモ』

 

空中を自由に飛ぶ 天女纏う衣、羽衣。それに例えられた『AXESEQUIN ハゴロモ』は、今までのウィンドシャツ、ウィンドジャケットのどれとも異なり、超軽量で、ふわりとし、軽く身体にまとい、動きやすい、不思議な感覚のウィンドシャツです。「アメノヒ2.5」と共に「ハゴロモ」も同様、今まであったようで、今までにないものです。新たなことに挑戦し続ける、“先駆者”アクシーズクインらしさと、今らしさがうまく合わさっていると言えるでしょう。

 

一見、いえ、それどころか、本当にシンプルなデザインをしています。大きく分けると、前身頃、後ろ身頃、両腕。たったそれだけで構成されています。着物をベースとしてデザインされた独特の肩ヨーク。ややゆったりとしたストレートなシルエットが、裾のストレッチトリムにより、緩やかにラウンドしています。裾の締め付け感はゆるめにしてあります。これのおかげで、動いたときも変にずり上がってくることがなく、締め付け感を感じないようにしてあるのです。ちょっとだけ締まるし、ちょっとだけ広がる。しかし、この絶妙な感覚にメーカーのこだわりが感じられます。同様のことは袖口にも言えます。モデルによっては締め付けが強すぎる袖口。袖まくりしたくてもできないものも多くあります。ハゴロモの袖口は、そっと沿う程度の締め付けで、袖をまくった時にはしっかりと広がり、締め付けられすぎて痛くなることがありません。袖口の内側についているループはサム(親指)ループではありません。middle finger(中指)ループです。付けてみるとまるで手甲(てっこう)のようです。昔日本の旅人には欠かせなかった手甲と脚絆。その手甲を取り入れるあたりは、さすがアクシーズクインでしょう。袖はそれに合わせるようにやや甲側が長く作られています。センタージップはダブルスライダーになっており、首元を閉じた状態で、胸元へ外気を入れ換気することができるように工夫されています。センターの開きをヒモにしたり、ボタンにするともっとトラディショナル感が出そうですが、薄い生地にひも状のものをつけては結んだ時に千切れる可能性が高くなります。ボタンにする場合には補強の生地を合わせなければ強度がでませんが、全体に薄い生地の中に重たく見えてしまうところができるのは美しくありません。デザインやインパクト性に引っ張られることなく、素材との相性を考えてパーツを選んでくるあたりにもメーカーとして今まで培ってきた経験が見えます。重量は20D Pertex® Quantum Air のタイプで87g(Lサイズ)と超軽量です。それだけでなく素材の特性からもハゴロモは既存のダウンプルーフ生地を使用してるウィンドジャケットと異なる『超軽量ソフトシェル』と言えます。その通気性はなんと従来ウィンドジャケットに使われることが多いダウンプルーフ生地の「約25倍の通気性」と言われています。

2018秋より「ウグイスチャ」と「テツコン」が新色として加わりました。

 

ウグイスチャ

 

テツコン

 

hagoromo_1

ミルチャ

 

コムラサキ

 

 

“凌(しのぎ)”をコンセプトに日本の山のためにデザインをするAXESQUIN

〜 凌ぐとは、足りることを知ること。〜

雨を凌ぐ 風を凌ぐ 寒さを凌ぐ 汗を凌ぐ 難所を凌ぐ 煩わしさを凌ぐ

日本の気候風土にあった日本の衣服と海外の登山文化を融合したアイテムを発信し続ける日本メーカー「AXESQUIN(アクシーズクイン)」。今までも僕達を驚かせるアイテムを数多く出しています。そして、2016年からコンセプトが加わります。今までも根底にあったものですが、明確に打ち出しました。それが“凌(しのぎ)”です。防ぐのではなく拒否するのではなく、受け入れて知り凌ぐ。受け入れることで自然との深い交わりがあります。凌ぐのに過剰な道具は要りません。最低限の道具と人の知恵があれば凌ぐのは難しくありません。知恵を使い道具を使いこなすことは喜びや楽しみです。そんな“凌”の思いを込めてアクシーズクインはデザインしています。

ハイランドデザインのオリジナルアイテムも影響を受けています。中でもカラーセンスとパターンは特徴的です。日本の伝統色をいち早く取り入れながらも、日本過ぎない、絶妙な色合いを出すのです。また細部のデザインパターンは日本の衣服をモチーフにしています。

