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Better Shorts

SPECIFICATIONS
重量 196 g / Lサイズ(実測値 誤差あり)
素材 ブロード織
ナイロン 100%
カラー Brown Rice(明るめのベージュ)
Fallen Rock(茶がかったグレー)
Deep Teal(青みの強い深緑)
サイズ Sサイズ(28インチ相当)
Mサイズ(30インチ相当)
Lサイズ(32インチ相当)
*日本サイズ
PRICE
¥9,200 + tax

Review

特別じゃないけど
どこでもいつでも
ちょうど良い
『Better Shorts』

 

ナイロン素材のベルト内蔵でカーゴポケットが付いているデザインは一見すると良くあるハイキングショーツように感じます。特別じゃない。だからむしろ、毎日でもはけてしまうのが Trail Bumの Better Shorts(ベターショーツ)というアイテムの面白さです。ベターショーツは何かに特化していません。していないからbest にはなれない。けれど、何においてもgood よりbetterであるように考えられています。

北米のハイキングシーンにおいて、近年多くのハイカーが着用してるショートパンツ。スルーハイカーたちにとっての定番スタイルになっています。ショートパンツはその着丈によって好みが大きく分かれる衣類です。永遠の定番「Patagonia/バギーズショーツ」もその時代で丈の長さが変わることもあるように、着用時の雰囲気についてはひとそれぞれの好みがあります。ランニングショーツのように短くなく、サーフショーツのように長くもない。このスタイルが、老若男女、多くのハイカーとって「ベター」なハイキングショーツになるのではと思います。

ベターショーツの特徴として動きやすいはき心地の良さがあります。動きやすさの実現には、生地をストレッチにする、生地を薄くする、といった方法があります。しかしストレッチ生地は乾きにくくなる場合があり、生地を薄くすると耐久性が落ちることもあります。そこで腰部分にのみストレッチニットパネルをとりつけることで運動時のストレスを軽減しています。多くのユーザーにこのメッシュパネルを気に入っていただきました。お尻周りの拘束感を減らすだけでなく、足上げ時のツッパリ感も減らしますので、長距離長時間の行動にもストレスを感じにくくなります。これなら生地自体の「乾きやすさ」や「耐久性」を犠牲にすることなくはありません。そのうえでショートパンツ本体の生地特性を活かし、行動時の快適性を格段に向上させているのです。もう一つこのパネルのおかげで手に入れたのが通気性と吸汗速乾性です。どうしても汗が溜まりやすい腰回りですが、ナイロン生地だけよりも汗だまりが少なく快適です。

分かる人には一目瞭然、ベースのデザインは「Thru-hiker Zip Off Pants」。その使いやすさは、定番のアイテムの一つになっていることや、リピーターが多いことで分かります。そのデザインを磨き上げて作られたのがBetter Shorts です。試作段階ではポケットを減らしてみたり増やしてみたり、形を変えてみたりしたそうですが、どれもイマイチだったようです。しかし、その過程の中で出たアイデアがスルーハイカージップオフパンツにも良い影響を与えており、相乗効果で良いアイテムへと変化しています。

実は販売されているのはトレイルバム創業まもなくからですが、気づくとなくなってしまうTrail Bum の密かな人気アイテムです。かくいう筆者も最初の年は手に入れ損ねてしまいました。リピーターも多い、クセになるショートパンツです。

Brown Rice

 

Fallen Rock

 

Deep Teal

機能と特長

・ショートパンツとして

基本はThru-hiker Zip Off Pantsのショートパンツだけ…なんですが、いえ、それだけです。裾まわりにジッパーが無い分すっきりしてはきやすいです。

ショートパンツの股下の長さは基本的に、ジップオフパンツの時に準じています。ジッパーがある場合にひっかかり感が少なくなるように考えられていますので、脚の上げ下げはしやすいでしょう。
膝の中心から約4センチ上。一般的なショートパンツは膝の中心もしくは膝上2センチくらいが多いのですが、この位置にすると素材によっては干渉してひっかかる感じがでてしまいます。ですのでほんの少し短めにすることが大きなポイントとなるのです。ランニングパンツのように短すぎることもなく、なかなかベターな丈になっています。

 

・腰部分のストレッチ素材

腰部分にストレッチ素材を付けています。よく見ると細かいグリッドの素材になっていて、適度な通気性と吸水性と吸水力、速乾性に優れています。どうしても汗が溜まりやすい腰回りですが、この部分で吸収し水分を拡散して快適に保つことを目的としています。暑い夏にはすこぶる快適です。厳冬期の山でテストはしていませんが、平地の冬程度の気温であれば寒いということはありませんでした。
それ以外にも利点があります。腰部分は足を動かすとき、思っている以上に引っ張られる部分なので、腰部分がストレッチになっていることで、動きやすくなります。実際に使用して感じるのは脚の曲げ伸ばしや段差を上がるときに、引っかかり感などのストレスを感じにくいです。しゃがんだり座ったりする時にも心地よいです。
理由があって、こだわりがあって、メインの素材にはあえてストレッチしないナイロン素材を使っています。それはそれとして活かしつつも動きやすくすることが可能になっています。

