「バックパックのすべてを再構築しました。」とパーゴワークスが喧伝するハイキングパックがゼンシリーズです。シリーズ最大の特徴は本体、ハーネス、外部ポケットが取り外し可能なユニット構造になっていること。外部ポケットにハーネスを移植すればアタックザックとしても活用できます。背面は可変式になっており、細かな微調整に対応します。特に華奢な方、小柄な方など従来の軽量バックパックではフィット感が得にくかった方にもおすすめです。最大容量のゼン45では荷重サポートのためのウエストベルト、アルミフレーム、背面パッドもユーザーの好みによって脱着可能。シンプルなULバックパックでもなく、腰荷重重視のロングハイキングバックパックでもなく、「アウトドア自由主義」を掲げるまさにパーゴワークスらしいマルチユースバックパック。
仕様
重量:1,165g(最小重量:740g)
本体 490g、ショルダーハーネス 250g、ヒップハーネス 126g
フロントポケット 85g、背面パッド 104g、アルミフレーム 110g
容量:45L
背面サイズ(適合身長):ワンサイズ(約145〜約190cm)
素材:本体 210D Extreema grid ナイロン、底部 ECPPACK200
色:ブルー、グレイ
背面フィットの微調整
使用スタイルの多彩な提案
独自のユニット構造が可能性を広げる
『アウトドア自由主義』を掲げ、独創的なデザインと使い手を第一に考えたユーザビリティを特徴とするPAAGO WORKS。インディペンデントメーカーのフットワークとマスプロメーカーの信頼の品質、両者の良い部分を合わせもつブランドとして2011年の創業以来、幅広いランナー、ハイカーに支持されています。そのPAAGO WORKSが2025年、新たなバックパックシリーズを立ち上げました。四半世紀にわたるバックパックデザイナーとしての経験を持つ代表の斎藤徹が「すべてを再構築した」と明言するのバックパックシリーズ「ZENN」です。
25L、35L、45Lと3つのパック容量で展開されるZENNシリーズですが、シリーズ全体を象徴するテーマはフィッティングの調整およびカスタマイズの自由度にあります。それを可能にしているのが、本体、ハーネス、外部ポケットが分割可能なユニット構造です。
ZENN45の仕様
ユニット構造
ZENN45は写真のように各ユニットに分割ができます。
・本体 490g
・ショルダーハーネス 250g
・ヒップハーネス 126g
・フロントポケット 85g
・背面パッド 104g
・アルミフレーム 110g
このユニット構造がZENN45のバックパックとしての特徴の基盤となっています。
ショルダーハーネス
ジッパーポケット付きの幅広のショルダーハーネス。PAAGO WORKSの代表作のひとつランニングパック「ラッシュ」のハーネスで培ったフィット感がZENNでも体感いただけます。
ベルクロテープでショルダーハーネスと本体とを結合します。結合はハーネス中央部のみですが、これによりハーネス全体が背中の曲線にフィットさせやすくなっています。また結合結合部にはゲージがあり、背面長44〜54cmまで幅広い微調整が可能です。ご自身でフィッテイングする場合は以下を目安にしてください。
・背面長44〜48 身長約145〜約160cm(Sサイズ相当)
・背面長49〜52 身長約160〜約180cm(Mサイズ相当)
・背面長52〜54 身長約180〜約190cm(Lサイズ相当)
このショルダーハーネスの調整とフィッティングがZENN最大の特徴といってもよいでしょう。しかしスタビライザーの使用手順などをしっかりとご理解いただくことがフィッティングの重油なポイントにもなります。スタビライザーはバックパックをおろすたびに緩め、担ぎ直すたびに締めるという基本的な解説ふくめ、店頭での実際のフィッティングをおすすめいたします。
サイドストラップとサイドポケット
下段のサイドストラップはちょうどサイドポケットの位置にあたります。このサイドストラップはサイドポケット内部でも、写真のようにサイドポケット外部でも締めることができます。
オフトレイルでの藪漕ぎや岩場などではポケット類が引っかかったり、ポケットからの荷物の脱落が大きな問題となります。そのため岩場や雪山での使用が前提となる山岳部や山岳会で使用するバックパックは昔からポケットがないシンプルなスタイルなのです。ZENNでも写真のようにフロントポケットをはずし、サイドポケットの上からストラップを締めることで、同様のシンプルなバックパックとして使用することができます。
サイドアクセス用ジッパー
ハイカーから見て右側の本体側面には本体入り口からサイドポケットまでの範囲にわたってサイドジッパーが設けられています。内部への素早いアクセスを可能にするためです。ULバックパックでは壊れる可能性のある箇所を少なくするため、こうしたサイドアクセス用ジッパーは採用しないことが一般的です。UL志向のハイカーにとっては要不要の議論がわかれる仕様ではありますが、これはユーザビリティを旨のとするパーゴワークスらしい仕様だといえるでしょう。
背面パッド&フレーム
背面パッドとフレームは写真のように本体内部のスリーブに収納されています。ユーザーによっては軽量化のためにアルミフレームを省くことも可能です。
背面パッドのサイズは展開時で52cm×70cm、厚5mm。ビバークシートとして使用可能です。収納の際の折りたたみサイズは52cm×24cm、厚15mm。スリーブ幅も同じ24cmのため、Evernew FPマットやTherm A Rest Zライトなどに換装するにはスリープが小さすぎますが、山と道 ミニマリストパッドでしたら、自由な幅で折り畳めますので、もっと長いマットへの換装を希望される場合に採用できます。
フロントポケット
フロントポケットにショルダーハーネスを取り付けることで、容量5Lのアタックザックとしての使用ができます。
ハイカーズデポでは、創業以来のショップテーマでもあるULハイク&ロングハイク文脈を基盤とした製品を多く取り扱っています。パーゴワークスでもここ数年、アメリカのパシフィック・クレスト・トレイル沿いで開催される「PCT DAYS」というイベントに出展し、北米のハイキングカルチャーへの関わりを深くしています。しかし決して北米のULハイク&ロングハイクのトレンドを模倣するのではなく、自分たちの信じるPAAGO WORKSらしさを提案し続けていることにブランドとしての揺るぎない芯を感じます。
ZENNは決してシンプルなULバックパックでもありませんし、腰荷重重視に回帰している北米のロングハイキングバックパックでもありません。パーゴワークスにしかできない「アウトドア自由主義」をカタチにしたマルチユースバックパックなのです。