日本で“凌ぐ”アイテムは日本だけのものでしょうか。そんなことはありません。日本と海外の登山文化が融合したアイテムの代表格はツェルトでしょう。ヨーロッパのトラディショナルテントが日本のハイキング文化と融合することで生まれた、日本の気候風土で活きる超軽量テントです。しかし、日本の気候風土に合うからと言って国内だけでしか使えないのでは無く、日本の気候は世界的に見ても複雑で、日本の山野で使えるものは世界的に見ると非常に使用範囲の広いアイテムになるのです。

 

ウィンドシャツ、ウィンドジャケットについての考察

ここ数年定番のアイテムとなっているウィンドシャツカテゴリ。確かに、その有用性は当店でも言い続けていることですし、レインジャケットにできない ことができるため、同じような形をしていても別に持っていくことを勧めています。しかし、ケースバイケースなのは当然のことで、現在は数年前と状況も変 わっているのは確かです。

ウィンドジャケットは、十数年前に一度は「失われたカテゴリ」になったことがありました。なぜなのか。それは通気性がなかったからです。旧ウィンドジャケットカテゴリ時代は、ウィンドジャケットは「防水ではないナイロンジャケット」そのもので、防水ではないだけで、防風性が高い=動き出すと蒸れるものがほとんどでした。G社の防水透湿素材やeVent®、Pertex Shield+® などの素材は、外気が乾燥しているほど透湿性能を発揮しますので、ウィンドジャケットを使用することの多い、雨の降っていない時=晴れもしくは曇りの時ならば、どうせ蒸れるウィンドジャケッ トを着ているぐらいなら、レインウェアを着ても同じということになります。これが世間で言う「レインウェアがあれば、ウィンドジャケット代わりにもなる」 ということなのです。

しかし、ここ数年で一般化してきたウィンドジャケットカテゴリ(当店では主にウィンドシャツと呼称)は、通気性が非常に高いことが評価され復興して きたのです。そのきっかけの一つになったのはMONTANE のFeatherlite Smock(2014年で廃盤)は、通気するのにダウンが抜けない、ダウンプルーフの素材に注目し、それでウィンドシャツをつくりました。その時の素材が当時最新素材だった Pertex® でした。そしてさらに通気性が高いものが登場しました。その代表格はPatagoniaのDragonfly Jacket から続く旧Houdini Jacket でした(現行のフーディニジャケットは著しく通気性が低くなっています)。日本メーカーの、丈夫ながら高通気性の特殊な生地を使用していたもので、当時あの生地感には少なからず驚きと感動を覚えました。通気性が高いのであれば、ある程度動きが活発化しても蒸れにくく、適度に風も抜けるので不快感が少ない状態で行動できます。けれども風は無理してまで通り抜けにくいところにはいかないので、適度に風を逃がし、風による低温化の影響を軽減します。この機能は絶対にレインウェアにはできません。例え、通気性が高いと言われる NeoShell® ですら、コーティングもしくはフィルム状の部分を使用し、雨が通り抜けない、いわゆる”防水”の状態を維持するためには、通気性が著しく低下することは避けられず、ウィンドシャツ同様の通気性を持つことはできません。

ところが、新ウィンドシャツカテゴリが勃興し、数年経つ間に、ウィンドシャツは再び防風性の上昇という流れになりました。それが顕著に現れたのは、Arc'teryx のスコーミッシュフーディが登場した時です。現行とは違いますが、当時の生地は裏地に透湿性コーティングを施すことで、防風性を高めるという試みをしました。これは山用のウィンドジャケットということなので、通気性を落とし防風性をあげるということを選んだのですが、決して間違いでは無いものの、それでは旧世代のウィンドジャケットに近い考えになっていってしまうのです。実際に、着用したときの蒸れ感は旧フーディニジャケット以上で、これではウィンドシャツといったイメージではなくなってしまいます。その後、他メーカーも追随するように防風性の高いウィンドシャツをリリースするようになりました。

しかし、ウィンドジャケットの復興もしくは新ウィンドシャツカテゴリの勃興との方向性が異なって来れば、それを元に戻そうとする力も働くのです。それが2014、15年ころから見られるウィンドシャツのモデルの傾向です。

