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Scout UL 2

SPECIFICATIONS
重量 952g

メイン 789g
ステイク 12本 146g
スタッフサック 17g
サイズ フロア  137cm × 229cm
高さ 109cm
素材 シリコンコーティング リップストップナイロン
耐水圧 1200mm
PRICE
¥29,000 + tax

Review

ポールを外側に出した場合

ポールを室内に入れた場合

どこか懐かしさを覚える、クラシックなスタイル。1人当たりの重量が約450gに収まる超軽量な非自立式シングルウォールテント。家型の形状は床面積をしっかりと活かすことができるので広々と快適に使うことができます。

 

テントの元祖と言われているのが『ウィンパー・テント』。テントを学ぶ上で欠かせない名前です。そのテントは三角柱を横に倒したような形で、今の ツェルトに継承されているように、A型や三角テントと呼ばれるものに変化していきました。しかしウィンパー・テントはフレームを入れて立てるため重かった のです。あまり有名ではありませんが、今のツェルトのようにポールを両側一本ずつ使いテンションをかけることで立てられるようにしたものは『ママリー・テ ント』でした。形は三角柱を横にした側面を引っ張ることで家型の様な形になっています。またママリー・テントは当時ウィンパー・テントの標準的な重さ約 11kgより8割以下の重さしかない、1.6kg、という軽さとコンパクトさも実現しました。しかしウィンパー・テントはシンプルな形だけに風を受け流す 形で耐風性も強かったのですが、家型のママリー・テントは風を受けやすい形になってしまいました。

ママリー・テントの影響を強く受けるツェルトは最低限の居住性と耐候性を提供する非常にミニマムな非自立式テントですが、サイズが小さいことが難 点といえます。finetrack ツェルトII はもちろんのこと、ARAI TENT のスーパーライト・ツェルト2も二人が寝ることは可能でも、二人が十分に寝ることはできないのです。その原因は奥行きの長さが短いこと、それから三角形の 形にあります。三角形の場合、辺の長さは十分でも頂点に近づくにつれて壁との距離が極端に近くなるからです。ですので『寝ていると十分広いのに起きている と狭い』と感じる原因でもあります。そのウィンパー・テントのような三角形型の弱点を解消し、より居住性高く、フレームを必要としない軽量なテントがママ リー・テントの形です。壁面を立てて離すことでしっかりと容積を広げ居住性を高めています。

ウィンパー・テントのフレームの剛性とママリー・テントの居住性を融合したのがクラシックな家型テントでした。ウィンパー・テントの形状とママ リー・テントの軽量コンパクトさ融合したのがツェルトと言えると思います。1960~70年代には当たり前だった家型テントも、誰が立てても差が出にくい 軽量なドーム型テントの台頭にいつの間にか姿を消しました。しかし、ウルトラライトハイキングという考え方が広まることにより、非自立式テントへの注目が 高まりをみせています。日本発のクラシックテントがツェルトだとすると、Big Agnes Scout UL 2 は今の技術が融合し新しい家型テントを作り上げた、アメリカ発クラシックテントといえるのではないでしょうか。

 

基本構造はアメリカのスルーハイカーに人気のある、タープテント型。タープの内側に直接壁とフロアがぶら下がっているような形になっています。床 面は完全に閉じられ ていて耐水圧も十分です。ボディー全体をシリコン処理されたリップストップナイロンで作っていて、耐水圧1,200mmポリウレタンコーティングを施して います。

 


注目したいのは内側にぐるっと回されたメッシュ部分。これがあるお陰で効率良く空気が対流し、シングルウォール特有の結露が起きにくくする対策になっています。

 


出入り口は一カ所のみ。ポール2本で設営しますが、一本は内側から入れます。外側の一本はテント内でもテント外でも立てられるようになっています。またある程度長さのあるポールがあれば、出入り口から離しても立てることができます。

 

フロアの広さは二人がゆったり寝ることが可能です。229センチの長さがあるので、足元に荷物を置くこともできます。横幅もゆったりとしています。高さも 座った時に頭を気にしなくても良い十分な高さを確保しています。座るだけなら4人が入ってもゆったりしている大きさなのでパーティ用のひと張りとしても良 いのではないでしょうか。

前述した通り、特に下から吹き上げる風にはあまり強くない構造ですが、フライ部分を地面にもっと近く落とし、高さを下げるとまるでツェルトの様な三角形状になります。その時には二人がぴったりくらいの広さになってしまいますが、耐風性を上げることが可能です。

当店でも永くソロ用のシェルターを薦めて来ていますが、複数人のパーティでもみんながソロのテントという現象が昨今起きています。それぞれが自立するとい うことはうれしいですが、せっかくパーティを組むのであれば、みんなが集まれる大きさのテントがあっても良いのではないでしょうか。”みんなで行っても天 気が悪くて会話も壁越しに”なんてことも良くあると思います。

また長旅においても、ミニマムなテントは持ち運びが楽で良いけど、居住性がいまいちで定住型キャンプには向いていないから悩んでしまう人達にとっても、高さを変えるだけで好天と悪天の両方に対応してくれるのはうれしいでしょう。
何よりその形にぐっと来てしまう。そんな楽しいテントだと思います。