ALPINE HAULER 45L

耐久性と軽量性に優れるシンプルなアルパインパック。超高分子ポリエチレン樹脂フィルムUHMWPEの複合素材Aluulaを主素材として用いています。この素材は接着剤や充填材を生地生成に用いない樹脂フィルムです。ハリコシが強く、樹脂のため水を通さず、強度が高い新しい複合素材であり、この素材特性がそのままバックパックの特性に反映されています。生地強度を最大限に活かすため、デイジーチェーンなどの外装用ループは省略されており、市場のアルパインパックにおいて最もシンプルなもののひとつ。ショルダーハーネスを収納すれば、荷上用ホールバッグとしても活用できます。このホールバック形状はパックラフトへの艤装もしやすく、アルパイン用途に留まらない応用が楽しみなモデルです。

仕様

重量:660g 

容量:45L

背面サイズ(適合身長):ワンサイズ 

素材:ALUULA Durlyte pur UHMWPE、40Dシリコンコーティングナイロン、140Dストレッチナイロン、

色:ホワイト

 

耐久、軽量、耐水に優れた最新樹脂素材を採用
素材特性を最大限活かすためのシンプルな構造
アルパイン用途に留まらない応用力

アックスホルダー以外の外装仕様を省いた徹底的にシンプルなつくり
素材特性を活かすため、本体の縫目を極力おさえていることがわかります
ショルダーハーネスは下部取付位置で脱着できます
耐久性と軽量性に優れるシンプルなアルパインパック。名前が示すように荷上用ホールバッグとしても活用可能。BLUE ICE アルパインホウラーの説明は一般的にはこれでほぼ終わりと言っても過言ではありません。しかし新素材の採用、極端なほどにシンプルな構造、些細だけれども使い手にとって嬉しい工夫。興味をもって見れば見るほど、感心させられることが次々とでてくるバックパックです。シンプルだからこそ奥深い、そんなアルパインホウラーの細部を見てみましょう。

素材と構造

バックパックをはじめとするギアの軽量化にはふたつのポイントがあります。ひとつは素材開発による軽量化であり、もうひとつは構造を簡素化することによる軽量化です。アウトドア用品の素材はどのような環境でどのような行動様式をとるかで、耐久性と軽量性のバランスが変わります。夏のトレイルで週末1泊2日だけ使えれば良いというバックパックと、天候変化が激しい時期の岩、沢、藪のオフトレイルで一週間安心して使えるバックパックとでは求められるものが変わるのは当然です。
1990年以降ダイニーマグリッドストップナイロン、シルナイロン、DCF、X-PACなどが軽量バックパックの主要素材として採用されてきました。2000年代中頃に極端な軽量素材への傾倒が見られたものの、30年を通じて概ね耐久性を前提にした素材が採用されてきたといえます。
ナイロン製バックパックが主役となった1960年代以降、岩と雪の環境で使用するアルパインパックはシンプルな構造でありつづけています。本体外部にはポケットがなく、ウエストベルトや背面パッドは取り外し可能な最低限のもの、というのが基本のスタイルです。そして1990年代後半にうまれたハイキング用のULバックパックはそんなアルパインパックにフロントポケットとサイドポケットを取り付けたスタイルといえます。従兄弟のような関係といえるかもしれません。
アルパインパック、ハイキングパック問わず、軽量バックパックは「耐久性に重きをおいた軽量素材をシンプルな構造でカタチにする」ことで生み出されてきたのです。

ALUULA

BLUE ICE アルパインホウラーの素材は超高分子ポリエチレン樹脂フィルムUHMWPEの複合素材Aluulaです。この素材は接着剤や充填材を生地生成に用いません。ハリコシが強く、樹脂のため水を通さず、強度が高い新しい樹脂フィルムの複合素材です。見た目はまるでプラスティックを薄く伸ばしたような質感です。接着剤を生地生成に用いないことにより強度が向上するだけでなく、ラミネート素材で懸念されてきた剥離問題が解決しました。Aluulaはこれまでバックパックで使用されてきた様々な素材と比べ、極端に軽いわけではありません。この素材で注目すべきは
・スチールの約8倍の強度対重量比
・1000Dナイロンの約7倍の摩耗強度
・樹脂フィルムであることによる防水性
こうした特徴です。この素材ならば、いままでと同じ軽さのバックパックでも、いままでにない耐久性を実現できます。この素材特性がそのままバックパックの特性に反映されるのです。

ショルダーハーネスの収納

アルパインホウラーは本体に極力縫い目をつくらず、寸胴のシンプルな構造を採用しています。そのため大きなギミックはほんんどありません。しかし例外がショルダーハーネスの収納です。バックパックに引っかかる箇所がないということでホールバッグ以外にも活用方法が考えられます。
ショルダーハーネスの下側取付部は脱着可能
ショルダーハーネスの肩口から背面パッド内へ収納
バックパック外部に引っかかったりする箇所がほとんどない

荷上用ホールバッグとして

パックラフトへの艤装バッグとして


デュアルアクセス内部ポケット

バックパック内部にはアクセサリーポケットがひとつだけ装備されています。このアクセサリーポケットは表裏ともにジッパーがついており、両側からアクセスできます。
バックパック内にそのまま垂らしていても、写真のようにパッキングした後の荷物の上にだしておくさいは普通に表側のジッパーからアクセス
ポケットを上に引っ張り出した時には、裏側のジッパーからアクセスが可能
表裏のジッパーは配置している高さも異なります。些細な工夫ですが、たったひとつの内部ポケットにこの気配り。それがまたニクいのです。

金属製ロールトップバックル

ハイキングパックではロールトップクロージャーの固定に2,3箇所からバックルで固定しますが、アルパインホウラーではこの1箇所の金属バックルでしっかり固定します。

外装

本体外部にはアックスホルダーしか外装用の装備がありませんが、工夫することで様々なものが固定できます。
アイスアックス
トレッキングポール
パックラフト&パドル

耐久、軽量、耐水に優れた最新樹脂素材を採用されていることが最大の特徴ではあるものの、その素材特性を最大限活かすために縫い目は極力作りたくないということで、他に類をみないほどシンプルな構造のアルパインパックに仕上がっています。シンプルなアルパインパックというと、恐縮、敬遠してしまうハイカーもいるでしょうが、このシンプルな構造はULバックパックと同じです。手にとって向き合うと、アルパイン用途に留まらない様々な応用例が思いつくのではないでしょうか。新たな魅力を引き出してください。

 

参考:パックラフトへの艤装

上記、例として挙げたホールバック仕様でのパックラフトへの艤装ですが、他のテープ、ストラップを用いずとも、縦位置でパックラフトへしっかりと固定できます。
前方部分はアルパインホウラー付属のホーリング用ストラップを用いて固定(写真2枚目)できます。後方部分はカラビナと調整用ラダーパーツを用いて固定(写真3枚目)できます。メーカーも全く想定していない使い方でしょうが、こうした工夫を楽しむのもシンプルなバックパックだからこその楽しみです。