北米のULバックパックメーカーの多くはPCTやATなどのスルーハイカーがたちあげたものです。日本でも増えてきた海外長距離トレイルのスルーハイカーたちが、2020年以降、自らのバックパックブランドをおこし「ウルトラライト」以上に「ロングディスタンス」に焦点をあてたバックパックを提案するようになりました。
この文脈に位置する日本の2ブランドがyamada packsとMIYAGENです。昨年好評をいただいた合同ポップアップを今年も開催します。今回の受注分は2025年夏のハイキングに間に合うよう納品いただけます。
ULハイク&ロングハイク文脈におけるこの四半世紀におけるバックパックの潮流も俯瞰しておくと、この展示受注会をより楽しんでいただけると思います。
yamada packs & MIYAGEN 展示受注会
イベント概要
日時)2025年2月15日(土)&16日(日) 12時〜18時
場所)ハイカーズデポ(東京都三鷹市下連雀4-15-33)
内容)
- yamada packsのバックパック展示説明および受注
- MIYAGENのバックパック展示説明および受注
参加費)無料
既に製品販売をおこなっている両ブランドですが、当日の既製品販売や受注アイテムについての詳細は未定となります。ポップアップは両ブランドの旗艦アイテムであるバックパックに盛り込まれたアイデアやその意図について製作者からじっくりと話を聞く機会にしていただければ何よりです。
国内外の長距離ハイキングで使いたいというみなさんからの注文は両ブランドともにとても喜んでいただけるはずです。

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ブランド紹介
yamada packs
2018年のPCTスルーハイカー「Watermelon」が2022年に立ち上げたハンドメイドバックパックのブランド。彼が作りたいのは「後ろから抱きしめられているかのような背負い心地」「1週間の食料の重さに耐え、しっかりと腰で支えられる構造」のバックパック。北米長距離トレイルの日本人スルーハイカーが立ち上げたバックパックブランドのパイオニアとして、自然豊かな山形県を拠点に渓流に遊び、山を歩き、バックパックの制作にじっくりと向き合っています。
創業以降、yamada packsのバックパックが使用されたのは北米、ヨーロッパ、ニュージーランドと多くの海外長距離トレイルにひろがり、そのフィードバッグにより日々進化を遂げています。既に長距離ハイカーからの信頼と実績を積んでいるロングハイクバックパックのコテージギアメーカー。
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
MIYAGEN Trail Engineering
2022年のPCTスルーハイカー「Teenage Dream」が家業の酒屋に併設して2022年に立ち上げたハイキングギアメーカー。国内大手アウトドアメーカーで製品企画開発に携わっていた経歴を活かし、細部にまでこだわった品質のギアを各種制作販売しています。特にわずか2gの超軽量ホイッスルは3Dプリンターの特性を活かした独自の内部構造が軽さと音量を決定づけた独創的な代表作といえます。バックパックは自身のPCTスルーハイクでプロトタイプをテスト、翌23年にも再び自らがPCTセクションハイクでテストする他、友人ハイカーによるPCTスルーハイクでも使用されています。最新のロングハイクフィードバックからうまれた2025年バージョンを受注します。この展示受注会でぜひ体験してください。


ロングハイクからULハイクが生まれ、再びロングハイクに回帰する。ハイキングシーンにおけるこの循環はアメリカだけの話ではありません。日本でも同じです。山と道の夏目夫妻がJMTを歩き、ウルトラライトハイキングにこだわったバックパックを発表したのは2011年。それからの2010年代、日本では様々なコテージギアメーカーが「ウルトラライト」に焦点をあてたバックパックを提案してきました。そして2020年代、日本でも増えてきた海外長距離トレイルのスルーハイカーが「ロングディスタンス」をキーワードにしたバックパックを提案するようになったのです。
肩中心の上半身荷重のULバックパックが良いのか、腰中心の下半身荷重のロングハイクバックパックが良いのか、という二項対立で捉えるのではなく、それぞれの特徴を把握しながらバックパックを手にしていただければ何よりです。バックパックの潮流の現在地を楽しむ展示受注会にしてください。