イベント『つなぐ東海自然歩道、もう一歩 in 大阪』開催

東海自然歩道

日本初の長距離自然歩道である東海自然歩道の構想がたちあがったのは1969年。高度経済成長による工業化の波から郊外の自然を守るグリーンベルトとして、そして歩くことで東京と大阪を結ぶ人の道として、厚生省の国立公園部が構想をたちあげたのがはじまりです。全線開通は1973年、日本にも半世紀の歴史をもつ1,000km超えのロングトレイルが実は存在しているのです。そして東海自然歩道はその構想時から北米のアパラチアン・トレイルを目指すべきものとして計画されました。まさに日本初のロングトレイルなのです。

 

東海自然歩道はさまざまな課題から、この50年間積極的に活用されてきたとは言い難いのが実情です。しかし北米においてもアパラチアン・トレイルが浸透しハイカーによって歩かれるようになるまで、その敷設から四半世紀を必要としました。トレイルが敷設され、ハイカーが認知するようになり、スルーハイカーがうまれ、地元に根付く。それには日米問わず長い年月が必要なのです。

 

ロングディスタンスハイキングとスルーハイキング、日本の10年

日本人PCTハイカーがワンシーズンで複数人数になった2012年以降、日本でも海外スルーハイクを経験するハイカーが急速に増えました。2016年からTRAILSと共同開催しているイベントLONG DISTANCE HIKERS DAYの登壇者、参加者をみても、ロングディスタンスハイキング、スルーハイキングという文化が少しずつ日本にも浸透してきました。
海外ハイキング経験者が増えたいまだからこそ、あらためてわたしたちの足元、日本のロングディスタンスハイキング、スルーハイキングを見つめ直す段階にきているように思います。本場アメリカの現実を体験したからこそ、「日本を楽しむロングハイキング」をみんなで生み出していけるはずです。そして日本には1,000kmを超える「歩く道」がいくつも眠っています。日本初の長距離自然歩道である東海自然歩道を現代ハイキングの視点でハイカーが全線調査すること、その実状を共有することで、日本国内のロングディスタンスハイキングに新しい風が吹いてほしいと願っています。

 

日本のトリプルクラウン

保全と地域計画を主軸とした開拓者アパラチアン・トレイル、恵まれた気候と変化に富んだウィルダネスのパシフィック・クレスト・トレイル、先例に学びながらも独自進化し野生的なコンチネンタル・ディバイド・トレイル。アメリカの三大トレイルがそれぞれの魅力を持つように、アメリカのトレイルに学び 街と山の端境をゆく東海自然歩道、温暖な気候の中 荒々しい刺激がクセになる九州自然歩道、地形的変化に富んだ沿岸をゆく みちのく潮風トレイル、日本においてトリプルクラウンを考えるなら1,000km超えのこの3本だとわたしは考えます。そして信越トレイルはバーモント・ロングトレイルのような文化の核となる魂のトレイル、高島トレイルはアリゾナ・トレイルのような自由あふれるトレイルです。北米のあり方が絶対ではありませんが、こうした目線で日本のトレイルを見つめ直すと、日本のトレイルやハイキングがいままでと違う景色に見えてきます。日本のトリプルクラウン、歩いてみたくありませんか。

 

半世紀続いてきたロングトレイルのいま。
つなぐ東海自然歩道、 もう一歩 in 大阪

2010年にPCTをスルーハイクした後、ハイカーズデポの店頭で多くのハイカーの相談にのり、彼らを海外に送り出してきた長谷川 晋。2014年には著書『LONG DISTANCE HIKING』(TRAILS)を著し、2016年にはTRAILSとイベント「LONG DISTANCE HIKERS DAY」をたちあげてきました。そんな彼が2020年に自らが代表として立ち上げたのが一般社団法人トレイルブレイズハイキング研究所。ハイキング文化の醸成と持続可能なトレイル運営の取り組みを支援する組織です。

2023年秋におこなわれた東海自然歩道全線調査は彼らが沿線各自治体、環境省から現状や歴史的変遷なども聞き取りをおこない、机上調査から実際の全線調査へといたりました。2024年春には東海自然歩道本線の実踏調査の経過報告会を名古屋で開催、そして今年は支線の実踏調査をふまえた全体像の報告会を大阪で開催します。今回は2024年のスルーハイカー山中二郎氏の報告のほか、東海自然歩道を歩こうと考えているハイカーへのワークショップなどもおこないます。

 

【日時】2025年2月22日(土) 13:30〜19:00 *開場 12:30

【会場】A&Hホール千里中央(〒451-0042 大阪府豊中市新千里東町1-5-3 千里朝日阪急ビル4F)

【主なプログラム(予定)】
東海自然歩道 2024年度 実地調査報告

自治体の取り組み 京都府と大阪府
東海自然歩道活性化に向けて 環境省
各地のトレイルブース
The North Faceの見る東海自然歩道

東海自然歩道スルーハイキング:山中二郎(2024年スルーハイカー)
東海自然歩道のカコ、イマ、コレカラ〜長く歩く旅と人生〜:シェルパ斉藤 
東海自然歩道の活用〜米国トレイルから見る

歩き方ワークショップ
 (
スルーハイキング/セクションハイキング/プランニング編/食事&道具編)
   
【詳細】
タイムテーブルおよび注意事項などはコチラをご覧ください。

【参加費】¥1,000

【チケット】事前申込。お申し込みはコチラから。

 

【問合せ先】一社)トレイルブレイズハイキング研究所(toreken.event@trailblaze-hi.org)

【主催】一社)トレイルブレイズハイキング研究所 【助成】地球環境基金

関西地方のハイカーはもちろん、全国各地のハイカーのご参加をお待ちしております。