イベントリポート

信越トレイル集中整備 2016 ボランティア参加報告

2016/08/09
長谷川晋
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ハイカーズデポとしては4回目となる、信越トレイル整備のボランティア活動。今回は新たな試みとともにトレイル整備をしてきました。

2016年6月19日(日)。ハイカーズデポとしては4回目となる信越トレイル整備ボランティア活動を行ってきました。斯く言う私長谷川も4回目。5回参加でもらえる信越トレイルボランティTシャツまであと1回となりました。今までは東京と飯山を日帰りで参加していましたが、初の試み“前泊”をしました。今までは整備だけで飯山をゆっくり楽しむ時間がないのがいつも心残りでした。しかしせっかく行ったのだからできれば地元のことをもっと知りたい。信越トレイルを整備だけじゃなくのんびり歩いてみよう。そんな思いからの計画でした。

 

その6月18日(土)の様子から。

1月に行われたLong Distance Hikers Day(LDHD) に参加したメンバー数人とJMTセクションハイカーを加えた男6人で午前10時に飯山駅集合。そのまま信越トレイルの斑尾セクションへ移動。信越トレイルの斑尾エリアの情報基地である「斑尾高原 山の家」に立ち寄りながら、希望湖(のぞみこ)の駐車場へ。そこから毛無山へ登りました。

 

みんな手練れのハイカー。と思いきやそこはアメリカのハイキングカルチャーに影響を受けたハイカーたち。なんとものんびりとだらだらと時間を有意義に使いながら歩いて行きました。山頂では見晴らしの良いところよりも日差しを避け木陰と風が抜ける場所を好み昼食。

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希望湖のループトレイルを歩き終わったら飯山の市街へ。地元で人気のケーキ屋さんで午後のお茶を楽しんでから、「なべくら高原 森の家」へ向かいました。

温泉と地元の食事を楽しんだ夕方。涼しい風が気持ち良く抜けていく飯山の里を存分に楽しみました。その後遅れてきた翌日の整備に参加する2名を迎えました。

夜には宿泊していたところに信越トレイル事務局長の高野さんを招いての懇談会。高野さんにはLDHDにも参加していただいており、久しぶりの再会と今とこれからの信越トレイル、そして僕たちの信越トレイル整備への今後の関わりを話し会い楽しい時間を過ごさせてもらいました。

なかなか寝るのが惜しく、そこはJMTを歩いたハイカーばかり、どこが夕焼けに染まる場所だとか、普段はなかなか話せない話しに盛り上がり夜が更けていきました。

 

6月19日(日)。整備当日。

今回も例年同様に集中整備の時期に合わせて参加しました。集中整備とは雪解けが進んだ5月から始まり6月いっぱいをかけて、信越トレイル全体をセクションごとに集中して行う整備です。

集中整備は毎年行われるのですが、これは積雪の多いこの地域ならではのことと言って良いでしょう。毎年3mから4mほども積もる雪の影響で多くの木が倒さ れてしまいます。雪は融けながら地面を滑り落ちて行き、その力はトレイルを削り、階段を壊してしまいます。また、雪の重みは看板や道標などを折ったり、倒したりするのです。
雪解け時期はそのような倒木やトレイルの崩れ、看板や道標などの破損があることから、これからハイキングシーズンを迎えるにあたり信越トレイル事務局では多くのボランティアを募り、集中してトレイル整備を行っています。

今回の整備は前泊できたこともあり、午前8時の集合で通常の集中整備に他の参加者の方たちとご一緒させていただくことができました。ハイカーズデポのグループは総勢8名。一般参加の方が6名の総勢14名となりました。人数が多かったこともあり、ハイカーズデポグループも4名ずつに分かれて別々のセクションの整備に向かうことになりました。

整備のセクションは、「野々海峠(ののみとうげ)〜深坂峠(みさかとうげ)から北へ行けるところまで」と「伏野峠(ぶすのとうげ)から南へ行けるところまで」。僕の班は野々海峠〜深坂峠へ向かいました。

今年は例年とは様相が異なりました。それは2015から16へかけての冬の間非常に積雪が少なく、例年であればまだまだ残っている雪が全く無かったからです。雪が無ければ整備が楽なのかといえばそうではありません。雪解けが早い分下草の成長が早いため、草刈りが非常に大変になるのです。なので今回の整備内容は除草を主に、倒木や成長しすぎた枝の処理をしました。

