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みちのく潮風トレイルの地図について

2020/10/07
土屋 智哉
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青森県八戸市から福島県相馬市まで三陸沿岸約1,000kmの長距離トレイル(ロングトレイル)として2019年6月に全線開通した「みちのく潮風トレイル(MCT)」。スルーハイクにせよ、セクションハイクにせよ、ハイキングのプランニングには地図とデータが必要です。そこで2020年10月現在入手可能なみちのく潮風トレイルの紙地図およびデジタルマップについてまとめてみました。

2019年6月に青森県八戸市から福島県相馬市まで三陸沿岸約1,000kmの長距離トレイル(ロングトレイル)として全線開通した「みちのく潮風トレイル(MCT)」。公式全線開通以前から、すでに多くの旅人やハイカーが歩き旅としてのハイキングをそれぞれのスタイルで楽しまれています。
スルーハイクにせよ、セクションハイクにせよ、ハイキングのプランニングには地図とデータが必要です。データとは距離情報やトレイル上での生活(トレイルライフ)を支える水や食料の補給、宿泊、排泄に関わる生活情報です。現在でもみちのく潮風トレイルに興味はあるけれど、地図の入手方法がわかりにくい、どういった情報があるのかわかりにくい、という声を耳にすることも少なくありません。
2020年10月1日より、みちのく潮風トレイルの維持管理団体「NPO法人みちのくトレイルクラブ」からハイキングデータも盛り込んだハイキングマップブックが全10冊で販売開始されました。またホームページもリニューアルし、Google MapデータやGPXデータといったデジタルマップデータもダウンロードしやすい環境になりました。そこで以下、2020年10月現在、入手可能なみちのく潮風トレイルの地図についてまとめてみました。

 


環境省トレイルマップ(42g/1部 全28種)

環境省が沿線各地でのトレイル開通にあわせ、順次配布してきた全28種類のマップです。これまでハイカーが入手できるマップの中心でした。公費作成のマップのため無料配布されてきたこのトレイルマップはのべ70,000万部が配布されています。しかし配布施設が限定されていること、郵送での取り寄せがやや面倒であるという指摘もありました。このトレイルマップ無料配布は環境省の事業であるため、年度末にあたる2021年3月31日をもって終了となります。すでに在庫がなくなっている区間については再発行の予定はないとのことです。全線分を用意するのはすでに難しくなっていますが、まだ活用いただけますのでご希望の方は以下のHPで配布窓口などをご確認ください。

 

みちのくトレイルクラブ ハイキングマップブック(36g/1部 全10冊)

2018-19年にハイカーによる実地調査を基にしたハイキングデータを盛り込んだみちのくトレイルクラブ作成の新しいマップブックです。2020年10月1日よりみちのく潮風トレイルの名取トレイルセンターおよび各サテライトを中心に販売がスタートしております。最大の特徴は北米の長距離トレイル(ロングトレイル)で採用されているマップブックスタイルであることです。1,000kmにわたるトレイル全線を10分冊でまとめており、環境省トレイルマップ同様の1:25,000スケールながら重量、容積共に大幅にスリム化されています。ハイカー目線での「食べて、寝て、出して」に関わるトレイルライフに関わる情報は「道程中の目標物までの距離表記」中に記載されています。スペースなども問題からこれらは抜粋情報となりますが、今後みちのくトレイルクラブからハイキングデータを中心にしたデータブックの刊行も計画されているもようです。

 

みちのくトレイルクラブ オンラインマップ&GPXデータ

みちのく潮風トレイルを歩く際の課題のひとつに市街地におけるルート変更があげられます。これは東日本大震災からの復興工事により市街地の区画や道路が現在も改変されていることが理由です。紙地図と実際の区画および道路が異なる場合にはオンラインマックやGPXデータが効果的です。みちのくトレイルクラブでは、Google Map上にルートを公開しているほか、ハイカーが自身の端末にダウンロードできるGPX形式の地図データを公開しています。

 


以上、現在入手可能な3種類のマップについてご紹介しました。しかしトレイル状況の変化やや復旧工事の進捗により、迂回路の設定がおこなわれたり、地図上での齟齬が発生する場合があります。これはみちのく潮風トレイルに限らず、海外のトレイルや日本の山岳トレイルと同様だとお考えください。また海沿いのルート中には満潮や高潮により迂回が必要になることもあります。 各注意ポイントやその他、ルートに関する最新の情報については、みちのくトレイルクラブのホームページや各サテライト施設の情報の確認を是非ご確認ください。

土屋 智哉

書き手土屋 智哉

1971年、埼玉県生まれ。当店のオーナー。
古書店で手にした『バックパッキング入門』に魅了され、大学探検部で山を始め、のちに洞窟探検に没頭する。
アウトドアショップバイヤー時代にアメリカでウルトラライト・ハイキングに出会い、自らの原点でもある「山歩き」のすばらしさを再発見。2008年、ジョン・ミューア・トレイルをスルーハイクしたのち、幼少期を過ごした三鷹にハイカーズデポをオープンした。現在は、自ら経営するショップではもちろん、雑誌、ウェブなど様々なメディアで、ハイキングの楽しみ方やカルチャーを発信している。 著書に 『ウルトラライトハイキング』(山と渓谷社)がある。

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