 

・使用しているナイロン素材

ジップオフパンツは基本的に温暖な3シーズンを中心につかうと想定し通気性の高いものを使用していますのでショートパンツの素材としても適しています。速乾性も十分ですし、ハイキングにおいて十分な強度があります。横畝がしっかりと出ているブロードまたはポプリンと呼ばれる平織りの生地です。凹凸があることで肌と面で接するのを防ぐため、汗をかいてもベトツキ感を抑えてくれます。ナイロン素材の場合、生地に密度があるとやや光沢がでるのですが、サンドウォッシュ加工によって光沢感を抑え風合いがよりコットンのようになっています(ただし色によってやや素材感に違いがありますのでご理解ください)。密度のある生地なので冬季でもタイツなどの組み合わせで使える生地なのですが、透けない適度な厚みと通気性のバランスが取れた素材で夏でも快適に使えます。少し毛羽があるおかげで光沢感が抑えられていますが、擦れやすいところは毛玉ができるかもしれません。しかし、しばらく経過すればおさまります。

どうしてたくさんの高機能素材があるにも関わらず、ストレッチしない生地をわざわざ使うのか。
生地の雰囲気の問題とか。実はそれは大きなポイントではあります。ストレッチなどの高機能素材の多くは、素材そのものの影響もあれば、特殊な織り方や繊維の撚り方などの影響のために、どうしてもどこか違う雰囲気がでてしまうのです。いわゆる「テクニカル」や「スポーティ」っぽくなるということです。それを避けるために「高機能素材」を避ける、という答えの他にも理由があります。

ストレッチ素材には弱点があります。水を含んだら乾きにくいとか、紫外線でストレッチが劣化するとか、防風性に乏しいとか。今ではそのほとんどが高レベルで改善されています。それは間違いない。ですが、結局のところストレッチをする生地の構造上その問題がゼロにならないのも事実です。寒いし、比較すると断然乾きにくい。ストレッチ性を下げれば改善される問題でもありますが、それならわざわざストレッチ素材にしなくても良いのではないか。ストレッチ素材のパンツの心地よさは理解しながらも、ハイキングパンツとしての取り扱いの簡便さは普通のナイロン生地には敵わないのです。
速乾性はもちろんのこと、適度な通気性とやや防風する素材を裏コーティングやシレ加工(裏面を熱でつぶすダウンプルーフ加工)せずに、適度に可能にしてくれるのは、昔から普通にある生地の織り方の大きなメリットです。だからこそ、ロングハイキングのためのパンツには「ふつうの素材」が最適なのです。

 

・ハンドポケットの形

最近のハイキングパンツのポケットはシーム(縫い目)に沿って縦に付いているものが多いです。これは構造上簡便化するためのものなのか、デザイン上のものなのかは分かりませんが、使いやすいということは無いと思います。

人間の手がパンツのポケットに入る角度は真横になることはないはずです。また、横に付くことで物が落ちやすくなることもあるでしょう。ジッパーが付いていても締め忘れることももあります。 ジーンズやチノパンなど、一般的なパンツのポケットは上方向に口が開いていて、間口を広くするために斜めに付いています。この方が手の出し入れは格段にしやすいです。特にここ は「普段使い」を意識したデザインにしました。使い慣れている形だからこそあまり違和感を感じずに使えます。深さがあるので立っている状態であれば 物が不意に落ちるようなこともありませんし、座っても物が落ちにくいでしょう。手が入れやすいように間口にゆとりがあります。

 

・カーゴポケットの位置

カーゴポケットを使わない人も多いと思いますが、その理由の大半は使いにくいと感じるからでしょう。 「手が届きにくい距離」「開けにくい構造」「斜めに付いている」ということがあると思います。ポケットはパンツにおいて最も多様する機能です。だからこそ、カーゴポケットもいつも通りの形と自然と届く距離にこだわりました。

手を自然に伸ばした先にジッパーのタブが来るようにしました。一 般的なものよりはやや高い位置にあると思います。ですが、何気なく伸ばした先にあるので本当に自然と開けることができます。またジッパーの角度をストレー トにすることで、普通に開けることができます。カーゴポケットの深さも少し体を傾ければ底まで届く深さにしていますので、入れたものの出し入れがとても用意です。

大きさは折りたためるものならキャップを畳んでいれることが可能です。地図を入れても良いでしょう。カーゴポケットの高さはジッパーの位置を高くしたことから自然と高くなりました。そうすることで荷物が入った状態で歩いても歩行を妨げにくくなっています。左のポケットと右のポケットは同じ形、同じ高さでシンプルな作りです。

