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Lone Peak 3.5

SPECIFICATIONS
重量 568g / Men's US9(ペア実測値)
アッパー Quick-Dry Air Mesh
ミッドソール Dual Layer EVA with A-Bound™
アウトソール Altra MaxTrac Sticky Rubber with TrailClaw™
カラー・サイズ カラー:Red / Black
展開サイズ:US 8.0 / 8.5 / 9.0 / 9.5 / 10
*記載以外のサイズはお問い合わせください。
PRICE
¥15,000 + tax

Review

ALTRAのフラッグシップ
いまやハイカーのスタンダード
剛性感に優れた
『Lone Peak 3.5』

ブランド誕生の地、ユタ州の山から命名されたローンピークは2011年のALTRA誕生と同時に産まれたモデル。同ブランドのトレイルランニングカテゴリーにおけるスタンダードであると同時にフラッグシップといえるモデルです。inov8やnew balanceといった先行ブランドで謳われてきたゼロドロップやフォアフットといったスタイルを加速度的にシーンに定着させた立役者こそALTRAといえるでしょう。いまや北米シーンを代表する多くのハイカー&ランナーに支持されるローンピークは、2010年代のハイキング&トレイルランニングを象徴するトレイルランニングシューズになりました。
6代目となるVersion3.5はALTRAローンピークにおいてバランスの良い剛性感を特徴としています。

ストーンガードを搭載したソールユニットが堅牢であるのに対して、以前のモデルではアッパーが軟らかく、おさえこむ力がやや弱い傾向にありました。しかしVer. 3.0でソールとアッパーのバランスは劇的に改善されます。さらにVer. 3.5ではアッパーの強度と保護性能を更に見直した結果、アッパーとソールのバランスは最も優れていると言って良い仕上がりになりました。最近のトレイルランニングシューズは耐久性に乏しいとの声も聞こえてきますが、このローンピーク3.5は2000年代前半のタフで安心感あるトレイルランニングシューズのような雰囲気をも漂わせています。

 

 

特徴と改良点

1. アッパー

2.5から3.0に更新された時にも耐久性と保護能力強化のために爪先やサイドにプロテクターが設けられましたが、3.5への更新にあたり、メッシュアッパーそのものも強化され、剛性感を感じるキッチリとした履き心地になりました。なお渡渉後の水はけなどをよくするために爪先と土踏まずの部分のプロテクターに排水を促進させるためのドレーンホールが設けられるようになりました。

2. アウトソール

アウトソールのデザインは3.0から変更無し。シューズコンセプト的にあらゆるトレイルコンディションに対応するアウトソールがテーマ。ラグのデザインは世代毎に変化がありますが、配置などの全体像は1.0から大きく変化はしていません。主観的な意見ではありますが、スペリオール、オリンパスなどと比較してもローンピークのトラクションはALTRAの中でも高く安心できるものだといえるでしょう。

3. ミッドソール

ミッドソールとアウトソールとの間に挟まれるストーンガード™は大きな特徴の一つ。岩場などでの突き上げから足を保護してくれるだけでなく、ソールユニット全体の硬さを出すことができます。3.0時の更新でミッドソールは初代に近くやや腰のある感じに戻りましたが、3.5になってよりしっかりとなった印象を受けます。メーカーとしては3.0と3.5のミッドソールからアウトソールのユニットは同様という話ですので、これはおそらくアッパーがしっかりとしたことが全体としてミッドソールにも影響していると思います。
柔らかい地面の時には腰のある硬さを感じ、硬い地面の時にはふっくらとした柔らかさを感じるミッドソールは、多種多少な地面を歩くことになる長距離ハイカーにほど好まれるのはわかる気がします。

4. フットシェイプ™

見た目でわかる大きな特徴がこのフットシェイプ™。指先をリラックスさせ、かつそれぞれの指にしっかりと力を込めて大地を踏む&掴む感覚を引き出してくれる幅広のトゥーボックス。裸足で生活し、山野を移動する先住民族の足はそのほとんどが指先が大きく開き幅広の足となっています。人間本来の力で歩くならば、こうした型が理想的だとの考えから、足を締め付けない自由な足型はALTRAの大きな特徴になっています。

ローンピークの変遷

人間が本来もつ自然な運動フォームに導くための「ゼロドロップ」はALTRAのシューズに共通する最大の特色ですが、ローンピークのversion3.5としての特徴はどこにあるのか。それを理解するにはローンピークの歴史を紐解くとよいでしょう。

第一世代
・1.0【Origin】薄めでシンプルなソールユニット 柔らかいアッパー
・1.5【Tightly】薄めでシンプルなソールユニット タイトなアッパー
第二世代
2.0【Wide】しっかりした厚みと広さをもつソールユニット 伸びの少ないアッパー
2.5【Stretch】しっかりした厚みと広さをもつソールユニット ストレッチアッパー
第3世代
3.0【Moderate】ロッカーと腰のあるソールユニット 適度なバランスのアッパー
3.5【Durability】ロッカーと腰のあるソールユニット プロテクション重視のアッパー
第四世代
4.0【Softy】腰がありフラットなソールユニット 柔らかく通気性高いアッパー

ローンピークはALTRAにとって創業時から続くフラッグシップモデルのひとつですが、アンバサダーやカスタマーのフィードバックから実験的な改良を重ねてきました。そのため、各世代毎の個性が顕著なのです。
ファーストモデル以降のローンピーク変遷を大枠でとらえるとこのように理解できます。第一世代から第二世代に至る過程はシューズトレンドが「マックスクッション」に傾倒するのと歩調をあわせています。その影響もあってか、第二世代以降、やや厚みのある柔らかいアッパーをもつ軽くフレキシブルなシューズになりました。
このようにローンピークは世代毎にソールとアッパーとのバランスが個性的なだけでなく、シリーズ全体を通じてソールが主体で、アッパーのおさえこみを物足りなく感じる傾向がありました。ネイティブアメリカンのモカシンシューズを彷彿とさせるアッパーに頼らない構造はローンピークの特徴ともいえますが、使う人を選んでしまうのも事実でした。
こうした個性的なアッパーとソールのバランスが改善され、シューズとしての一体感を誰もが楽しめるようになったのが第3世代のVer. 3.0なのです。「モデレイト(中庸)」という表現が似合うこのモデルは使うシチュエーション、使う人を選びにくくなり、多くのファンを作ったモデルでもあります。

 

この3.0をベースにアップデートが施されたのがversion3.5です。
画像を見てもわかるように基本構造はほとんど変わりません。「モデレイト(中庸)」を継承したうえで、特にアッパーはタフに使える方向性「デュラビリティ(耐久性)」を目指したアップデートが施されています。

2010年夏のOutdoor Retailer Summer MarketでSky High Mountain Worksの北野さんと一緒に見つけたALTRAは会場片隅の会議用長机にシューズ3型(ロード用インスティンクト、トレイル用ローンピーク、ベアフット用アダム)だけを展示した本当に小さなブランドでした。シューズの考え方やシンプルなデザインに魅かれて扱いを決めたあの夏からずいぶん時間が経ちました。ローンピークは更新を繰り返しながら、多くのハイカー&ランナーの支持を集めてきました。当店でも2011年秋から欠けることないラインナップです。自分が惚れたシューズだから履き続けてきました。スタッフも同じです。いろいろなシューズを20年以上見てきましたが、ある意味ハイカーズデポを、2010年代のハイキングシーン&トレイルランニングシーンを代表する一足なのは間違いありません。