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SUPER PRISM MITT

SPECIFICATIONS
重量 88g / ペア Mサイズ(実測値)
素材 アウターシェル
Pertex® Microlight Rip-stop 52g/m2 30d N

パーム
ポリウレタン

インサレーション
PrimaLoft® Gold 40g/m2

インナーレイヤー
Micro Fleece
カラー ブラック
PRICE
¥8,000 + tax

Review

冬季グローブの選択には多くのハイカーが頭を悩ませます。末端の冷えへの耐性は個々人で大きく異なりますし、多汗症の方と乾燥肌の方でも冷えの感覚は異なります。グローブは消耗品でもあるので毎年試行錯誤を繰り返すしかないのが実情かもしれません。

冬季グローブ&ミトンのポイントは

1. 使用者にとって十分な暖かさを提供できること

2. 使用者にとって必要な操作性を提供できること

3. 外部からの濡れ(雪)と内部からの濡れ(汗)への対策を講じていること

このように整理できるでしょう。ULハイカー的には4. 軽さ、と加えたいところですね。この中で4.はある意味大前提とします。また3.については雪対策には「オーバーミトン(グローブ)」、汗対策には「薄手インナーグローブ」というプラスワンがそれぞれ重要になります。そこで改めて考えたいのが1.暖かさと2.操作性になります。

 

MONTANE Prism Super Mit

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 暖かさ:保温効果を高める工夫

【素材】

単 純に温かくしようとしたら、たくさんの中綿素材を入れればよいのですが、それでは重くなるばかり。軽く温かくするための工夫のひとつは、内側に一枚マイクロフリースを加えること。これだけで、人間の肌は驚くほど温かく感じるものです。中綿は40g/m2 PrimaLoft® Gold。この中綿は厚みとしては薄い部類ですので、もし保温材が中綿だけとすれば、十分な暖かさとは言い難いかもしれません。しかし、これにマイクロフリースが加わることで、倍にも暖かく感じられるようになるのです。

裏側の生地をマイクロフリースにした場合のメリットはこのようになります。

  • デッドエアスペースがダイレクトにあるので、熱が溜まりやすく暖かく感じやすい。
  • 素材にウィッキング(吸い上げる)性能があり、手をドライに保ちやすい。
  • 中綿を増やすことなく、効率良く保温効果を出せるため、軽量化につながる。
  • 中綿が断熱を、マイクロフリースが保温を、それぞれの素材の特徴が活かせる。

中綿はPrimaLoft® Gold。 PrimaLoft®素材 の中でも撥水性と水切れの良さに優れています。そのため、PrimaLoft® Goldは濡れた時と乾いた時で保温力にほとんど差がないのが特徴です。また他の化繊綿(シンセティック)に比べ、暖かさ、柔らかさ、圧縮性の高さが挙げ られるでしょう。化繊綿のメリットは、フリースや通気性を重視したPolaetec Alpha®などの保温材よりも保温力に優れ、圧縮性が高く、ダウンよりもハードユースに耐えられる強度を持った素材と言えます。

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外側の生地はPertex® Microlight Rip-Stop(52g/m2、ナイロン30dn)を採用。これにより、高い防風効果と一定の通気が行えるようになります。不要な湿度は逃 がしながらも防風性が合わさることで、中綿による断熱とマイクロフリースによる保温を維持することができます。

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【形状】

暖かさを十分なものにするならやはり形状はミトンです。5本指のグローブタイプでは個々の指を包む保温層を厚くするには限界があります。指をそろえて一体化させるミトンならば指をまとめていることから熱が逃げにくくなりますし、手を包む保温層を効果的な厚みにしやすくなります。また縫い目が少なくなることも防水性&防風性の観点から重要になります。保温を考えるなら形状はミトンなのです。