除草処理の手順は、森の家のスタッフが草刈機で刈った草を熊手で片付ける。残った草や笹を鎌で刈り取る。倒木や成長しすぎた枝をノコギリで落としていく、それの繰り返しです。地味な作業ですが、かなりの重労働で時間も想像以上にかかります。この作業は以前させていただいた看板の建て替えなどと比べ派手さはないものの、道を歩くという意味においては何よりも大切な作業なのです。

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作業の終盤には急な雲、そして驟雨となりましたが、野々海キャンプ場で雨宿りしながら、雨を眺め、風を感じ、ぼんやりと空を見上げる時間はなによりも贅沢で、とても豊かな時間になりました。

今回の参加者の中には整備ボランティアTシャツが2枚目という方がいらっしゃいました。ということは10回目。頭がさがる思いでした。信越トレイルは多くの人たちの協力と努力があってこそ維持されているのだと、そして僕たちも続けていくことが大事なのだと改めて感じさせられました。

 

参加してくれた皆様。ありがとうございました。
LDHDのパネラーそしてJMTハイカーの野底稔さん。信越トレイルを一緒にスルーハイクして以来、ハイキングバディとして高島トレイル、塩の道と歩いてきましたが、整備には今回やっと参加となりました。ありがとうございました。
LDHDのパネラーそしてJMTハイカーの中島悠二さん。独特の世界観を持ってハイキングを楽しむハイカーの目には整備はどう見えているのでしょうか。文化部派なのに体力仕事の重労働お疲れ様でした。ありがとうございました。
LDHDのパネラーそしてJMTハイカーの丸山景子さん。小柄な体からは想像もつかないバイタリティ。忙しい中にもかかわらず参加していただきありがとうございました。
昨年のJMTセクションハイクでハイキングカルチャーに触れ、とても雰囲気が変わった青山ご夫妻。お二人を見ているとハイキングの力を感じずにいられません。お仕事もある中、奥様が途中からの参加でしたが、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
そして、取材班に整備にと忙しく動いてくれた2度目の参加のTRAILS小川さん。昨年に続き参加のハイカーズデポ勝俣隆さん。お疲れ様でした。ありがとうございました。

 

誰かが整備している道。
続けることで道は成り立っている。
信越トレイルに関わり続けること。

 

毎度ながら面倒なリクエストに対応してくださっている信越トレイル事務局の片平様。大変お世話になりました。そして森の家スタッフ、信越トレイル事務局の皆様、ありがとうございました。またよろしくお願いします。
ハイカーズデポでは信越トレイルの整備に興味がある方達へ信越トレイル事務局との橋渡しもしております。信越トレイル事務局では、定期的な整備への ボランティア参加はもちろん、ある程度の人数がまとまればグループ別での整備ボランティア活動へも対応して下さいます。もしご興味がある方は信越トレイル 事務局へ直接のお問い合わせはもちろん、ハイカーズデポへのご質問もお受けしております。

そして来年以降は、今回の一泊二日の信越トレイルデイハイキングとトレイル整備を広く皆さまと共有すべく準備をするつもりでおります。その際はぜひ一緒に整備に汗を流していただければと思います。

 

Hiker's Depot
長谷川晋

長谷川晋

書き手長谷川 晋

1978年、東京生まれ
自転車で日本を旅して回ったのが「旅人」としての原点。トレイルネームは「Turtle(タートル)」 セレクトショップ、スキー場、山小屋、アウトドアショップなどの勤務を経てハイカーズデポ スタッフへ。2010年のパシフィック・クレスト・トレイルスルーハイクの後、その経験を後進ハイカーにブログやイベントなどを通じ積極的に提供。ウェブマガジンTRAILSとの共催イベント「LONG DISTANCE HIKERS DAY」をたちあげ、日本人長距離ハイカーコミニティの中心人物でもある。現在は一般社団法人トレイルブレイズ ハイキング研究所の代表理事をつとめ、日本における長距離トレイルやハイキング文化発展に奔走している。著書に『LONG DISTANCE HIKING』(TRAILS)がある。

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