EXOspikes™︎

12個のカーバイドチップでスパイクシューズのような使用感を提供する簡易スパイク。従来は町用のイメージが強かったが、路面凍結した林道や舗装路、トレースがしっかりついている自然歩道などが主舞台となる「長距離自然歩道の冬季ハイキング用」としてまさに最適

仕様

重量
208g / M
サイズ
XS:23〜24.5cm
S:24.5〜26cm
M:26〜28cm
L:28cm〜
チップ
12個 / 7.4mm タングステンカーバイト製
素材
バンド:TPE
スパイク:タングステンカーバイト
カラー
ブルー
その他
収納用スタッフバッグ付き

林道や舗装路の雪道歩行に最適
より高い汎用性を誇る
日本の長距離自然歩道で使いたい
『EXOspikes™︎』

EXOspikes™︎はトレッキングポールの石突のような12個のタングステンカーバイトチップが特徴。街用と一般的には考えられがちですが、その舗装路に適した特性を活かせる旅の場面を考えてみたい。

滑らなそうだ けど滑る、何も無いと不安、転んだら転げ落ちそう。冬靴やフルサイズのクランポンまでは必要としない季節や山域で携帯&使用する簡易クランポンとして2010年代以降はチェーンスパイクがハイカーや登山者の定番となりました。ソールの硬い登山靴が足元の中心だった時代は足裏の中心であるアーチ部分にトラクション機能を持たせる4本爪アイゼン、6本爪アイゼンが主流でした。しかしトレイルランニングシューズなどのソールがやわらかいシューズを愛用する層が増えたことでつま先から踵までしっかりトラクション機能を持たせ、より「歩きやすい」チェーンスパイクが支持を得たのです。
このあたりの変化や雪道で身につけるべき本来の歩き方などについてはこちらの商品記事もご参照ください。

冬季林道アプローチ用として

チェーンスパイクは森林限界以下でトレースもつきやすい山域でメインクランポンとして活用しているハイカーが多いはずです。また森林限界以上のより条件が厳しい冬山登山を志向する登山者も林道アプローチで活用するために予備クランポンとして携帯するケースも少なくないかと思います。しかし林道や舗装路でのチェーンスパイクの使用時に違和感を感じたことはないでしょうか。積雪があり、それが踏み固められている状態ならばチェーンスパイクは非常に有効なのですが、舗装面がでているような凍結路面では「爪が効きづらく歩きにくい、むしろジャマ」と感じることもあるはずです。

積雪があり、ある程度踏み固められている「山道」「自然道」では一般的なチェーンスパイクがやはり効果的です。一方「林道」「舗装路」などのアプローチ場面でより効果を発揮するのがトレッキングポールの石突のようなカーバイドチップを足裏全面に配置したこのエグゾスパイクのような簡易クランポンなのです。

一般的なチェーンスパイクよりも軽く、コンパクトになります。

長距離自然歩道のウインターハイキング用として

こうしたカーバイドチップの簡易クランポンはこれまで「街用」として捉えられてきました。それを一歩進めて林道アプローチ用として提案しても、ハイカーにはピンとこないかもしれません。本格的に冬季登山をする技術や経験をもつ登山者の場合、この手の道具がなくてもなんとかできてしまうのが実情です。むしろ冬季歩行にまだ不慣れなハイカーがより積極的に冬のハイキングを楽しむための道具として使いたい。それが日本特有の路面構成をもつ「長距離自然歩道におけるウインターハイキング用」としての活用です。

凍結路面に強く、歩きやすいスパイク面。ヨーロッパのウインターシューズに採用されるスパイクシューズ的な歩行感覚が得られます。

2019年、みちのく潮風トレイルが全線開通したことを契機に日本ならではのロングハイキングの舞台として長距離自然歩道へ注目するハイカーが増えるようになりました。みちのく潮風トレイルは寒さ厳しい東北ですが、積雪が少ない太平洋沿岸ということもあり「冬でも歩けますか」という相談をいただくことも少なくありません。確かに寒さ対策(特に強風対策)をしっかりすれば歩けるのですが、ここで問題となるのが積雪対策ではなく、凍結路面対策なのです。積雪は少ないけれどもルートとなっている林道や舗装路が凍結しているというのは冬の東北太平洋沿岸では珍しくありません。こうした状況に最も適しているのは一般的なチェーンスパイクよりもカーバイドチップを足裏全面に配置したスパイクなのです。
日本の長距離自然歩道の多くは町と山の際を利用したルート設定がおこなわれています。山に入るにしても登山道だけでなく未舗装林道を積極的に取り入れるなど、林道や舗装路の比率が少なくありません。そして標高をあげることよりも山間を縫うようなルート設定がなされるため、積雪対策よりも凍結路面対策の方が重要になるのです。

山道も未舗装林道も街中の舗装路も含めたお遍路のような歩き旅の文化が日本には古くからあります。さらに2010年以降、海外ロングハイキング経験者が増えたことで、海外の長距離トレイルも山道や自然道ばかりではなく、未舗装林道や舗装路をも含むことが日本でも知られるようになりました。こうした状況が積み重ねられたこともあり、自然道から舗装路までを含む複合路態である長距離自然歩道が高山帯の縦走路とは異なるもうひとつの歩き旅の舞台として認知されるようになりつつあります。標高も低く、林道や舗装路も多い長距離自然歩道の冬季ハイキングでは、高山帯の冬季登山とはまた異なる、それに適した道具が必要とされます。エグゾスパイクはそうした道具のひとつだといえるでしょう。

特徴

1)TPEバンドによる着脱

ベルトがゆるむ、ワンタッチフックが外れる、そうしたトラブルとは無縁です。ゴムバンドを伸ばしてひっかける、それだけで装着できる手軽さは魅力で す。ややきつめの方が外れにくく、足裏のスパイク部分も動きません。

2)足裏全体で路面をつかむ

12個のカーバイドチップが足裏全面にわたって配置されています。雪道歩行の基本であるベタ足だけでなく、あおり足にもより対応しています。一般的なチェーンスパイクよりも高さを抑えられ、カーバイドチップの設置面が大きいため凍結路面ではより歩きやすくなっています。一方、積雪が一定量を超えてくるとその有効性は次第に一般的なチェーンスパイクに軍配があがるようになります。

一般的なチェーンスパイクとの棲み分け

同じKahtoolaのマイクロスパイクと比較してみます。

・マイクロスパイク(ペア338g)

傾斜が強くなったり、積雪量がある程度ある踏みしめられた雪面ではこちらの方が効果的です。登山道や自然道などより自然要素、登山要素が強い状況ならばマイクロスパイクのような一般的なチェーンスパイクが良いでしょう。

・エグゾスパイク(ペア208g)

重心がより低く、そして軽くなります。走ることができるくらいの傾斜を中心に踏み跡がしっかりしているて低山の登山道や自然道で有効です。また路面凍結した林道や舗装路に非常に強く、町要素や歩き旅要素が濃い状況で活用したい。

より山中での活動に焦点をあてて使いたい時にはステンレススチールスパイクの従来型のチェーンスパイクを、路面凍結した林道や舗装路、トレースがしっかりついている自然歩道などでの使用を主とするならタングステンカーバイトチップ製の簡易スパイクを、と整理すると製品の特性を理解しやすいでしょう。

サイズについて

シューズはその種類によってボリュームが異なります。以下のサイズ表はトレイルランニングシューズ、ハイキングシューズなどを基準としたものになります。

XS:23〜24.5cm
S:24.5〜26cm
M:26〜28cm
L:28cm〜

同社のマイクロスパイクとはサイジングがやや異なりますのでご注意ください。