行動食にも、軽食にも使える「揚げ玄米」の作り方
〈はじめに〉
軽さや味わいで「焼き玄米」を山に持って行く方も多いと思います。
「焼き玄米」は昔から、日本の家庭で作られていたものですので作り方はシンプルです。
①浸水、②蒸らし、③水洗い、④乾燥、⑤焼き
乾燥に数日かかるため、少しばかり手間がかかるのが困るところ。食べるのはあっという間なのに…。
ものは試しと、ポップコーンを作る要領で油を使って揚げたところ、ちゃんと玄米はポップしました。湯戻しは難しいですが、食べ応えはまるで焼き玄米のようです。油で揚げてあるので味も絡みやすく、カロリーもブーストできます。調理時間は30分と短いのもお手軽です。
ということで、ライスコラム第二弾は「揚げ玄米」です。
〈お米〉
最近では、普通のスーパーでも玄米をいく種類か置いてますので、お好みのものをお選びください。普通の玄米の場合は半日ほど浸水をした方が柔らかくなります。発芽玄米などを使えば浸水なしでも作れますが、気持ち、ポリポリ感が強くなります。
〈作り方〉
①浸水した玄米、または発芽玄米を二合用意します。フライパンのサイズにもよりますが、三合以上のお米を入れると、火の当たり方にムラができるので、二合くらいまでだと作りやすいです。
②油は、お米一合にたいして10-15mlです。オリーブオイルでも、ごま油でもお好みの植物油をご用意ください。醤油系で味付けするときは、ごま油の方が香ばしいです。それ以外はオリーブオイルで良いでしょう。
③油をフライパンに入れて熱したら、水を良く切った玄米を投入します。火加減は中火から強火です。(IHの場合も同様です。)玄米を浸水した場合は、水分を含んでいるので油ハネに気をつけましょう。
玄米とオイルがなじむようにゆっくりと混ぜます。10分くらいで玄米がはぜてきます。(浸水していない発芽玄米の場合は5分くらいではぜはじめます)
はぜはじめたら、全体に満遍なく火が当たるように、よく炒ってください。半透明な玄米が白くなってきます。ほとんど白くなる頃に、少し焦げの香りがしてきます。火を止めてください。プレーンが好みの方は、よく冷ませば完成です。
④味付け
余熱を利用して味付けします。醤油などの水分を含んだもので味付けをする場合は、調味料を入れた後に、少し炒ると良いでしょう。味付けは、ピラフやパスタのレシピが参考になります。
〈玄米の栄養価〉
玄米一合あたりのカロリーは500〜600kcalです。オイルを10g入れても、約700kcalくらいしかありません。ハイキングで消費したカロリーを補うには少し足りません。一食あたりの分量を増やすか、ピーナッツなどのタンパク質を多く含むナッツ類と合わせれば、玄米だけでは不足しがちなタンパク質や脂質を摂れるでしょう。
繊維質が多く含まれるので、もともと玄米を食べるとお腹が緩くなる方は、揚げ玄米の食べすぎにはご注意くださいね。
〈日保ち〉
揚げ玄米は油を使うことで水分を飛ばしますので、日保ちしやすいのが特徴です。味付けで水分を加味した場合には、水分を飛ばしてから保存してください。 また、ジップロックなどの密封できるものに入れる際には、シリカゲルなどの乾燥剤を合わせて入れると、カビなどが繁殖するのを防ぎます。
〈おわりに〉
揚げ玄米は縦走でのスナックとしても優れていますが、ウルトラライトなどのアプローチとしては、火器なしでハイキングすることができます。生米でも揚げ玄米にしても、さして重量はかわりませんが、火器が減らせるメリットがあります。一泊二日のショートハイクでしたら、揚げ玄米でも飽きずに歩けるでしょう。
プレーンの揚げ玄米を、パワーバーの素材にすると、さくさくして美味しいです。
ぜひ、自家製の揚げ玄米を作ってみてください。あまりの簡単さに、色々なフレーバーに挑戦したくなりますね。