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操作性:ミトンの操作性をいかにあげるか

ミトンはグローブよりも操作性が劣ります。指が分かれていないのですから当然です。ここで保温性を重視するならミトン、操作性を重視するならグローブということがよく言われます。しかし二者択一の前にどの程度の操作性を必要とするのか、ということを考える必要があります。ロープワーク等指先を使った細かい作業が多いのか、それともストックやピッケルを持つだけなのか。ストックやピッケルについてもスキーヤーやバリエーションをこなすクライマーのように繊細なハンドワークを必要とするのか、そうでないのか。もちろん操作性が高いにこしたことはありませんが、自分がどの程度の操作性を必要としているかについては自覚的であるべきでしょう。それによってはミトンでも十分な操作性があると考える余地は残されているのです。

ミトンの操作性をあげるポイントが手のひらの滑り止めです。本製品は他のプリズムシリーズと異なりポリウレタンによる滑り止めが手のひら全面に配置されています。そのため単体使用で もストック、アイスアックスなどの操作が問題なくおこなえます。またオーバーミトンをつけてインナーとして使用する場合、この滑り止めがオーバーミトンとの間に高い摩擦を起こしますので、オーバーミトンと密着しやすく操作性も高くなります。

UL系の冬季グローブ&ミトンは軽量化のため滑り止めをつけていないモデ ルが中心になります。これはインナーに限らずオーバーミトンなどでも同じ傾向にあります。道具をシンプルに軽くすることを優先するのであればアイスツール の操作性や掌の耐久性はある程度度外視して滑り止めが付いていないモデルを選択するべきです。しかし操作性や耐久性を優先するのであれば、やはり掌の滑り止めは必要でしょう。メインに使うグローブ&ミトンは滑り止めが付いているもの、予備用のサブは滑り止めが省略されているシンプルで軽いもの、と使い分けるのも良いでしょう。

雪のフィールドではストックやアイスアックスはバランスをとるため、また安全を確保するための必需品になります。ミトンでも十分な操作性を得るために持参するものの中にひとつは滑り止めが付いているものを用意してはいかがでしょう。
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細部の仕様

手首部分の内側にはプルループが付いています。これにより、片方グローブをはめた状態でもう片方のグローブをはめるときや、インナーグローブとマイクロフリースとの摩擦で滑りが悪くなった場合でも簡単に着脱することができます。
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ミ トンを手から外した時にはもう片方のミトンとバックルで連結しておくと良いでしょう。小さなバックルですので雪が詰まって凍るなどの状況も考えられますの で、万能とは言い難いですが、冬のグローブ紛失は一大事ですので、ミトンやグローブを外した時には失くさないための措置を必ず忘れずに

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圧縮性も魅力の一つ。これだけ小さくなればパンツのポケットにも入れられるし、バックパックのサイドポケットにも簡単に入れられます。冬のハイキングはどうしてもかさ張る物が多いのでバックパックの容量を上手に使うためにも、圧縮性、収納性の高さは冬になるほど重要度を増します
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サイズ感

中 綿入りのグローブは、膨らみを出すために作りとしてはゆとりがあります。ですが、小さくしてしまうとせっかくの保温力が活かしきれなくなります。指先まで 中綿が入るため、細かな操作は元々しにくいと考えてください。モンテインのグローブは、海外メーカーサイズとしては小さめで、日本サイズに近いと考えて良 いでしょう。

  • 手首から中指の尖端まで20cm以下 手の横幅の周り22cm以下 Mサイズ
  • 手首から中指の尖端まで20cm以上 手の横幅の周り22cm以上 Lサイズ

だいたいの目安ですがご参考になさって下さい。
(インナーグローブを併用できる位の余裕があります)

重量

重 さは、ペアで88g(実測値)。厚手のウールのグローブの場合、重量は100gオーバーは当たり前です。軽いものでも80g台ですが、保温力はそこまで高 くありません。また、同様の保温力を持ったフリースのグローブがあっても重量は比べるべくもありません。高い保温力を持ってしてこの軽さは他のグローブに は無い特筆すべき点の一つです。冬期用保温力重視のグローブとしては他メーカーのオーバーグローブと組み合わせて使っても、重量ダウン、保温力アップに一 役買ってくれるでしょう。