REpack

温かいものは温かく食べたい。そんなハイカーの要望に応えるコジー。その中でもフリーズドライフードの食べやすさを意識した「保温食器」としての完成度に優れているのがHMGリパック。

仕様

重量
40g
サイズ
横16 × 縦14 × 幅5 cm
素材
表生地 DCF11
中綿 3M Thinsulate Insulation

安定感を与える底パネル
手持ちしやすいハンドウォーマー
まさに「保温食器」のリハイドレイトコジー

様々なリハイドレイトコジーの中でも「食器」としての使用感を追求したのがHMG リパック

ハイキングで多用される食事といえば「袋ラーメン」「フリーズドライフード」を真っ先に挙げる登山者、ハイカーは少なくないでしょう。特にフリーズドライフードは湯戻し(リハイドレイト)だけで調理が済むものも多く、調理した袋から直接食べれば、食器を汚さなくて済む、洗わなくて済むなどのメリットから日米問わず、登山スタイル問わず、多くの登山者、ハイカーがお世話になっています。

温かいものは温かく -コジーの製品化 -

フリーズドライ食品の湯戻し時間はその多くが10分以上。その間に冷めてしまわないよう昔からニットキャップに包んだり、防寒着のポケットに入れたり、寝袋の中に入れたりと各自が工夫を凝らしてきました。誰しも温かいものは温かいまま食べたい、そんな思いから製品化されたのがコジーです。2000年代前半にはアストロフォイルを材料としたコジーがAnti Gravity Gearから製品化されています。アストロフォイルでそのままフリーズドライ食品の袋を包むものや、Ziploc®︎のコンテナケースにアストロフォイルを貼り付けたものまで、現行のコジー製品の原型はあらかたこの時期に出尽くしています。

その後、緩衝材入り収納ケースとしても使用できるよう化繊綿やネオプレーンを素材の採用したコジーがINTEGRAL DESIGNSや40 Belowといったブランドから登場します。この延長線上にあるのが、現在2010〜20年代のBIG SKY International、Trail Bum、そしてHyperlite Mountain Gearのコジーといえます。

汎用性と機能特化

現在はひとくちにコジーと言ってもブランド毎にその指向性が異なります。BIG SKY InternationalやTrail Bumのコジーはコジーとしてだけでなく、緩衝材入り収納ケースとしての使用が強く意識されたつくりになっています。カメラ本体やカメラレンズ、スマートフォン、バッテリー、その他電子機器などの簡易ケースとしているユーザーも多いでしょう。シンプルに徹したつくりゆえ、これらはコジーに留まらない汎用性を持つのです。
それに対してHMG(ハイパーライトマウンテンギア)は保温食器として機能特化させることを意識してリパックをつくっています。

ハンドウォーマー式ハンドル

持ちやすさは食べやすさ

リパック最大の特徴がこのハンドウォーマー式ハンドルでしょう。食事の際はリパックのフラップを反転させて逆サイドでバックル固定。これで手で持ちながらの食事が容易になります。いままでの他のコジーには無い機能です。コジーはやわらかい袋ですから、食器のようにしっかりと持って食べることは難しい。それを嫌ってわざわざクッカーに移して食べる登山者、ハイカーもいます。そうした意味でこのハンドルは画期的ですし、解決方法もいたってシンプル。「保温食器」といえる最大の理由です。

安定感を与える底パネル

底パネルで中の食品が安定

「食器」として使うなら、中の食品の安定が欠かせません。袋から直接食べにくい理由はやわらかい袋だと食品が安定しないからです。安定しないからスプーン、フォーク、箸でしっかり食品が掴めない。コジーである以上、全体をカッチリとさせるわけにはいきませんが、底パネルを入れるだけで格段に中の食品が安定し扱いやすくなります。

汁気を吸わない、汚れにくい

水を吸わないDCFだから、食品汚れに対しても強い。

表面素材はDCF11。かつてキューベンファイバーと呼ばれたこの素材は軽さと強度がその特徴ですが、フィルム素材であることから「吸水しない」という特性がここでは大きな意味を持ってきます。食器として使う以上、食品の汚れがつくことは避けられません。しかし吸水しないDCFならば汚れをさっと拭き取ることが可能です。

できる限りシンプルな工夫で他社製品との差別化をはかり、なにより「食器」として使いやすいものに仕上げる。その結果できあがったリパックはまぎれもなく機能美に溢れています。

使用例

Ziploc®︎ Sサイズ&Mサイズ

Ziploc®︎のSサイズ、Mサイズは幅が一緒なのでともにリパックにぴったりです。

汁気の多いチリビーンズなども安定して食べられます。

オニシ食品&サタケ食品

日本のアウトドア市場で最もスタンダードなフリーズドライ食品はピッタリ

500mlサイズのクッカー

ULハイカーにポピュラーな500mlクッカーもそのまま収納可能。

個人的にはこうしたコジーはほとんど使用しなくなってしまいましたが、ULハイキングのティップスとして試行錯誤していた時代の経験は良い糧になっています。そして実際にコジーの効果は絶大です。フリーズドライフードを定番としているなら一度は試してみて損はありません。そして数ある中で「食器」としての完成度をコジーに求めるなら、HMGのリパックははずせないでしょう。