ハゴロモ の特徴

非常に簡素な構造で、日本の着物をモチーフに考えられています。前身頃、後ろ身頃、それに袖が付いたとてもシンプルなデザインだからこそ、無理にトリムフィットにすることなく軽量化ができているのです。

独特な肩ヨークデザインは、ラグランのようにも見えますが異なります。作務衣などにも見られる日本の着物から取り入れたデザインで、ゆるやかにフィットし、動きやすい肩周りを作り出します。日本人としての情緒が何かを感じるのでしょうか。着てみると違和感なく、しっくりと他のものとも混じり合います。

 

袖口の内側に付いているループは、親指にかけるサムループではなく、中指にかけて使います。まるで手甲のような付け方です。手甲をつける目的は、現代でいうアームカバーと指なしグローブのようなものです。わざわざ西洋のものを取り入れる前から、日本人は賢く、考えていたようです。効果としては同じようですが、サムループよりも甲全体を覆うので保温や日焼け抑止効果はありそうですが、ては使いづらいかもしれません。

センタージップは上、下のどちらからでも開けるダブルスライダーになっています。上から下げて開く通常の使い方だけでなく、襟元を閉じながら、胸元から外気を入れ換気するという使い方もできます。

 

素材について

▪️Pertex® Quantum Airとは

その通気性の高さは驚きです。光に透かしてみれば、どれほど薄く、空気が抜けるための隙間が多いかが分かります。使われている「Pertex® Quantum Air 20D」という生地は、一般的に使われる防風ナイロン生地の25倍もあります。これでは防風にならないのでは?当然の疑問ですが、雪山などのフィールドでテストしてみても、今までの防風性素材と比べても、それほど大差があるようには思えませんでした。どうしてなのか?「風はわざわざ通りにくところを通っていかない」ということです。しかし、それ以上の強風ともなれば別でしょう。ですが、そうなってしまったらコーティングやフィルム構造を持った完全防風のレインウェアなどハードシェルの出番と言えるでしょう。むしろ、ハゴロモくらいまで通気性の高いソフトシェル、ウィンドシャツだからこそ、しっかりとハードシェルとの住み分けができると思います。

Pertex® Quantum Air は発汗を伴う持続的運動や強い負荷のかかるエンデュランスの状況において、適度な防風性を発揮しつつ、衣服内の湿気、汗などを積極的に排出し、衣服の脱ぎ着を減らし、体を快適に安定した状態にすることを目的とされた生地の総称ということです。ダウンプルーフ生地が使われることの多いウィンドジャケットのカテゴリーにあって、ソフトシェル素材のストレッチ性と通気性を持っています。また非常に柔らかな風合いも特徴でしょう。表面には耐久撥水加工がされていますが、凹凸感の強い生地のため、どうしても撥水能力の維持には難点があると言えるでしょう。しかしその凹凸が素肌との密着を避け、さらっとした快適な肌触りを与えてくれます。

これらの生地で懸念されるのは、むしろ防風性ではなく生地の強度と言えるでしょう。確かにこれほど薄く柔らかい生地ですから、ひっかかったり、突き刺したりという力には弱いかもしれません。しかしそれは通気性との代償ではなく「87g」という軽さを得たからの代償と考えたほうが良いのです。もちろん通常の20Dナイロン生地よりは弱い可能性はありますが、しかし今までの使用実績や経験からすれば20Dの繊維の強度からいって安心して使うことが可能な範囲と言えます。

Patagonia 旧Houdini Jacket を圧倒する通気性。さらに、以前にはスコーミッシュジャケットのみの特徴となっていたストレッチ性を持っている上に、再び流れを戻してきた高い通気性を併せ持っています。防風性の高いウィンドシャツ、ウィンドジャケットが出てきたころから、あまり山でウィンドシャツを着ない、という声を聞くようになりました。そんな思いを持つハイカーや多くのアウトドアアクティビティを楽しむ人たちにこそ、この『ハゴロモ』のように通気性が高いタイプのウィンドジャケットを着て欲しいと思います。

 



旧モデル 7Dタイプ

素材:Pertex® Equilibrium 7デニール
カラー:ナンドイロ(納戸色)

残数:Mサイズ/1点