カーゴポケットが下に付き過ぎて体を大きく傾けなければ届かない場合など、面倒で使わなくなってしまうかもしれません。斜めにジッパーが付いていることで間口が広がるのは良いのですが、普段使い慣れていない角度なのでどうしても開け閉めがしにくいという欠点があります。
要するに、出来る限り普通に、普段通り使える形状で良いということです。一見便利そうな専用ポケットを作ったりしても、それは家庭にありそうな「便利グッズ」と同様のもので、最初こそ面白がって使うものの、「いつもと違う」のでだんだん使わなくなってしまいます。日頃使う道具はできる限りシンプ ルなものの方が使いやすいと感じるのではないでしょうか。このあたりも何かに特化したベストを目指すのではない、ベターなポイントでもあります。

 

サイズについて

サイズはJapanサイズ基準でS、M、Lの3サイズがあります。今期の2020 Ver.は元となるパターンを改めて見直し、より履き心地よくなるように改良されています。
Sは女性もはいていただけるサイズですが、普段 W's JAPANサイズのMもしくはLサイズを着られる方向きでしょう。細身もしくは小柄な男性もはけます。ただし基本的には男性サイズを主とし考えています。S、M、Lで大きく変わるのはウェストサイズから全体の太さにかけてです。

サイジング 図1

 

サイジング 図2
*誤差あり。半身で±5mm

上記にある、サイジング図1とサイジング図2を見る際に以下を参考にしていただければと思います。

「ウェスト上がり」とは、このパンツのウェストにはゴムが入っており、それが縮んでいる状態です。要するに、平置きでそのままの状態の半身の長さを指しています。
「ウェスト伸ばし」とは、ゴムを伸ばし切った時のサイズです。要するにウェストの最大幅を指しています。
「前股上」とは、前側のウェスト端から股までの長さを指しています。
「ショート股下」とは、股から裾までの長さを指しています。
「わたり幅」とは、太もも付近の幅を指しています。

・女性着用例

身長165cmの女性がSサイズを着用しています。ショートパンツの場合どうしても裾が少し広がって見えてしまいますが、ウェストやお尻周りはそれほど余っている感じはしません。膝の中心から裾までの距離もちょうど良く見えます。身長158センチほどの場合には写真よりも股下の長さは長く感じるでしょう。

 

About the Trail Bum®

「Bum」とは、何かに熱中、没頭する人たちのこと。Ski Bum、Surf Bumといった言葉のように、Trail で過ごすこと、楽しむことが好きな人たちを、Trail bum(トレイルバム)と呼ぶことにしました。トレイルバムたちは、無駄が少なく、直しながらでも使い続けられるような道具を好みます。そしてトレイル上では限られた道具だけで長い時間を過ごします。長い旅の中でトレイルバム達にとって自然と街は同じ目線「どちらも日常」でフラットになるため、自然の中では高機能でありながらタウンユースでも馴染むシンプルなデザインを選ぶのです。そんな彼らのトレイルライフのように、シンプルでいて無駄の少ない道具や衣類をデザインし作ることを目的にできたメーカーが “Trail Bum®” なのです。

・ロゴの意味
アメリカのロングディスタンストレイルの多くには "Blaze"と呼ばれる印があります。そのBlazeは微妙にラウンドした三角形のような形状をしており、それがTrail Bum のロゴのベースになりました。それに沿うように付けられたラインは “繋がっていく”  “続けていく” 思いを込めて“道”を表現しています。この一歩はあの道に繋がっている。そう思いながら日々を過ごすTrail Bum たちの気持ちの一端と言えるのかもしれません。

steady_7

Trail Bum®のホームページはこちらから https://trailbum.jp

 

ベターショーツ恐い

ショートパンツシーズン到来!ショートパンツ好きのハイカーたちにとっては待ち遠しい季節でしょう。かくいう筆者もその一人です。スルーハイカージップオフパンツの使い勝手の良さもあり、オフした裾の部分との色合いが変わってしまうほどヘビーローテンションでした。そのショートパンツだけとは、あって嬉しいがこれほど困るものもありません。だって、ベターショーツばかり履いてしまうのですから。

色違いをゲットしてからというもの、ローテーションでほぼ毎日色違いでベターショーツ。時々色合いが変わらない程度にスルーハイカージップオフパンツのオフバージョンを履く毎日。たまには他のショートパンツも履きますが、「あ、カーゴポケットがない」「あ、ポケットが使いづらい」などなど。まあ、これはあくまでも個人的感覚ではありますが、これほどまでにはまるショートパンツはベターショーツだけです。

なにも特別なことはない。ないけれども手放せない。もちろん不満がないわけではない。だからベストではない。けれども他のなによりもベター。ベターだから使い続けられる。そんなヤツなんです。ベターショーツ恐るべし。