説明
黒部源流域の登山道の交差点とも言える三俣蓮華岳。その麓の山小屋、三俣山荘も他の山小屋同様、長年地道に登山道の整備に取り組まれてきました。整備技術が優れている人や団体に積極的に教えを乞いながら、黒部源流域の自然と登山道とに向き合ってきたそうです。山荘スタッフのみで続けてきた彼らの「道直し」に転機が訪れたのは2021年。登山サークルや山荘常連客からの整備ボランティアの申し出がきっかけです。ボランティアを受け入れるなかで、問題意識と何のための道直しかという視点を共有する必要性を痛感、長年の整備活動の中で育んできた想いを平易な言葉でエッセイのようにまとめたこの一冊が生まれました。
風景をしっかり観察し、そしてその風景が傷ついてしまった理由を一緒に想像してみましょう。
本書は登山道がこれ以上、風景の傷口にならないよう、登山者やハイカーがすぐにできる行動を訴えています。それがストックの使い方です。道直しに参加せずとも、山を歩く際の心がけひとつでその風景は守られるかもしれません。登山が風景の傷口を広げる行為ではなく、傷口を癒す行為になるようわたしたちにできることはまだまだあるのです。
なお、本書の売上の全ては三俣山荘道直しの活動費とさせていただきます。
仕様
重量:62g
ページ数:60ページ
判型:B6
文・編集:石川吉典、伊藤敦子
発行人:三俣山荘、NEO ALPS
発行日:2023年夏